野球とサッカー
1999/02/03
日本において、特に年配者においては野球が人気スポーツで、サッカーの人気は今一つ。
どちらもそれぞれの面白さがあると思うんですが、特に年配の方にはサッカーの面白さは伝わっていないみたいです。
ということで、スポーツ観戦を楽しむという観点で、野球とサッカーについて考えてみました。
野球でもサッカーでも、一目で面白さを感じる部分と、そうでない部分があります。ホームランや空振り三振、シュートやファインセーブなど、これらはそのスポーツについての詳しい知識が少なくても楽しむことができます。
しかし、それら以外の部分においては、サッカーと野球はその楽しみ方が大きく異なるのではないでしょうか。
考えてみると野球観戦とは、時系列に並ぶイベントを楽しむことだいえます。
例えば、もし、ツーナッシングに追い込んだら次に行われるのは、一球遊ぶ、内角に見せ球、あるいは意表を突いた三球勝負。
ノーアウトでランナーが出たら、送りバント、盗塁、強行、あるいはヒットエンドラン。
このように、何か一つのイベントが実行されるわけです。
この同時に一つというのがポイントです。同時に一つですから、だれでもある程度経験を積むとちゃんと理解できます。また、予想することもできるようになります。
このように経験次第で誰でも理解ができ、さらに予想ができることが楽しいわけです。
しかもそのパターンは極めて多くのバリエーションがあるので、そう簡単に飽きる事はありません。予想をするにしても、千差万別の予想ができ、結果も千差万別。またその予想と結果を見て、その意図や有効性などを論評して楽しむことができます。
これが、野球の確固たる人気の要因の一つです。
さて、一方のサッカーは、プレー自体は、パス、シュート、ドリブルのわずか3つのプレーがほとんどを占めます。もしサッカーを、野球と同じような時系列のような考え方をしてボールの動きだけを追いかけていては、それは単純すぎてちっとも面白くないのです。(実際は、キックの種類によるボールの回転の違いとか、とっても深い面があるのですが。)
サッカーは、そのプレーのバリエーションが少ない代わりに、ポジション不定の広いフィールドと時間的に同時に起きることがポイントです。
つまりサッカーの面白さは、ボールのある所と同時にボールの無い所にあるわけで、そこを見る力を身につけないと、シュートやファインセーブといった一見してわかる面白さ以外の部分で、楽しむことが出来ないのです。
具体的には、パスを出す選手と、それを受ける選手がマークを外す動き。今誰もいないスペースに、3秒後に走り込む選手と、それを予測してパスを出す選手。あるいは、ボールがないところ、最終ラインが押し上げているか、それとも押し込まれて下がっているか。戦術変更によって何が変わったか。
これらを楽しむには学習が必要です。それは野球を楽しむ為の学習とはちょっと違う分野といっていいでしょう。しかも、野球のように時間的余裕がないので、残念ながらサッカーについての学習はある程度の運動神経が必要です。
まあバスケなども同じですが、バスケはゴールシーンが多いので、そういう見方をしていなくてもサッカーよりは楽しめる可能性が高いのです。(補足:もちろん、野球だって素人には簡単に理解できない部分があるわけです。ボールの見送り方でわかる打撃技術だったり、ファインプレーにごまかされがちな守備範囲の広さだったり。つまり、ちょっと難しくなる「壁」に当たるまでが早いか遅いかという違いを言っています。- 1999/02/06)
結論から言ってしまうと、サッカーのようなリアルタイム性が影響する場合は、たとえ見るだけであっても運動能力が必要で、それは若い人とは違い、全く新しいことを始めるのが難しい年配の方に学習を期待するのは酷だと思います。
つまり、Jリーグ人気の復活を狙っても、その世代に期待しても駄目です。
しかし逆に言うと、今の子供たちはサッカーを見たり、やったりして育っています。サッカーマンガなどで、アシストの重要性なども学習しています。彼(彼女)らは、将来的には今の年配の方よりは、はるかに深くサッカー楽しむことの出来るはずです。
ですから、日本サッカーの将来はそれほど暗くはありません。
実際の所、サッカー観戦して楽しんでいるレベルは人によりかなりの格差があるというのが実態でしょう。
例えば僕は、ボールと、オフサイドラインや、逆サイドのスペース程度なら同時に見ることが出来ますが、全体のポジショニングに関しては、自分が見慣れたチームがいつもと同じか違うかというくらいしか論評できません。
サッカー経験者(とは限らないかも)などは、やはり僕に見えない部分がみえているようです。
とはいえ幸いなことに、そんな僕でもそれでも十分楽しむことができています。