シアトル・スーパーソニックスの移転
2008/11/01
NBA シアトル・スーパーソニックが、今シーズンからオクラホマシティーに移転。チーム名もオクラホマシティ・サンダーになります。
移転までの経緯はこんな感じ。
元々チームを保有していたオーナーが経済的理由でチームを現オーナーに売却。(この新オーナーは、公式な発言とは裏腹に、本音ではチーム移転を狙っていたと思われる。)
シアトル市とチームはホームスタジアムであるキーアリーナの長期利用リース契約などを結んでいる。(NBA としてはこの不利な契約が気にいらない。本音は移転賛成だと思われる。)
そういった状況の中で、経済的理由からシアトル市はキーアリーナ改修または新しいアリーナ建築を拒否。
それらを理由にオーナーがチーム移転を実現に移し、NBA もそれを認めた。
この経緯で、いろんな嘘の発言など泥沼の話があるようなのですが、ここではそれらの深い話は取り上げません。とりあげるのは、チーム移転が認められることがあるという根本的なシステムの話。
これまで、アメリカ型スポーツと欧州型スポーツの話をなんども書いてきました。(「アメリカとヨーロッパのスポーツ (再考)」 など。)
全てがそうだというわけではないでしょうが、基本的にはチーム移転が起きるのはアメリカ型のスポーツ組織です。例えば日本におけるプロ野球など。欧州型のスポーツ組織は、まず街毎にチームがあるという前提で、それらの中から強いところをリーグにしよう、という考え方。しかしアメリカ型のスポーツは、リーグを作りましょう、商売しましょう、というのが先にあるように感じます。
アメリカ型のやり方が悪いのだ、というつもりはありません。アメリカにおけるプロスポーツの成功こそ、我々スポーツ好きに対して素晴らしいエンターテインメントを提供し、スポーツ選手に対しても高額な対価を払うことを実現しているわけですから。(でも、例えばその対価の大きさがあまりに現実離れし過ぎているという気もしないわけでもないですが。)
しかしながらチーム移転という話になると、じゃあチームを応援し続けてくれていたファンはどうなんだ、というのはやっぱり疑問です。確かに、純粋に商売ということだけで考えるならば、チケットはその試合観戦の対価だし、シーズンチケットだってそのシーズン分の試合観戦の対価。将来の分に関しては、それを約束するような金銭支払いはしていないのだからチーム移転されても文句は言えないです。けれど、言うまでもない話ですがチームを応援といのはお金だけの話とはちょっと違うはずです。そこには人の気持ちというものがあります。
システム的に難しいことだと思うのですが、やはりチーム移転というようなことは存在しないのが正しい姿のように思います。
ちなみに、少し前から気になっているのが、特に NBA におけるそういった商売優先だと思われる姿勢です。
ここ数年、仕事で 2度ほどボストンへ行くことがありました。
ボストンの街中を歩いてみると、MLB のボストン・レッドソックス関連の物は良く見かけます。そこら中のお土産屋さんにおいてグッズを売っています。
ところが、NBA のボストン・セルティックスに関して、街中にその存在感はありませんでした。グッズを売っていたのを見たのは、スポーツグッズ専門店だけ。それから、あるレストランに飾ってあった写真。それはラリー・バードの時代(20年くらい前?) の写真でした。
NBA は世界戦略としてグッズ販売などを管理しているはずで、おそらく許可を持っていないお土産屋さんではグッズ販売ができないのでしょう。
それらの手法が全て悪いというわけではないです。例えば、スタジアムに行ってグッズを購入させるという、スタジアム観戦の価値を高める事を目的としているのかもしれません。
それでも、どうしても全体的な方向性としては、地域としてのチームの立場より、金儲けが第一、というように見えます。