シーズン展望 - 2007


上位チーム分析

補強状況を見る限り、磐田を除く昨年の上位チームが優勝争いに絡むのだろう。3強だった浦和、川崎、G大阪は順当に上位につけてくるだろう。それに加えて、伸びてきた若手次第で優勝が狙えるのが清水、過去の勝ちパターンと同じように良い外国人選手を中心に持ってきた鹿島、までが優勝あらそいか。

今シーズンのジュビロ磐田

福西、服部、名波、金ら中心選手が移籍した。
最初のこの話をしておきたい。単純に戦力の話ではなく、フロントによるチームの作り方という問題についてである。
服部、名波の移籍についてはレギュラーポジションを失ってしまったのが原因であるので、移籍の可能性があるのは当然である。実際、世代交代を考えるとその移籍を認めることは理解できる。しかし問題なのは、それをフロントが事前に予想していたかどうかである。予想していない上で、結果オーライなのではないか?
福西の移籍に関してはそのドタバタからしても予想外であったのは間違いないだろう。チームにおいて現時点で最も能力の高い選手の移籍、この点に関してはフロントとしては明らかに失態である。しかしながら正直なところ、福西の移籍を止めるのは難しかったに違いない。これまでの単年度契約への固執などから、福西は何かのきっかけがあれば移籍しても構わないと考えていたように思われる。もちろん実際に移籍理由は、チーム戦術だったり、家族のこともあるだろう。そういう風にいくつかの不満が同時に出てきた場合、移籍を止めるのはまず不可能だ。問題はそれらの危険を予想できているのかどうかである。
金の移籍もフロントの様子を見る限り予想外だろう。 (金に関しては、そもそもなぜ外国人枠を外国人若手選手の育成に使うのか、というスタート時点での疑問があるが。)
繰り返すが問題なのは、それらについてフロントが予測する危機管理ができているかどうかである。普段から危機が発生しないように務めるべきであるし、移籍の危険性がありそれを絶対に避ける必要があるなば契約交渉にそれを防ぐ条件を用意すべきであるし、避けられないならばそれに対応する対策が必要である。チームが好調な時はそれらはあまり問題にならない。チームの力が落ちてきたときにこれらのフロントの能力が問われる。その能力とは、用意できる資金力だけではなく、選手とのコミュニケーションだったり、選手を引っ張ってくる交渉力であったり、実社会の自由競争で企業がやっているようなありとあらゆることである。
今回、ジュビロのフロントは明らかその力について不安を露呈した。この先、我々はフロントの能力に注目していかなければならない。(単年度契約や代理人契約をしている若手主力選手などへの対応が大事。)

さて、ここからは戦力の話。ここでは福西の移籍に絞って考えることにする。
昨年の時点で、個人能力としてみるとチームで一番能力が高い選手であることは明らか。その影響が大きく、今季のチーム力は大幅ダウンであることは間違いない。ただし、何度も書いてきたが福西が両刃の剣であったことも確か。数年前から明らかに、代表では堅実なプレーをして、ジュビロではチャレンジ(練習)や軽率なプレーをする、というような状況があった。加えて主将などをやりたがらないことなど、リーダー的なタイプではないという選手。そう考えると、この先、福西の力が衰えてきた時にはベテラン選手として求められる能力としてはあまり大きくなかったように思われる。(そういう能力では服部などが残る方が良いだろう。) 想像だが、福西不在は近い将来には起きていたであろうことなので、後にやるか先にやかの違いである。このタイミングでやることを、早く始められる好機ととらえてはどうだろうか。

アジウソン監督のサッカーについて。
昨年途中の監督交代の結果である、最終的な 5位という成績はチーム力としてはベストに近いものであろう。内容に関してはベストではないが山本監督時代を考えるとベターだったと考える。個人的には、明らかに以前のジュビロのようなボールの回し方に近づいたことについては満足の範囲である。リアクション的な要素が多いことに関しては、選手の能力との兼ね合いがあるのでまだなんとも言えない。マンマーク的な方式は良いことだと考える。監督交代直後はその意識にズレで多くの問題が発生したが、シーズン終盤になるとしつこい守備など、個人で戦う守備の姿勢が見えた。これはジュビロがしばらく失っていた姿勢だ。かつての全盛期でも、激しい守備が攻撃を支えていたことを忘れてはならない。
ここで個人的な理想をいえば、その当時のようにラインを高く保ち前から連動するプレスがよいのだが、選手のインタビューによるとアジウソン監督は日本のコンパクトなサッカーはリスキーだと考えているとのことで、最終ラインは下がり目になるのだろう。
いずれにしても、前山本監督もリーグ戦途中の就任時は直前の監督のサッカーを踏襲し、翌シーズンからそのスタイルを独自のものに変更した。アジウソン監督に関してもそうなる可能性があり、今シーズンが始まってからが本当のアジウソンスタイルを見る事になるだろう。

個人的希望スタメン

各種情報からだと、アジウソン監督の考えるスタメンは以下のようになりそう。

  予想 (前田抜き)
                 
    西
(カレン、林)
      太田
(中山)
   
        成岡
(船谷)
       
                 
  マルキーニョス・パラナ   ファブリシオ   菊地    
                 
  村井
(上田)
  田中
(茶野)
  鈴木
(大井)
  犬塚
(加賀)
 
                 
        川口
(佐藤、松井)
       
                 

実際は前田がいる場合は前田を軸に考えるシステムになるはず。おそらくワントップ気味なものであろう。

  予想 (前田ありバージョン)
                 
        前田        
    西       太田    
                 

今季に関してはスタメンが誰というより、同ポジションを多数の選手で競争することに期待したい。
特に、怪我から復帰の村井と成岡、レンタルから戻ってきた加賀、移籍してきた林の試合出場が多いようなら競争はかなりの激戦となるだろう。これこそがチーム力が高まる第一の要因。今年はとにかく競争あるのみ。

個人として特に期待したいのは、前田と太田。すでにこの二人がチームの攻撃の核であることは明らかだが、今季の期待としてはチームの顔となるような活躍である。これまでの中山、藤田、名波、福西、といった顔を完全に消して、他チームのサポーターが 「ジュビロといえば前田、太田」 と言うような活躍をしてもらいたい。

それと、ユースの山本に期待したい。昨シーズンのデビュー戦を見たが、3人の選手に囲まれそうになった瞬間、ドリブルでかわして逆サイドにパスをしたシーンの落ち着きには驚いた。過去の先輩選手らがデビュー戦で判断ミスするシーンを何度も見ているだけに、この選手は伸びるのではないかと感じられる。アジウソン監督も起用する気が十分あるようで、10試合程度の出場を期待したい。