2002年に読んだ本へのコメント
(02/01/14)
「ジェニィ」 (ポール・ギャリコ) を読みました。帯の宣伝文句は 「ニ匹の猫の恋と冒険と感動の物語」。そこまで言うのはちょっと大袈裟だけど、結構面白かったです。いや、猫好きの人はこれ読んでないと駄目でしょう。(僕は猫好きではないけど……。)(02/02/06)
ニューヨークでベストセラーだったという 「奇跡を信じて」(ニコラス・スパークス、アカデミー出版) を読みました。うーむ、途中まではいい感じだったんだけど 「なんだ、このパターンか……」 と 。それに、何が奇跡なんだかよくわからなかったのは僕の読解力が足りないのか……。ふむふむ、この人「メッセージ・イン・ア・ボトル」の原作者なのか。
「ターン」 (北村薫) を読みました。序盤、えらい読みにくいんです。ところが読んでいくと面白い!久しぶりに面白い本を読んだと感じました。ストーリーも面白いし、僕的には主人公の真希の考え方や電話での話し方や行動がとても好きです。『遠慮の綱引き』 とかすごく共感するしなぁ。小説の登場人物をこんなに気に入った初めてかも。(02/02/10)
「ぼくの小鳥ちゃん」(江國香織) を読みました。不思議なお話。やっぱりこれって、女性の二面性がネタなのかな? 以前から思っていた事なんですが、「カリメロ」 におけるプリシラ、「それいけ!アンパンマン」におけるドキンちゃん、そしてこの小鳥ちゃんのような無邪気なわがまま (ただし、良い子に見られようという意志がない場合) って、どうしても憎めなくて魅力なんだよねぇ。(02/02/16)
「裏庭」 (梨木香歩) を読みました。「西の魔女が死んだ」 が気に入って読んだんですが、そちらはファンタジーだとは意識しませんでした。一方 「裏庭」 は完璧なファンタジー。実際は 「西の魔女が死んだ」 もファンタジーなんですが、それに依存する部分が少ないという感じ。で 「裏庭」 はより心理面で深い分だけ現実から離れてファンタジーになっているということかなぁ。個人的にはあまり共感する要素が少ないのでイマイチかなぁ。女性だと感じ方が違うのかも。特に母親と娘の関係は男性作家には絶対書けないでしょう。こだわりありそう。(02/03/19)
「ぼくの神さま」(ユレク・ボガエヴィッチ) を読みました。映画の原作です。まあ悪くない話なんで映画で観ても良いかも。
「スキップ」 (北村薫) を読みました。実は 「ターン」 を読んだ時にも思ったことだったんですが、解説読んで納得しました。「ほんとに男性が書いているの?」 「なんて魅力的な主人公の女性!」 って、みんな同じ事を感じるわけね。それで、この 「スキップ」 については、世間での「泣けた」というほどの感動ではなかったんですが、僕にとってとにかく読んでいる時間が心地良かった! のめり込むではなく、浸っているという言葉が合うかなぁ。「ずっと読んでいたい!」 そう感じる文章なんです。あ、やっぱりドラマ化されてて、主役は松坂慶子だったか。そうじゃないかと思ったよ。ベストな配役とは思えないんだけど、他に思い当たる人いないしなぁ。(02/05/05)
「からくりからくさ」 (梨木香歩) を読みました。うーむ、この作品は、織物とか草木とか日本の伝統文化とか、そういうものを知っている人には楽しめるのかも? 僕は読んでいて、そういうものがさっぱりイメージできなかったので、ちょっときつかったです。(02/05/14)
「秘密」(東野圭吾) を読みました。例の広末涼子の映画が駄目駄目だったことがわかりました。ただし、この原作も最後の駆け足が残念かな。最後にもうひとつ平穏なエピソード入れておく方がラストが “より” 生きると思う。むしろ前半は減らして、単純に起承転結の四等分でいいくらい。まあ、映画を観てない人にはお薦めかな。(02/05/20)
「こころに水をやり育てるための50のレッスン」 (著 廣瀬裕子 絵 杉浦明美) を読みました。これ女性向け、しかもかなり若い女性向けの本だろうと思います。それは本屋で立ち読みして分かっていましたが、敢えて買ってきました。この本、姪っ子が高校生くらいになったらプレゼントしようと思って、それを忘れないように。押し付ける気はないけど、もしかしてこの本でより豊かな人生を送ることができるなら儲けもの。(02/05/30)
高野文子(紹介) 「黄色い本」 購入。近場の本屋で見当たらなかったので知人に買ってきてもらいました。うむ、まあ相変わらず良く分からなかったりするのですが、こんなお話は彼女しか描かないだろうなぁと思うし、ときどきハッとするようなとても面白い構図が好きです。まあほんとは 「ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事」 のような分かりやすいお話が好きなんですが。ちなみにあの作品は僕の中ではあらゆる漫画の中で “別格” 扱い。ここにある 『 実力も感性もある作家が、王道をやるとどれだけすごいものが出来上がるかのお手本』 という評に同意。もっと王道やってくれないかなぁ。(02/06/21)
「SFアニメの科学」(福江淳) を読みました。アニメネタの科学的な話を解説する本ですが、なかなか良い本です。ラグランジュポイントをここまで噛み砕いて解説してあるのは初めて見たし、反物質、ブラックホールなど、普通の科学入門本よりわかりやすいです。お薦め。
「ヒガシくんのタタカイ」 (群ようこ) を読みました。退屈せずに一気に最後まで読むことができました。が、それだけと言ってしまえばそれだけか。あまりイベントが無いお話だし。暇潰しになら最適な本だけど。(02/06/22)
「わたし いる」(佐野洋子) を読みました。「100万回生きたねこ」 の著者で、こちらは大人向け絵本と言えるかな。これは少し面白いです。ただし、僕がこの本を買ったのは本の内容よりも解説の川上弘美さんの文章を気に入ったから。要約するとこんな感じ。「こどもは、ずるい、強いものにひれ伏す、ひとりよがり、ばか、である。子供は決してうつくしくない、けれど子供は魅力的なのだ。大人は自分が子供だった時のことを覚えているが、思い出すと怖いから、思い出すと恥ずかしいから、忘れたふりをしている。で、ちょっと軽はずみな人が 『こどもはうつくしい』 などと言う」 。ということで、子供は決してうつくしくはないけれど、魅力的であることを確認できる本です。(02/06/30)
日本SF大賞作品、「チグリスとユーフラテス(紹介1、紹介2、紹介3、紹介4、紹介5)」(新井素子) を、やっと読み終わりました。これはあれですね、20年前に書かれた 「ネプチューン」(星雲賞短編部門受賞) の 「生命の進化とは一体何か?」 を推し進めたもの。「ネプチューン」 で満足してたけど、彼女的にはそれの結論を出したということかな。気力のある人は読んでみるのもいいかも。ただし、あの文体に対しては、若い頃は気にならなかったのにちょっと抵抗感出てきたなぁ。(02/08/10)
北村薫の「月の砂漠をさばさばと」 を読みました。絵がおーなり由子。あ、解説が梨木香歩だ。やっぱり、最初は女性作家だと思ったんだな。で、この本、部分部分面白いです。和みます。癒し本と言えるかも。でも、密かに深い部分があったり。人によっては凄く気にいるかもしれないな。(02/08/14)
おーなり由子の「きれいな色とことば」 を読みました。“色”に関する絵付きのエッセイ集です。要するに、絵本作家にでもなるような人は子供の頃から繊細で感受性が高いのだな、と言ってしまえばそれまでかなぁ。とはいえ、僕でもこの本に出てくるような情景に思い当たることはあります。それらを少しづつ思い出させてくれる本。(02/08/16)
「リプレイ」 (ケン・グリムウッド) を読みました。北村薫が「スキップ」「ターン」 を書いている最中に発表された作品で、アイデア的には 「ターン」 と同じですが、こちらの方は年表遊び的な要素と、人は時間と共に変わっていくのだというような面が含まれます。読み応えはあるし、面白いのですが、ちとクドイかな。どうも洋物って思い入れできないんですよね。「ターン」 は登場人物に思いっきり思い入れたのですが。
「ウルちゃん〜猫に聞かせる物語」 (大野隆司) を読みました。まあ、絵本だな。四話のバランスが変だなとは思うし、ちょっと表現が露骨すぎかとは思うのですが、最後のお話はちょっと良かったです。なぜか解説 (?) のイラストが北村薫。(02/08/19)
「水族館に行こミーンズ I Love You」 (内田春菊) を読みました。水族館エッセイ。というかリアルな水族館レポートかな。閉館前から掃除を始める嫌な水族館とか。ところで水族館とは関係ないが、下田水族館の項で 『子供の頃読んだのだが外国の話で、主人公の子が、窓からパテを掻きとって持ち歩く場面〜』 って、これ僕も読んだぞ。なんだっけ? 思い出せない。う〜ん、激しく気になる……。もしかして 「パール街の少年たち」 だっけ?(02/08/20)
「人の心をもった犬 〜野犬・太郎と私の日本平物語〜」 (遠藤初江) を読みました。犬が好きなんで読んだけど、率直に言ってつまらない。そりゃ同情はできるが、宣伝文句の“感動” とは程遠いただの自己満足のお話。人間の我儘が不幸な犬を生むのは確かにそう。でも 『この犬を助けたい』 という思いだって同じく人間の我儘なんだよ。そういう自覚が全くない。この人が日本平スタジアムが作られることが嫌 (というのがしつこく出てくる) なのと同様に、1年も掛けて野犬を野放しで飼おうとしてるのを嫌だと思う人がいるのは当たり前。結局その近所の人とのトラブルはそのまんまなんでしょ。その経緯を本にするなんて嫌味なだけじゃん。そりゃトラブル起きるよ、こういう人なら。あーあ、嫌な本読んじゃった……。(02/10/14)
「翼〜cry for the moon〜」 (村山由佳) を読みました。小説としてはバランス的にどうなのよ?という疑問もあって前半、中盤、後半、とまるで別のお話のような。とはいえ、読みやすい割に読み応えもあるし、内容も深いです。ありふれた分類ですが、これもテーマは自分探しってことになるのかな。なお、cry for the moon って 「月を取ってくれと泣く」->「無いものねだり」 なんだそうで。知りませんでした。(02/10/19)
「テレビゲーム文化論」(桝山寛) を読みました。これはなかなか興味深い内容でした。ゲームの歴史としても面白い内容があるんですが、カイヨワの遊びの分類、ゲームにおけるアフォーダンスとインタラクション、など(専門にやっている人には当たり前なんでしょうけど、) なかなか勉強になりました。(02/12/08)
やっと 「分身」 (東野圭吾) を読み終えました。まあ悪くはないです。前半から中盤は凄く魅力的な展開だったんだけど、残念ながら終盤はイマイチかなぁ。それからの展開をいろいろ想像しちゃう分だけ、あの終わり方では残念。発表は 93年か……。作者のサイトには、当時 「発表当時あり得ない話と批判されたが、翌年実際に……」 云々と書いてあったけど、ネタ的にはとっくに SF で書かれてた (ので、かなり早いうちにネタはわかっちゃう) と思うし、現実社会へのリアリティがあるほうが質が高いという前提で議論してるんだとしたら、とってもトンチンカンな論争だな。
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