頑張れ亀田兄弟 by TBS
2007/08/02
亀田兄弟が気にいらないという話は以前書きました。( 「最近のスポーツについての雑記 〜バレーボール・ボクシング・競馬〜」)
理由のひとつは不透明感。つい先日ですが、あまりにタイから呼んだ選手が日本で負け続けるので規制をするという話が出たばかりですが、その亀田兄弟の対戦相手の多くがタイの選手。全部を否定する気はありません。まだ経験が浅い段階で少し弱い選手とやらせて経験を積ませるというのはわからなくもないです。でも日本人同士の対戦全くなしなんてのはいくらなんでもやり過ぎだろう、と。明らかにスターを生むための戦績稼ぎとしか思えません。
もうひとつの理由は、ボクシングという階級に守られた強さであるのにアウトロー風な振る舞いを売りにしていること。アンタ達は上の階級のプロボクサーは言うまでもなく、他の競技、例えば K1 や空手や柔道や相撲、いや、おそらくはラグビーやアメフトの大型選手と喧嘩しても負けるのに、何をそんなに偉そうなのか、と。傍若無人に振舞ってもそりゃ仕方ないなと納得するのはヘビー級や無差別級種目のチャンピオンだけ。だって彼らはほんとに一番強いのだから。強くもない者が強がるなんで、ほんとにかっこ悪いと思うのです。
さて、さらにもうひとつ亀田兄弟に関係して不愉快に思うことを書いておきたいと思います。それは亀田兄弟をバックアップしている TBS。
先日に亀田兄弟の試合の中継を一部見ましたが、アナウンサーや解説の亀田べったりの放送には呆れました。それは応援という域を越えているものだと感じました。
スポーツ中継において、応援中継というのはあります。古くは 「前畑ガンバレ」 のオリンピック中継ですし、サッカーやバレーボールの日本代表の応援なんかも典型的なそれでしょう。(あれも一部やり過ぎだと思いますが。) ところが、いくら応援の中継だからと言ってその場で行われていることに対して “嘘” な放送はしていないです。相手の選手であってもいいプレーをしたらそれを伝えます。(一部、サッカーに能天気な解説者が常に楽天的な発言していますが、まあ彼ぐらいのものでしょう。)
しかし先日の亀田兄弟の試合、特に先にやっていた弟の試合は酷い物でした。アナウンサーと解説者は 「相手選手の手数は多いが亀田選手の方がパンチが重い」 を延々繰り返します。その重いパンチで、ちっとも相手は倒れそうに無かったんですけど。相手選手がいいパンチを入れてもコメントなし。この試合のアナウンサーや解説は、明らかに亀田優勢を演出する意図がみえみえでした。
これらはもう “報道” と言えるものではありません。大袈裟かもしれませんが “大本営発表” と同じことをしているわけです。そのことに対してメディアである TBS はなんとも思わないんでしょうか? あのアナウンサーは自分のやっていることの自覚はあるのでしょうか? まあアナウンサーもバラエティ番組などでタレント活動する時代ですから、そういうことに疑問を感じないのかもしれませんが。
さて、もう少しだけ話を掘り下げてみましょう。そのような応援の域を越えてしまっている放送には原因があります。
TBS が、(正確に言うと TBS だけが) 亀田兄弟贔屓なのはなぜか。それは放映権を持っているから。
世界陸上の宣伝を TBS だけがやっているのはなぜか。それは放映権を持っているから。
NHK のニュースでやたらメジャーリーグをやるのはなぜか。それは放映権を持っているら。
サッカーアジアカップ、高視聴率でありながら、テレビ朝日意外は少し醒めた報道をしているのはなぜか。それはテレビ朝日が独占放映権を持っているから。
以前より社会人ラグビーの露出が減ったのはなぜか。それはテレビ東京系が放映権を持っているから。
いつからそうなってしまったのかわかりませんが、現在のスポーツ中継はもはや報道というより宣伝の要素が極めて大きいです。完全に視聴率競争に巻き込まれています。その結果として、大したこと無い大会や試合も過剰に演出して宣伝してしまうし、大きな大会なのに他局の独占放送だと報道を抑えてしまうのです。
これは日本のスポーツにとって極めて由々しき問題です。とはいえ市場経済の自由競争でおきていることですから無理強いするのも難しい話。マスコミという、報道を志した人達のモラルに期待するしかないかないのですが…。
とはいえ、これらは決してスポーツに限った話ではありません。政治や経済、国際情勢のなど全ての報道には必ず報道する側の意図が入っています。取捨選択の時点からそうだし、フィルターもかかっているでしょう。それらはなかなか分かりづらいものですが、比較的スポーツの方が分かりやすい分だけマシだと言う考え方もできなくはないです。
それから少なくともそういった状況はわかっているはず。例えばサッカーの AFC管轄試合、今までのはテレビ朝日の独占でしたが、次は複数の局に合同で購入を促すとか、日本サッカー協会にはそういう “したたかさ” も見せて欲しいところです。