シーズン総括 - 2002 2nd Stage


シーズン結果

順位 チーム 勝点 得点 失点   予想順位(優勝確率)
優勝 磐田 35 13 0 2 33 13 +20   1-3 (30%)
2位 G大阪 27 10 0 5 24 13 +11   1-7 (25%)
3位 鹿島 26 9 0 6 25 21 +4   1-5 (30%)
4位 東京V 24 8 2 5 26 19 +7    
5位 FC東京 22 8 0 7 20 19 +1    
6位 横浜F 22 8 1 6 16 16 +0   1-7 (5%)
7位 京都 22 8 0 7 18 24 -6   1-10
8位 浦和 21 8 1 6 20 14 +6    
9位 21 6 3 6 18 17 +1    
10位 神戸 19 6 2 7 21 22 -1    
11位 市原 18 6 0 9 16 19 -3   3-10
12位 清水 17 6 0 9 16 24 -8    
13位 名古屋 16 5 1 8 21 23 -2   1-7 (5%)
14位 広島 16 5 2 8 18 21 -3    
15位 仙台 12 4 1 10 17 30 -13    
16位 札幌 9 3 1 11 15 29 -14    

珍しく予想通りの 3強が 1位から3位を占め、本命磐田の優勝となった。優勝ラインが 2敗というのもピタリ。
本来なら鹿島が同レベルに上がってくるはずだが、さすがに怪我人の多さが響いたようだ。G大阪は順位的には良かったが、やはり 2敗ペースに付いてくるのは無理であった。
両東京の 4位、5位は意外。
一時優勝かともてはやされた浦和は落ち着くべきところに落ち着いたというところか。
期待はずれだったのが名古屋。もしかすると磐田との最終戦での大一番もあるかと思ったが、早々と優勝戦線から離脱。やはり外国人選手の能力に頼って上がった成績は一時的で終わるということか。

2nd ステージのジュビロ磐田

なんと言ってもほとんど怪我人のいないベストメンバーで戦ったことが大きい。客観的に見ても今年は磐田の力が抜けていたとは思うが、怪我人が数人いればいかに選手層が厚いとはいえ苦しくなる。そいういう意味でも、絶対に勝てる時に勝たなければいけないのがサッカー。まもなく世代交代のタイミングを控える今年に、しっかりタイトルを獲得できて良かった。

以下が 2nd ステージ途中からの河村がスタメンに入った後の布陣。これは 『N-BOX』 が 『N-BOX』 になった、と言えるのではないだろうか。
攻撃的な面で能力の高い西を外し、河村を入れることで、右サイドはある程度守備を前提とした布陣になったといえるだろう。ドリブルで仕掛けることが前提とも言える西の場合とは違い、右サイドの攻撃は河村を走らせるシンプルな攻撃で、それ以外は守備を考えたポジションを取る。そのことにより左サイドが変わった。藤田がよりゴールに近いエリアでプレーすることができ、加えて服部が左サイド前線に進出しやすくなった。シーズン終盤、左サイドを崩して見事な連携でゴールしたシーンの伏線はこの河村の起用にある。

               
  2002年 2nd ステージ(後半) の基本布陣  
               
               
    中山   高原      
               
    藤田          
      名波 河村    
  服部 福西      
               
  山西   田中   鈴木    
               
    山本      

 

選手個人に関しては、まずはなんといっても高原。今年の磐田の力が抜けていたのはなんと言っても高原の存在が大きく、得点王を獲得しただけでなく、ポストプレーなどのキープ力という面でチームへの貢献はとてつもなく大きい。(どんな補強をしても穴は埋まらないというのは頭の痛い話だが。) そして、いまだに成長を続ける中山。今季ペナルティエリア内でフェイントで DF をかわすシーンが何度か見られたのはほんとうに驚いた。そしてその中山と高原のコンビが完璧に近い。過去のJリーグのツートップでベストではないだろうか。
中盤に関しては、藤田は例年どおりのしっかりした活躍。福西は代表を経験して逞しく、かつ、技術的にもレベルが上がったように見える。
その一方、名波と服部に関しては、最後まで昨年までのレベルのプレーを見せることはできなかった。半年以上試合から離れた名波がベストなプレーができないのは仕方がないだろう。しかし、それでも繋ぎのプレーとしては十分な仕事をした。終盤では早いフリーキックを蹴る事もできるようになり、あとは長いパスがでるようになれば良いだろう。もしかしたら来季はかつてのベストな名波の姿を見ることができるのかもしれない。しかし服部については、守備はいつも通りの活躍ではあったが、攻撃に関しては昨年のベストの姿からは程遠かった。高原が抜ける分の攻撃力ダウンを考えると来季は服部の復活がないときついかもしれない。
現在の布陣という条件下ではレギュラーを確保した河村は、そこそこトラップも上手く磐田の中盤のパス回しで足を引っ張ることも少ない。そこそこの高さもあり、そこそこのスピードもある。磐田に少ない使われるフリーランニングができる。とはいえ本来ベストなポジションは、サイドよりも得意なミドルシュートも生かせるボランチだろう。現在サイドでプレーしながら経験を積んでいるのはよいことだ。チームの実力とは、実はこのような脇役の選手がどれだけしっかりした仕事をできるか、である。特にユース出身の河村は磐田のサッカーそのものと言える選手。今後の活躍を最も期待したい選手だ。
DF 陣に関しては、どんなに代表に選ばれなくても、鈴木が国内ベストの DF のひとりであることは間違いない。今季は攻撃に関しても成長の跡がみられる。引き分けが導入される来季、守りに入る相手チームを崩す為に鈴木の攻撃参加はチームのオプションとするべきだろう。田中に関しても一時、相手選手へのプレゼントパスが気になる時期があったが、シーズン終盤には減ってきたようだ。
微妙なのが山西と大岩のポジション争い。両選手ともレギュラーとは言い切れないということなのだが、まあ競争があるのはいいことだろう。しかし、西、山西が先発となると高さ的に弱くなるので、その場合は大岩という選択もあったように思える。
GK に関しては難しすぎてコメントしないことにしているが、山本を特別不安と感じた事もなく、レギュラーを完全に奪ったといえるだろう。DF の件でもそうだが、磐田でもポジションを獲れるのだというイメージは、今後の選手獲得を考えると悪くない。
そして、川口、西について。結局はサブに落ち着いた二人だが、共通していえるのは、当たれば大きいが安定した活躍とはいえないということか。ただし、サッカーという競技の特性上、安定よりも一発大当たりの方が重要な場面があり、そういう意味でも安定した選手が多い磐田に必要な人材といえる。来季 FW としてのレギュラーが予想される西はともかく、川口を他クラブから引く抜かれないような采配も必要になるかもしれない。

さて、優勝決定後の様々なインタビューから明らかになったことがある。
監督によると、今季に関しては、意図的に世代交代より勝利を優先したとの事。確かに今季その判断は難しかったと思われる。この点では、中途半端ことをしなかったということは評価するべきかもしれない。また、それを明言したことは、来季は世代交代するというベテラン選手達への宣言でもあるし、サポーターへの公約とも言える。
また選手によると、3ボランチはパスコースがなくなるので上手くいかなかった、とのことだった。確かに 3人の DF の前方 3人 というのは四角形の連結となる。DF 3人の前に、2人のボランチとサイドの 2人を合わせて 4人いることで、トライアングルになる。考えてみればもっともな話なのだろう。
また、サイドのボールが入ってきた際に、今まではサイドの選手かボランチが対応。ところが今年からセンターバックの一人がサイドへ出て、ボランチが最終ラインに入ることになったのだという。確かに昨シーズン、サイドの選手の疲弊が目立ったのはこのせいで、あまりにサイドの選手の負担が大きかった。この問題も解決したと言える。

昨年から同じ布陣を続けているように見えるが、磐田のシステムは微調整を繰り返している。これもチームのノウハウとして積まれるものになるのだろう。