大型補強の顛末
1999/05/22
プロスポーツチームにおいて、手っ取り早い戦力アップは大型補強、他チームの主力である選手を(複数)獲得することです。
Jリーグ、名古屋グランパスエイトは今シーズンの開幕前に、ロペス、山口、楢崎という、日本代表選手を獲得しました。これほどの戦力補強は、過去においては、Jリーグ設立時のチーム整備時にあったくらいで、それ以降としては初めてのことです。当然、名古屋は優勝候補に挙げられ、その動向はおおいに注目されました。しかし、少なくとも 1st ステージでは中位に低迷、昨年の結果を下回るという予想外の結果となりました。
改めて明らかになったのは、いかにサッカーというスポーツが、チームの戦術や、選手のコンビネーションというものが重要であるかということでした。まあ、ということは、選手のコンビネーションが今よりも確立されるであろう 2nd ステージ では期待通りに優勝争いをするという可能性があるということですが。
ただし、名古屋に関しては補強の方法がそれほど効果的でなかったかもしれません。なぜなら元々名古屋は攻撃に関して魅力的な選手が多いチームでした。今回獲得したロペスはもちろん、山口もどちらかといえば攻撃的な選手です。結局、名古屋の最終ラインは変わっていないのです。昨年同様の最終ライン、攻撃力が増しボールキープ力が高まった前線。これって、結局カウンターなど数的不利なピンチは増えるわけで、守備システムを考えなければむしろ失点が増えるのではないでしょうか?
さて、今回の表題は『顛末』。
ここで、名古屋が 2nd ステージ でどうなるかという話は置いといて……。
日本のプロスポーツの大型補強といえば、プロ野球の巨人の補強です。
FA制度が解禁になって以降、巨人は大型補強を行いました。とくに一昨年は、清原らを獲得し、33億円補強と言われました。また、その前後の年でも補強を繰り返し、ピークの選手だけでなく、かつて活躍していた選手も補強しています。
その結果、起きたこと。
2年続けて優勝を逃したことはまあ置いておきます。勝負は時の運ですし。
起きたことは、巨人の生え抜き選手、特に最初からレギュラーのような有力新人ではなく、脇役に成長しなければならないはずの若手選手が出場機会を奪われたこと。例えば中継ぎ投手陣の崩壊は、数年前に、(他チームから補強した)ベテラン選手を中継ぎとして起用したことなどが、若手の経験の場をなくすことになったからではないでしょうか?
つまり大型補強とは、生え抜き選手の成長の場を奪う危険と隣り合わせだと思うのです。
そういうことを考えると、サッカーのようなサブの選手の出場機会が少ない種目においては、その傾向は野球以上だと思います。
名古屋の若手選手は育つでしょうか?
チームのフロントに、育てる見込み、先を見据えたビジョンはあるのでしょうか?
もし、若手選手が育たなかったらどうするか?
その時は、さらに次の補強をするしかありません。そして補強をし続けなければなりません。いつまでも。
そう、大型補強とは借金のようなものです。