シーズン総括 - 2000 1st Stage


シーズン結果

順位 チーム 勝点 得点 失点   予想順位(優勝確率)
優勝 横浜 30 10 0 5 32 21 +11   2-7
2位 C大阪 29 10 0 5 34 25 +9    
3位 清水 28 10 0 5 21 17 +4   1-5 (20%)
4位 26 10 0 5 25 22 +3   1-7 (10%)
5位 磐田 25 9 0 6 32 25 +7   1-5 (35%)
6位 東京 23 8 0 7 24 22 +2    
7位 神戸 22 7 1 7 21 17 +4    
8位 鹿島 22 7 0 8 20 17 +3   3-10
9位 V川崎 20 7 1 7 26 23 +3    
10位 広島 19 7 1 7 17 15 +2    
11位 市原 19 6 1 8 22 22 +0    
12位 名古屋 19 7 1 7 17 18 -1   1-5(35%)
13位 G大阪 17 5 2 8 20 23 -3    
14位 福岡 15 6 0 9 19 28 -9    
15位 川崎F 10 3 2 10 14 29 -15    
16位 京都 7 2 1 12 16 36 -20    

いきなり言い分けをすることになるが、まずは昨年 1st ステージの結果と見比べて欲しい。10勝5敗は、昨年だったら 4〜5位の成績である。特に最後まで優勝争いをして大健闘だったC大阪は、昨年と同じ勝ち星と勝ち点。つまり、C大阪は昨年と全く同じペースでシーズンを戦ったのだ。
ということを考えてみると、予想はそれほど極端に外れたわけではない。優勝したとはいえ、横浜にそれほどの強さは見られなかったし、予想通り清水は怪我人が出て失速。柏もいいところまで上がってきたし、鹿島はやはり上がってこれなかった。
予想を裏切ったのは、磐田と、またしても名古屋。磐田に関しては後で述べるので名古屋について。
結局、名古屋は旬の時期を逃してしまったということであろう。「
大型補強の顛末」に書いたが、名古屋は借り入れた資金を使い切ってしまい、残ったのは借金、という状況になっているかもしれない。
あと予想外だったのは、どこでも言い尽くされている東京の活躍。正直、降格候補だと思っていたので驚き。また、神戸の健闘も光る。しかし冷静に
過去の成績も調べてみると、実は昨年 2nd ステージも 7位である。中堅としての地位を確立してきたか?

横浜の優勝は、スタートに失敗した後でのエジミウソンの獲得が大きかった。京都時代に鈴木秀人をぶち抜いて得点したのは強く印象に残っている。東京同様、良い FW がいれば試合はひっくり返るという証拠。なぜ京都はエジミウソンを放出したのか?そちらの方が問題だ。

1st ステージのジュビロ磐田

はっきり言って「どうぞ優勝して下さい」と差し出された優勝カップを、受け取る前に勝手に転んだ、というのが的確な表現か。
終盤の鹿島戦以降の3連敗がすべてだった。その3試合と、延長に持ち込まれた京都戦で、勝ち点を、5ほど積み上げておけば、横浜に勝ち点3リードした状態で最終節を迎えていた。
「たら・れば」を言っても仕方ないのだが、服部が怪我しなければ優勝しただろうし、あるいは昨年の戦術を維持していれば優勝できたかもしれない。もう一本 PK が決まっているだけでも優勝できたかもしれない。今回に関しては、ほんとうにそれほどの差で「タイトルを取りこぼした」といっても良い。

             
  2000年 1st ステージの基本布陣  
             
             
    中山   高原    
             
  山西    藤田   西(川口)  
    服部      
             
  井原(田中)       鈴木  
      福西      
             
      尾崎      
             

監督が変わり、全く新しいシステムに代わる場合、どんな名監督でも6ヶ月かかるという。それを考えるならばまだ結論を出すのは早すぎる。しかし、監督の性格はある程度分かってきた。はっきり言ってギャンブラー。同点でも守備を一人減らして攻撃的選手を投入。サブのメンバーも攻撃的人員を並べる。
一方で、選手の出来が悪ければ先発を変更。PKを外せばキッカーを変更。ワントップの対応が上手く行かなければ、変則ツーバックを取り入れるなど、柔軟性があり、頑固にやりすぎてドツボにはまるということはなさそう。また、若手を積極的に起用することで、西、川口の成長を促したことは高く評価しても良い。特に、川口の右サイドでの起用は、当初は機能しなかったが、我慢して起用しつづけたことで今では大きな武器になった。

さて、タイトルを取れなかったことについて、挙げられるのが守備の不安定さについて。十分に経験を積んだメンバーであることを考えると、これは新システムに慣れないことからくる精神的な不安から来ているとしか考えられない。
他に理由があるとすれば、マンツーマンであることから、中盤で複数人数によるプレスがかからない。実は昨年まで、それこそがジュビロの守備力を支えていたポイントだったわけで、今年からはそれとは違うひとりひとりの守備能力が問われることになった。そうなった場合に、DFの経験の少ない福西、マンツーマンが持ち味ではない田中が、思ったより力を発揮できなかったように思える。そして、その守備の不安定をなんとかカバーしていたのが服部で、その服部が戦線離脱した途端に、ぎりぎりで出ていた結果を失うことになったのではないか?

マンツーマンから来る影響は攻撃にも出ているように思える。攻撃に移った瞬間のポジションが、相手の攻撃によってばらばらなので、ジュビロの最も得意としていた的確なポジショニングを利用しての小気味良くパスをつなぐという形にならない。これでは、ドゥンガや名波のような一気に逆サイドにロングパスを送るような選手がいない現状においては、速い攻めができない。
これらに関しては、監督が方針を変更するとは思えないし、今後の“慣れ”に期待する以外はなさそうだ。

ただし、今年の戦い方自体が悪いとは思わない。選手の個人で戦うという姿勢が、様々な場所で見られる。今までなら間違いなくパスだったところでの、思い切ったドリブル。または相手との競り合いに負けない激しいぶつかり。これらは日本サッカー全体の「接触プレーを避ける」から「接触プレーで負けない」という方針と一致しており、そういうサッカーの経験は個人能力を伸ばすに違いない。(このあたりに関しては「
トルシエサッカーが嫌いな理由(わけ)」に同様の話を書いた。参照されたし。)
しかし、その一方で取られては行けないところで無理にキープしようとしてボールを奪われるなど、致命的なミスも頻発した。これも、ドリブルしていいところ、悪いところ、自分のできる能力を、実際の失敗から学ぶしかないのかもしれない。これも選手の“慣れ”か。

得点の取り方について考えると、セットプレー絡みの得点の少なさが気になる。思えば昨年の 1st ステージ、苦しい試合を名波の FK、CK でどれだけ勝ちを拾ったか。実は、タイトルを獲った昨年との差はそれだけなのかもしれない。

選手個別の出来について考えると、まず GK の件は別扱いで述べなければならない。尾崎、大神の両GKの不安定さは、優勝を争うチームにあってはならないレベルであった。もともとGKが弱点と言われていた磐田であったが、今まではなんとか我慢できていた。しかし、他のポジションの強化が進んだ現在では、言い分けのできない状況だ。もはや補強以外は考えられない。
今思えば、昨シーズン前に楢崎獲得に動いたのは正しかったわけで、それが正しかったのならば、獲得できなかったら別の補強を考えるべきであった。

さて、前に述べた、システムの話と切り離せないのがリベロ福西。着眼点としては悪くないと思う。実際、福西絡みで得点は多い。ただし、その多くはセットプレーからの流れであり、決して通常の流れの中から上がっていっての得点は多くない。むしろ、後ろに余る福西より、マークで中央まで上がった、鈴木や田中がそのまま攻撃参加する方が多かったのではないか?となると、福西リベロより、福西ストッパーの方が攻撃が増えるかもしれない。そうすると田中をスイーパーに回せるというメリットもある。

守備の不安を支えていたのが服部だが、彼の攻撃への貢献も大きかった。彼がいなくなったあと、最終ラインからのつなぎが不安定になった。選手層の厚くなったジュビロにおいて、今や代用が効かないのは服部だ。誰もが認める中心選手。チームキャプテンとしても良いのではないだろうか。

攻撃陣に関しては、既に書いたように西、川口の成長は大きい。これは将来のジュビロの攻撃の中心になるであろうと期待できるほどのものに思える。
一方の、藤田、奥ら、ベテラン勢は良い仕事はしたが、もっと多くを期待したい。もう少し得点に絡んで欲しいし、セットプレーの精度は良いとは言えない。これは、ドゥンガ、名波レベルを望むのがそもそも無理なのかもしれないが。

左サイドに関しては山西だったが、彼については彼の力は十分に発揮したといえるだろう。ただし、右サイドを担当した、川口、西、に比べると見劣りは否めない。

さて、FW陣は、評価が難しい。中山はいつもの中山。できればもうひと頑張りしてもらって得点して欲しいが、今以上を要求するのは酷か。高原は、時折見せるスーパーゴールは確かに素晴らしい。しかし、試合によって出来の差がありすぎる。
しかし、いずれにしてもラドチェンコが先発した試合を見ると、中山、高原がどれだけ守備をがんばっているかが良くわかった。