総合クラブへの道
1999/10/31
Jリーグ百年構想を知っていますか?
Jリーグは、プロ野球のように単なる興行だけを目的としているのではありません。スポーツを通じての地域交流を、それから、人々の生活にスポーツが根付くことを目的としています。
それらは現Jリーグチェアマンが日本代表時代、ヨーロッパ遠征をした時にドイツで見た光景が理想とされています。
一面に広がる芝生のグラウンド。サッカーだけでなく、バスケやテニスなどのスポーツ。そして、食事したり、軽くお酒を飲んだり、くつろいだりする場所。そこに集う地域の人々。健常者、障害者も問いません。
単に、その核となるのが、サッカークラブというだけなのです。
(ちなみに、プロ野球の設備は大規模になってしまい、地方の小さな町ではプロチームを作ることはできないといわれています。それから現存するプロの組織的にも問題あるし……。「野球の話」参照)
さて、そういった海外のスポーツ文化に比べて、日本の現状は?
つい最近、バスケ漫画『Slam Dunk』の作者が、車椅子バスケの読み切りを書いていました。
その中に、ストーリーのメインの部分とは直接は関係ないのですが、こんな台詞が出てきます。
「どうしてこの国じゃ、部活やめたらバスケができないんだ!」
もちろん、そのドイツのケースなどは、歴史の長さに加えて、過去に政策的に莫大な規模の資本投資があったそうで、この不況下、同じ事を日本で実現するのは簡単ではありません。
しかし、いずれは日本でもそうなればいいなぁ、そう思います。
日本国内を旅行した時、どこに行っても 「この町にもクラブがあるんだろうな」と思えるように。
そう、 100年後でもいいから。
さて、そんな中、Jリーグのアビスパ福岡は スポーツ講師団 というものを作りました。スポーツ振興のため、様々な種目の専門家を用意し、要請があったところへ、技術指導、講演などを行うというものです。
既に好評で、続々と申し込みがあるそうです。
(追記 1999/12/18) Jリーグオフィシャルホームページにも記事がありました。
それからこんな話も。
休部、廃部が相次ぐ日本の企業スポーツ界。
そんな中、バスケットボール日本リーグで休部が決まっていた大和證券は、チームを、新潟総合学院を中核とした NSG グループへ受け渡すこととなったそうです。今後、複数企業の出資による運営会社を設立。プロチームとして活動するそうでうす。活動拠点は新潟。
新潟総合学院の池田代表はサッカーJ2のアルビレックス新潟の球団社長でもあります。
チーム名は未定ですが、アルビレックス新潟とするという話もあるようです。
個人的には、ぜひそうしてもらいたいです。Jリーグの理想である、総合クラブへの道を踏み出して欲しいのです。
Jリーグの人気自体は、ブームが去って下がってしまったのは確かです。
でも、J リーグが撒いた種は、まだほんのちいさな芽が出ただけですが、着実に育っています。
Jリーグはバブル経済の落し子。
確かにそう思います。サッカーに遅れてプロ化を目指したバスケやバレーはことごとく路線変更を余儀なくされました。
あのタイミングでなければ、Jリーグは出来なかったに違いありません。でもそれは、理念があったから支援してくれた人も多くいて、あの時期にプロ化の準備が出来ていたわけで、「プロが成り立ちそうだぞ」というスタートをした他の種目がタイミングを逸したのは必然だったのかもしれません。
今となっては悪いことばかり言われるバブル経済ですが、Jリーグこそが数少ないバブルが残した我々の財産ではないでしょうか?
(追記 1999/12/18)
Jリーグのオフィシャルホームページに、各チームの 1999年の活動が載っていました。
総合クラブという面で見ると、鹿島アントラーズが単発イベントとしてではなく、クリニックとして続けている、テニス、ミニバスケット、が目に付きます。
その他、オフィシャルページには、各クラブの活動の記事を載せるようになったみたいです。各クラブの活動と共に、このような宣伝に力を入れて欲しいですね。Jリーグの理念が一般に伝わり、理解を得られるならば、存続が厳しい状況になっている他のクラブを助けることになるかもしれません。
また、Jリーグは、5分間の深夜枠でもいいからオフィシャル番組を持つべきだと思います。内容は、J1、J2の各クラブが行っている地域活動の広報。番組自体の効果は低いかもしれません。しかし、映像資料として残すことでも、他の特番への流用などでも価値があるはずです。