無能監督、過剰戦力裏目の法則
2007/07/15
ちょっと挑発的なタイトルにしてみました。
素人がプロのサッカー監督に対して “無能” などというのは言い過ぎなのかもしれません。また、実際に本当は無能ではなくたまたま運の悪い状況なだけかもしれません。それでも、サポーターとしてクラブに会費や観戦料金を支払っている顧客としての立場から、その監督の指揮の元で結果が出ないことに対して “無能なんじゃないの?” と批評する権利くらいあるのではないでしょうか。
さて、僕はジュビロ磐田のサポーターなわけですが、ここ数年のチーム状況を見ていて感じたことがあります。クラブが大枚をはたいて戦力補強してもちっとも強くならない。それどころかピッチ上のサッカーは以前より悪い。ところが、怪我人が沢山出てしまってベストメンバーを組めない状況になると意外といいサッカーをすることが結構ある。
最初これは “たまたま” そうなっているのだろうと思っていたのですが、実は必然なのではないかと思うようになりました。すなわち、ある条件が揃うことで発生するのではないか、と。具体的に言うと (経験の少ないことも大きな要因であると思われますが) 能力の低い監督が理想を追って戦力を使いこなそうとすることでそういう状況になるのではないかと思うのです。
ジュビロにおいて、山本監督の時にそれが顕著に現れました。シーズン途中の監督就任時にはそれまでのサッカーを継承。ところが翌年のシーズンで大量補強して新しいサッカーをはじめました。ところがチームはちっとも強くなりません。ピッチ上のサッカーの内容も酷い物。ところが、シーズン途中で怪我人が大量に出て、監督が考えていたものとは全然違う構成になると、だんだんと成績は向上しはじめました。
現在のアジウソン監督も少し似た状況です。監督のやりたい 3ボランチが上手くいったゲームはあまりありません。しかもこの監督、やたらとシステムを組み替えます。折角いい感じだったのに次の試合にはシステムを変えて駄目。活躍した若手選手が次の試合ではベンチ。ところが、出場停止などで監督が満足するようなシステムが組めない時などに意外といいサッカーをしたりするのです。
これらの共通点なのが “若くてまだ経験の少ない監督が自分のやりたいサッカーを求めてチームをいじること” です。“若くて経験の少ない” という穏便な言い方をしましたが、はっきり無能監督と言ってしまいましょう。一応フォローをしておくと、現時点で無能監督と言われても仕方ないという話であって、将来は有能と評価される監督になる可能性もあります。もしかしたらこのようなケースは若い監督の多くが陥ってしまう話で、後に名監督になった人達も一度ははまってしまった罠なのかもしれません。
いずれにしても能力のない監督がチームを大きくいじって上手くいくわけがないのです。それよりもある程度メンバーを固定し、その選手らによるコンビネーションを確立させる方が遥かに高い効果があるのは間違いありませんん。
さて、ここでポイントとなるのは “そもそも戦力がなければチームをいじりようが無い” ということです。すなわち戦力があるからこそ、チームをいじってしまって裏目に出てしまいます。もし戦力がなければ使えるメンバーは限られてしまうわけで、メンバーを固定して限られたメンバーが作り上げたコンビネーションで戦ういいチームができるかもしれません。
まとめると、無能な監督には戦力を与える方がチーム状況をより悪くしてしまう可能性がある、ということです。これが “無能監督、過剰戦力裏目の法則” です。
チームが低迷しているからといって、戦力補強すれば問題が解決するかどうかはわかりません。もしかしたら迷走に拍車をかけてしまうかもしれません。
話は以上で終わりなんですが、補足で二点ほど。
日本代表のオシム監督は、千葉枠と揶揄されるかつて自らが指導した選手の重用が有名です。僕はこの千葉枠自体については否定的なんですけど、これはオシム監督がチームをいじることの難しさを十二分に知っているからではないでしょうか。能力の高い選手を連れてきて並べるのは簡単。しかし経験的にそれが極めて難しいことを知っており、それよりは実力やプレースタイルを十二分に分かっている選手を重用する。おそらくそうに違いありません。
それから、例えば J2 のチームを昇格させた監督がいたとして、彼が有能かどうかを決めるのはまだ時期尚早です。J1 昇格後に戦力が増えてきた後、それまでにできなかったことをやろとしてチームをいじって迷走させてしまうかもしれません。