子供の頃に読んだ本 (SF編)

1999/08/28

SF という定義はなかなか幅広く、一般的にはファンタジーを含みます。そうするとかなりの童話が SF に含まれということになります。『エルマーの冒険』シリーズも、佐藤さとるの『コロボックル』シリーズも。
ということで、読んだ本や好きだった本のほとんどが SF の範疇に収まるので、実は「SF 編」以外は書けそうにないです。
読んだといっても、SF マニアの方々に比べれば、そんなに自慢できるほどは読んでないのですが……。
まあとにかく、読んだ本の中から、SF らしくて、かつ印象に強く残っている物を選んで紹介してみましょう。


最初に読んだ SF らしい本は、小学校の時の『宇宙戦争』(H.G.ウェルズ)です。この本については、多分子供向けに簡単にしてあったのではないかと思いますが。
SF の古典と言える本で、タコ型火星人と、オーソン・ウェルズが
ラジオドラマでやってパニックが起きたので有名な話です。ちなみに、そのラジオの事件以降アメリカで「この物語はフィクションであり……」というお決まりのフレーズがつくことになったそうです。それから、映画「インディペンデント・デイ」は『宇宙戦争』の現代版だそうです。最後がウィルスっていうのが同じなわけ。
この本、とっても面白かった印象あります。しかし同時に地球側の軍隊の装備が古めかしすぎるのに違和感を感じました。今考えると、そりゃ書かれたのがうんと古いんだから当たり前なのですが、SF が古臭いっていうのはなんとも不思議な感覚です。

さて次は『
わたしはロボット』(アイザック・アシモフ)。当時は創元推理文庫だったのが、今はハヤカワ文庫で『われはロボット』になっているみたいですね。「ロボット」に惹かれて読みました。これ、兄(3歳上)の本だったのですが、兄が弟に与える影響って大きいですよね。この本を小学校の時に読んだというのは、今考えると驚き。確か読めない漢字は全部飛ばして読んだはず。従ってあらすじしか分っていなかったのではないと思いますが、一応ちゃんと理解しました。精巧精密なロボットが「三原則」の言葉のあやのような面でパニックに陥ったりするのには少しつまらなく感じた記憶があります。小学生だからロボットが大活躍するお話を求めていましたから。
ただし、たまたまこの早い時期に「
ロボット工学三原則」を知っておいたことは良かったです。
SF って結構そういう暗黙のルールなどありますよね。それを知っているとより楽しめるものとか。
例えば『冷たい方程式』(トム・ゴドウィン)から
派生する、アンサーストーリー(って言葉あるのかな?)だとか、パロディとか。
またはこんな例。中学生の時に、ソノラマ文庫の確か『
猫の尻尾も借りてきて』(久米康之)という、タイムトラベル物の作品を読みました。当時、その構成に大変感心したのですが、(以下、推測ですが)その元ネタが、『夏への扉』(ロバート・A・ハインライン)にあり、おそらくそれに敬意を表して表題に「猫」が含まれているのだろう、ということとか。

中学生に入ると、順当に少年向けのソノラマ文庫の作品に手を出します。
当然、看板となっていた(と思われる)『
クラッシャー・ジョー』シリーズ(高千穂遙)です。これはかなりお気に入りでした。スペースオペラものというと『キャプテン・フューチャー』シリーズとかもあるわけですが、やはり翻訳とかの問題が、どうしても日本人が書いた『クラッシャー・ジョー』シリーズの方がとっつきやすく面白く感じました。安彦良和のイラストも、イメージを膨らませるのに貢献していたでしょう。
特に印象に残っているのが、6巻(?)のテュポーン(?)(人獣?)が出てくる話。読んでてぞくぞく恐かったの覚えています。ホラー物は読まないせいもあって、こういう体験はそれ以来ないです。
このシリーズ、今も本屋にあるのかな?今後も子供たちに読み継がれていってもいいシリーズだと思います。
(後に、劇場アニメ化された時、初日に朝早くから並んで、セル画をもらった話は恥ずかしいので伏せておこう。)

それから
星新一の一連の短編集を読みました。多分数十冊読んでるはず。
……ちょっとコメントは難しいですね。短編で、かつあの量ですから。あの話がどうの、なんてのはちょっと。星新一ワールドにどっぷり漬かったとだけにしておきます。
特に SF という意識なく、なにか本をお勧めするのには、適してますね。

中学から高校へと、いろんな SF に手を出し始めるのですが、特に他の日本人作家の作品なんかを読むようになりました。ソノラマ文庫の他に、なぜかか少女向け(?)のコバルト文庫の一部(
新井素子など)も読んでましたね。それから当然ハヤカワ文庫へ。高千穂遙だと「ダーティ・ペア」シリーズとか。
そんな中で特に印象が残ってるのが、高飛びレイクシリーズの『宇宙カジノ略奪作戦』(火浦功)。確か本編はこれ1作で、あと2作の番外編があるだけという……。
火浦功ってスチャラカな SF 作家で、ギャグ SF 物の作品が山ほどあってそれはそれで好きなのですが、この「高飛びレイク」シリーズは数少ない、半分はシリアス物。それでこの『宇宙カジノ〜』なのですが、そのコメディ部で無茶苦茶笑いました。今読んでほんとに笑えるのかどうかわからないのですが、当時、僕の琴線に触れました。読んでてあんなに笑った記憶は他にはないです。このシリーズがちゃんと発行され、『宇宙カジノ〜』のクオリティを保っていたら、僕は今、最も好きな作家として火浦功を挙げていたでしょう。

そんな感じで、日本の SF が随分多かったのですが、一応王道とも言える海外物も読みました。結構読んだのですが、翻訳の関係か、内容が難しいせいか、お気に入りという物は少なく、なかなか印象に残るものを挙げるのは難しいです。
覚えているのは『
歌う船』(アン・マキャフリー)や『宇宙船ビーグル号の冒険』(ヴォークト)とかかなぁ? それから『ファウンデーション』シリーズ(アイザック・アシモフ)。一応『ブレードランナー』の原作ということで『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』(フィリップ・K・ディック)とか。アイデア面では『竜の卵』(ロバート・L・フォワード)も印象に残っていますね。
そんな中「誰かに一冊だけ勧めるなら?」となると『
星を継ぐもの』(ジェイムズ・P・ホーガン)を挙げることにしています。
一応ハード SF というジャンルに入る物で、科学的実証(厳密にはあまり科学的でないという批判もあるようですが)をベースに成り立つ物語。一種のなぞ解きミステリーとも言えます。いくつか続編があるのですが最初の『星を継ぐもの』が一番良かったです。
まあ、読んだのは高校生の時なので、もし今読んだらまた違う印象を持つのかもしれません。

さて、最近になって読んだ本も少し。
アルジャーノンに花束を』)(ダニエル・キイス)。説明するまでもない、超メジャーな作品ですが、これのオリジナルは中編なんだそうです。僕は長編のハードカバーの方を読んだのですが、絶対中編の方がおもしろいはず、です。長編の方は冗長な部分が多すぎると思います。それでも、ずっと「期待ほどじゃないなぁ」と思いながら読み続けていても、最後はやっぱりグッと来ました。なんだかんだ言ってさすがに評判通り。読む時はハンカチを用意しましょう。

さて、最後に一番好きな作家の本を挙げましょう。
神林長平の『
戦闘妖精雪風』、『あなたの魂に安らぎあれ』。誰にでも勧めるというものではありませんが、大好きな作品です。
神林長平という人ですが、これらとは別の作品においても、一貫して根底に流れているテーマがあるのです。それは「ことば」であったり、「認識」であったり、……なんて説明したらいいのかなぁ。その一冊はあんまり面白くなくても、他の本と合わせて考えるとわかるのです。この人の作品を読み続けるとその感じが掴めて、それがちょっと心地よいのです。うまく説明できないのが残念ですが。
あ、でも『
敵は海賊』シリーズにはそのテーマとはちょっと外れているかも。あんまり魅力を感じなかったです。
ここに、僕とほとんど同じ考えの人を見つけました。そうそう、やっぱりこの2冊がワンツーだよなぁ。
あれ!「
雪風」シリーズ続編出てるんだ!すぐ本屋に行かなきゃ。