「ろくむし」の謎
1999/10/19
「ろくむし」という遊びを知っていますか?僕の場合、小学校高学年の時に熱狂的にやっていた遊びです。
ところがある時、広島の小学生に混じって一緒に「ろくむし」をする機会があったのですが、なんと、まるっきりルールが違うのです。
それは「ぶつけ鬼」 (鬼ごっこでタッチの代わりにボールをぶつける) に似た、単純な遊びでした。
最近になって、インターネット上で「ろくむし」を検索してみました。
数件だけ見つかったのですが、さすがにルール説明してあるものはありませんでした。が、やはりローカルルールがあるという情報を入手しました。
さて、僕たちの地域のロクムシは、“攻・守”共にチームプレーが要求される、非常に戦略的な要素の高いゲームでした。
しかもゲームバランスが絶妙で、攻守共にそれなりに面白いという完成度の高さ。
果たして「ろくむし」とは、全国的なゲームなのか、それともローカルなものなのでしょうか?また、どんなローカルルールがあるのでしょうか?ぜひそれを調べてみたくなりました。
ということで、まずは山口県下松市で行われていた「ろくむし」のルール説明を行います。道具
使用する道具はボールだけ。
軟式庭球のボールか、それと同様のぶつけても怪我しないボール。場所とチーム分け
fig.1 のような領域が取れる広さならOK。
ふたつの円はそれぞれ直径が 2m〜4m くらいで、その距離は 30m〜50m くらいかなぁ?
( 円をつなぐ線は当初のルールではなかったかもしれません。)
ゲームは、先攻と後攻、2チームに分かれて行います。
1チーム 5〜10人くらいまでが適切な人数だったと思います。ゲームの勝敗について
攻撃側は fig.1 左の円の中からスタート。
右の円へ移動すると「半むし」。再び左の円に戻るのが「 1むし」。
それを繰り返し、チームの誰か一人が「 6むし」、すなわち六往復することが、攻撃側の勝利条件です。再び最初の状態に戻って攻撃を始めることができます。
守備側の目的はそれを阻止すること。円の中に入っていない攻撃の選手は、ボールをぶつられると戦線離脱しなければなりません。全員が戦線離脱になった時は守備側の勝利。ここでやっと攻守交代。ゲームの開始
ゲームは 2チームに分かれて、攻守を決めます。
そしてゲーム開始前にもうひとつやることがあります。
守備側になったチームは、チームのうちの誰かが、両方の円から、走り幅跳びの要領で反対の円の方向へ飛んで印をつけます。( fig.1 )
これで準備 OK。
ゲームは fig.1 の左の円、「出っ歯」がある方の円に、攻撃側の選手全員が入ることから始まります。
守備側は、上記走り幅跳びでつけた印に一人づつ、残りは、ゲーム開始に備えて、円の周りに数人を残してフィールドに散らばります。
最初に行われるのは「サーブ」。
攻撃側、守備側から一人づつが「出っ歯」の側にやって来ます。
守備側がボールを軽く、「出っ歯」に落ちるようなボールを放ります。攻撃側の代表が、何度かの「サーブ」のうちに、それを片手で「出っ歯」内に打ち付けることからゲームが始まります。
大抵の場合、ここではたかれたボールを攻撃側の選手が手にします。(ミスして守備側の手に渡ることもあります。)
攻撃側の選手が手にした場合、『利き腕側の反対の手の下手投げ』で、好きなところにボールを投げることができます。ボールを投げて守備側が取ってくるまでの間に、攻撃側が二つの円の間を移動するわけです。定常時のプレー
ボールが、守備側の手に入って、攻撃側選手の動きが止まってからは、守備側主導のプレーに移ります。
先ほどの走り幅跳びで決めた線の両外側から、2人の守備側選手がボールを投げ合います。ここでノーバウンドまたはワンバウンドで、キャッチミスなくボールを 6往復させることができたら、それが完成した瞬間、円の中にいる選手は全員戦線離脱しなければなりません。
ただし、五往復半まで投げ終わった後、最後の投球をする選手はなげ終わるまでに「 5むし半!」と叫ばなければいけません。そして、六往復目を受け取っ選手が、「 6むし!」と叫ぶことで、上記のルールが成立します。
( 実際は、「 5むし半!」と言ってボールが投げられた瞬間、攻撃側の選手は全員が円から飛び出ますから、これが成立することはないですが……。)
この「 5むし半!」と叫ぶルールは、攻撃側も同じです。円から円への移動を、五往復半まで行ったら、その円の中にいるうちに、「 5むし半!」と叫ばなければなりません。そして六往復した時に「 6むし!」と叫んだ時点で、攻撃側の勝利です。
攻撃側の最もアグレッシブなプレーは「とりむし」です。
守備側がロクムシを完成させようと投げているボールを、円から飛び出てノーバウンドでインターセプトするのです。「とりむし」すると、すぐに利き腕の反対の手に下手投げで、好きなところへ思いっきりボールを投げることができます。細かいルール
・自分が現在「何むし」であるかは、攻守共に「五むし半」以外は口に出して言ってはいけません。
・ボールをぶつけた時点ではなく、ぶつけたボールが地面に触れた時点が攻撃側の選手の戦線離脱です。すなわち、ボールをぶつけられても、ボールが宙に浮いている間に円の中に入れば、戦線離脱する必要はありません。
・守備側の選手は、円の中に入ってはいけません。
・攻撃の選手は円の中には、足の裏以外をつけてはいけません。また、地面から離れてはいけません。離れた時点で円を出たと判断され、同じ円に続けて出入りしてしまったらそこで本人及び円の中にいた攻撃側の選手全員が戦線離脱になります。
・守備側の投げ真似(フェイント)は禁止です。投げ真似する場合は、その投げるフォーム直後にボールを地面につけなければいけません。(ワンドリブルでも、しゃがんで地面にボールを付けるのでもどちらでも構いません。)戦術
攻撃においては、誰か一人が「 6むし」したらいいのだから、誰かが囮になるというのは常套手段です。ただし、誰が「何むし」なのかは、しゃべってはいけませんから、大抵の場合はわからなくなっています。味方の表情を見て、誰が囮になるかなどを判断する必要があるかもしれません。
また、むしろ戦術的には守備側の方が様々なバリエーションを持ちます。
まずは、ポジショニングから。基本的に定位置で (まず間違いなくキャッチボールが一番上手な ) 2人がボールを投げるわけだから、ミスした場合はその後ろに逸れるケースが多いわけです。まずは両方の円の後ろにカバーリング選手を配置します。残りはフィールドに散らばり、攻撃の選手にぶつけようと投げたボールの球拾いに回ります。
また、攻撃側が囮戦術に出た時、守備側の対抗策は「隠し球」です。複数の人が服のお腹のところにボールを入れて(入れた振りをして)、フィールドに散らばります。誰がボールを持っているのか、攻撃側はそれぞれが判断し、逃げる、あるいは、進むべき円へ向かって走ります。いつのまにか追加されたらしいルール
じゃまむし
戦線離脱した選手が、守備側のろくむしを妨害すること。 fig.1 にある、両方の円を結ぶ線の中に入って、投球の(主に)キャッチの時点で(前を横切ったりして)邪魔をする。
その線の内側でジャマムシの選手がボールに当たると、攻撃側の選手を一人戦線離脱させなければならない。死人とりむし
ジャマムシの発展系で、ジャマムシの選手が「とりむし」を行うことができる。ただし、ボール取る瞬間、「死人とりむし」と叫ばなくてはいけない。ロクムシの特徴
上記「戦術」からわかるように、チーム戦でありながら、個人個人の判断が問われるゲームです。個人の技術、性格もでます。トリムシを狙う選手、相手のミスを誘ってリスクを犯す選手、慎重に大回りしながら隙を狙って円に近づく選手、……。
そして、身体的に能力の劣る選手であって、囮になったり球拾いをしたり、チームに貢献することができます。
さて、上記ルールには、記憶違いなどあるかもしれません。
間違いがあったら教えてください。>下松出身者
問題なのは いつのまにか追加されたルールで、これらからもローカルルールが加えられていったことが予想されます。ホントは単純なゲームだったのが、下松周辺で誰かがルールを加えていったのかなぁ?
さて、ということで、全国的な情報を募集します。
あなたの地域のろくむしはどんなルールでしたか?
情報はこちらまで。 yoshina@dc4.so-net.ne.jp
と、もう一度、ネットで検索かけてみると、出るわ出るわ。
ろくむしに関するフリートーク (宇部のろくむし情報あり)
これだけでも、大体傾向が分かってきました。
山口もしくは鳥取より西が 2チーム対戦。
宇部や熊本では円が 3つというケースあり。
「〜むし」と声に出さなければいけないというルールもある。