シーズン結果
順位 チーム 勝点 勝 分 負 得点 失点 差 予想順位(優勝確率) 優勝 横浜 32 10 2 3 29 16 +13 1-10 (10%) 2位 磐田 31 9 4 2 34 17 +17 1-10 (20%) 3位 市原 27 8 3 4 33 20 +13 3-12 4位 FC東京 25 7 4 4 14 11 +3 5位 C大阪 25 8 1 6 29 29 0 6位 浦和 24 7 3 5 25 23 +2 1-8 (15%) 7位 名古屋 23 5 8 2 19 16 +3 3-12 8位 鹿島 23 7 2 6 23 21 +2 1-7 (25%) 9位 柏 21 6 3 6 19 19 0 10位 東京V 19 6 1 8 28 32 -4 11位 清水 18 5 3 7 20 18 +2 1-10 (5%) 12位 G大阪 16 4 4 7 26 29 -3 1-5 (25%) 13位 神戸 16 5 1 9 18 34 -16 14位 大分 15 4 3 8 20 21 -1 15位 仙台 12 3 3 9 17 28 -11 16位 京都 10 3 1 11 14 34 -20 本命と予想した、G大阪、鹿島がそれぞれ低迷と終盤の失速という意外な結果だった。
延長廃止による激戦になったのは予想通り。特に面白いのは、攻撃力の C大阪、守備力のFC東京が揃って上位にあがったてきとこ。正直なところこれは理由がわからない。結局は短期決戦で勢いのあるチームが上位に残ったということではないだろうか。短期決戦過ぎることに加え、延長廃止になったことで、ほんとに勢いで成績が決まる傾向が強まったきたのかもしれない。1st ステージのジュビロ磐田
開幕戦で横浜に 4-2 で敗れ、第2節 G大阪にロスタイムでかろうじて引き分けに持ち込んだスタートを考えると、最終節まで優勝を争い 2位に終わった結果は悪くない。そもそも、高原が抜けたまま補強なしだったというのは、若手育成のシーズンであったことは明らかで成績が期待されたシーズンではない。そういう意味では、中山の怪我もあり予想以上に前田が試合に出て経験を積んだこと、上本、西野、高原のみならず新人の成岡、菊池も試合出場したことはある程度の目標を達したともいえる。
しかし、あくまでも優勝争いという観点で考えると、開幕前の西のFW起用というチャレンジが裏目に出たのは間違いない。結果的には A3 東アジアクラブ選手権やプレシーズンマッチなどを無駄にしてしまった。そのころから後の安定した布陣にしていれば、開幕から安定した力を発揮して優勝していた可能性も高い。このあたりを “たられば” だからと諦めるのも考え方だが、厳しい目でみれば監督らの選手選考失敗であろう。
2003年 1st ステージ の基本布陣 中山
(前田)グラウ 藤田 西 名波 服部 福西 山西 田中 鈴木 ヴァンズワム その監督の采配に関してだが、その開幕前の西の起用法は失敗に終わったものの、途中ですっぱりと諦めて変更したのは被害を最小限に食い止めたともいえる。さらに、高原という大きな柱が抜けたことに対して、高原の変わりのプレーを特定選手に求めるのではなく、他の選手の少しづつの変化で、攻撃力をある程度まで回復した。具体的には、昨シーズンまでにくらべて、小さなワンツーで前進するプレーが増えた。高原がいる時は、高原がボールを受けて個人の力で反転してボールを前へ進めた。その為には他の選手がそこに近づくのは邪魔であり、後ろでサポートしているだけである。今年は、特に西や福西が、中山やグラウを交えてワンツーをしてどんどんポジションを代えて前へ進んでいくシーンが多く見られた。西が中央を過ぎて左サイドまで進出するシーンなどである。
個人的には今年のこのワンツー多用での前進は大変気に入っている。ボールを動かしながら前へ進むのは見ていて気持ちがいい。平均して技術を持っている上に、コンビネーション的にもすでに確立されているジュビロの選手に向いた戦術でもあると思う。ぜひ今後も続けてもらいたい。
采配に関しても無難であった。カップ戦では思い切った若手の起用もみられたし、選手交代も比較的多かった。(起用に関しては最終節の左サイト川口のみ疑問が残っているが、1試合の采配で結論を出すのは間違いであろう。)
選手に関しては、まず、名波と福西の話をしたい。
優勝をかけた大一番で今季ベストゲームの呼び声も高い市原戦の名波のプレーに関して賞賛する声が多かったようである。これについては、名波に対して求めるものによって感じ方が違うのかもしれない。かつての名波のプレーを求めるものとしては、決定的な仕事をする回数が減っている名波を手放しで賞賛するわけにはいかない。具体的には、DF と接触するようなプレーでの弱さが最も気になる。イタリアから帰国直後にみられた、相手選手をトリッキーなドリブルでかわして突破するなどはもはやなかなかみられなくなった。大きなサイドチェンジのパスも少なくなった。また、無理な体勢からでも足先でコントロールする浮き球でラストパスなども見られなくなった。これはおそらく膝の問題などで、もはやかつてのようなプレー求めるのは酷なのだろう。
一方、福西は年々逞しくなっている。競り合いからの相手をかわしての攻撃や、ドリブル、パスなどもどんどん上手くなっている。もはやチームの攻撃の中心は福西ではないだろうか。今では誰よりも福西がからんだシーンが得点の香りがするように感じられる。
それで、福西が良くて、名波が駄目だという話ではない。名波と福西の役割が以前と変わっているということをもっと認識するべきだという話をしたい。かつては、福西や服部が無難にボールをつなぎ、名波から決定的なパスが出るという形だった。今は、名波が確実にボールを散らし、福西が決定的な仕事をするという風に変わっていると思う。とすると、福西が欠場の時にどうするか?を考えてみると、守備的な選手を入れるのではなく、攻撃的な選手を入れるべきである。市原戦で出場停止の福西に代わり河村を入れたのは、あの試合に関しては成功だったかもしれない。ただし、基本的にはこれからは福西の代わりは攻撃的な選手を入れるべきであると考える。
さて、他の選手に関しては、まずはグラウを挙げないわけにはいかない。
若手育成のシーズンのはずが、優勝争いができたのはグラウの予想外の活躍によるところが大きい。だからと言ってもちろんグラウが高原の代わりの活躍をしたわけではない。率直なところ、個人での突破力という面では助っ人としては不満がある。ただ、グラウはジュビロの他の選手と同じようにボールを追いかけ、スペースへ走り、周りの選手を利用してボールを回すというプレーをした。この外国人選手のプレーヤーをジュビロのサッカーに馴染ませたというのはある意味驚きでもある。他クラブから移籍してきた日本人選手でも、ジュビロのサッカーに馴染むのは難しい。グラウの個人的な適応力もあったのだろうが、チームとしても外国席選手をチームのスタイルに染めることができたのは、チームの方針などの一貫性、迷いの無さ、があったのだろう。これはクラブの大きな経験だったかもしれない。
とはいえ、グラウの活躍の裏にはやはり中山の力は大きい。中山が抜けた終盤、前田、グラウらは、昨年までに比べると大きな進歩をして期待以上に頑張ってくれた。しかし、特にヘディングで競ったりするような泥臭い点で、中山の変わりはいなかった。いかにジュビロが優勢に試合を進めていたとしても、苦し紛れに前線にボールを放り込む時間帯は必ずある。そこで簡単にはじき返されるのと、中山が競り合うことでフィフティフィフティのボールになるのは大きく違う。もちろん通常の攻撃においても、中山が競ったボールをグラウが拾うというシーンはたくさんあった。現在の中山に代わりはいない。これは今後の大きなポイントになるかもしれない。
DF はいつもどおりの活躍。強いて言えば、秀人の絶対的なスピードの優位性がなくなったのが気がかり。ただしこれは、相手FW が勝負を逃げている傾向もあり、飛び込んでくる選手に対応しなければならないなど、不利な状況だけが目に付くということもあるかもしれない。いずれにせよ経験でのカバーで十分な仕事をしている。むしろ今後は攻撃参加をしてもらいたいところだ。
あと気になるのは服部と川口。服部は一昨年のベストの状態に比べると攻撃面でのレベル低下は残念。あのころのように素晴らしいパスを出す姿はもう見られないのだろうか。
川口はかなり難しくなってきた。相手チームからの研究が進んだということもあるだろう。あるいは、スピード系の選手のピークは短いのかもしれない。少なくとも、たまにわずか数分出るくらいなら、J2でも試合に出つづける方がいいのではないだろうか?クラブの現状としてはスーパーサブがいなくなるのはきついのだが、本人のことを考えると (あるいは、成長して帰ってくる可能性まで考えると) J2 へのレンタル移籍をしても良いのではないか? 特に地元の新潟へ移籍してチームをJ昇格させてくるのは J1 に負けない強いプレッシャーもあるはずで良い経験になるはず。(それで昇格を決めるとそのまま帰ってこない可能性も高いが……。)
さて、最後に移籍が決まった藤田について。
藤田は決して派手な選手では無い。それには理由があると思う。TV の特集などでも言っていたが、J昇格時に入団した藤田の歴史はジュビロの歴史そのものであった。ジュビロのサッカーとは、基本的なパスやトラップの正確な技術、献身的に走ること、考えてポジションをとる、周りの選手を使う、ことである。決して単純なスピード勝負や高さ勝負、あるいはイチかバチかの強引な勝負スタイルではなかった。それはまさに藤田のプレースタイルそのものである。藤田のスタイル自体がチームのスタイルなのだから、藤田が派手に見えないのは当たり前の話。藤田のスタイルを理想とする基本ベースに置いた上で、より泥臭い中山や、トリッキーな名波や、フィジカルが強い福西のようなバリエーションができることでチームは強くなる。藤田を目標に選手育成をしていけば、自然にジュビロのサッカーを継続できる。藤田とはそういうポジションの選手だと言えるだろう。
将来のフロント入りは規定路線であるという。オランダでの成功とともに、たくさんの経験を積んで、再び帰って来ることを、ただ待とう。