日本語の乱れ

1999/12/03

ジュビロ磐田が出場した、アジアスーパーカップ。
アジアクラブ選手権優勝のジュビロ磐田と、アジアカップウィナーズカップ優勝のアル・イテハドとの試合でした。

さて、そのアジアスーパーカップを NHK が TV 中継をしたのですが、その番組内でこんなことがありました。

解説者は元日本代表の加藤久。彼がこんなことを言い出しました。
「(ジュビロは) この試合で 2nd ステージ 低迷の汚名挽回して……」
あわててアナウンサーが
「汚名を返上して……」
とフォロー。

おいおい、しっかりしてよ。仮りにも大学で教鞭とったほどの人でしょ。
もはや古典ネタなので言うまでもありませんが、汚名は返上するもの。挽回するなら名誉。


最近読んだ本が『日本語誤用・慣用小事典』(国広哲弥・講談社現代新書)。
実はこの手の本は結構好きで、今、自分の本棚にも『どこかおかしい日本語』(吉沢典男・ごま書房)がありました。

さて、数ある“間違い日本語本”の中、この『日本語誤用・慣用小事典』の特色は、正解を決め付けていないことです。この作者は、言葉は変わっていくものというのを明確に示し、多くの知識人などの使用例を根拠として、「これは現時点では認められているといえるだろう」などの意見を述べています。
更に付け加えると、「言葉の変化は緩やかに行われるべき」、「相手がどういう考え方をしているかどうかで言い方を変えると良い」、「他の言い方があるなら、無理して若い人が知らない言葉を使う必要はない」といった主張などなかなか面白い本でした。


それにしても、確かに言葉が乱れているのは感じますね。
ただし、ここで言うのは若者が作った新しい言葉ではなくて、古い言葉が正しく使われないことを指しています。新しい言葉は一過性の物が多いし、定着するならそれは新しい言葉であって、間違いではないから。混乱を招くのは、古くからある言葉が間違って使われるケース。

受験生の頃、現国だけはある程度の自信があったので、上記のような本に出てくるような間違いについては納得するケースが多いです。(とはいえ、年輩の方に比べると問題あるでしょう。)
ただし文法や言葉の勉強をしたことはありません。(きっぱり!) 今でも文法の説明はできません。その代わり、本や新聞はかなりたくさん読みました。ということは、僕の言葉の知識は、本や新聞での用法から自然に正しい言葉を覚えたということになります。

ところが最近、新聞や雑誌で「おや?」という言葉の使い方に気がつくことがあるのです。今の子供たちが、僕同様、特別に文法や言葉の勉強をしなかったとしたら、それらを読んでそういう言葉の使い方を覚えることになります。これでは言葉が乱れても仕方ないです。

それらの中でも、もしかしたら最も大きな影響を及ぼしていると思われるのが、最初に挙げたようなスポーツ中継の解説者。あるいはプロスポーツ出身の TV キャスター。
いくらそのスポーツの実績があったとしても、やはり影響の大きいTVで喋るからには、それなりに勉強してからやっていただきたいと思うのですが……。