欽ちゃん球団の話

2006/07/23

例の、極楽とんぼ山本圭一の事件による欽ちゃん球団、茨城ゴールデンゴールズ解散騒動の話。

最初に、萩本欽一が球団を解散すると発言したのを報道で見た瞬間、“これは間違ってる” と思いました。しかし事件直後の報道を見た限りでは、僕と同じように “萩本欽一はおかしい” という発言が出たのは 「たかじんのそこまで言って委員会 (06年7月23日放送)」 くらいでした。

僕が何がおかしいと思ったのか、ここで説明しましょう。
これは企業スポーツと地域密着スポーツの違いの話でもあります。プロ野球のチームや実業団の運動部は親会社の持ち物です。チームを売却しようが、廃部にしようが、本拠地を移転しようが、それはその親会社の自由です。
しかし、地域密着スポーツは違います。クラブがまずその地域に存在し、それを経済的に支えるのは親会社ではなくて、あくまでもスポンサー企業です。いやいや、地域密着スポーツを目指すJリーグだって実質的には親企業による運営が行われているよ、という指摘もあるでしょう。確かに経済的な状況は親会社に近い状態のチームもあります。しかしそのスポンサー企業が単独の意向で、そのチームの売却や廃止、ホームタウン移転をすることは (現在では) 絶対に不可能です。できるのはスポンサー企業を降りることだけ。その結果としてチームが潰れる可能性はあるかもしれませんが、その違いは大きいです。なぜならチーム存続をするために、新しいスポンサーを探したり、規模を縮小したり、チームはあらゆる努力をすることができるからです。(そして例えば Jリーグの場合は、規模縮小して下部リーグへ行くことで存続できるような仕組みができています。)

さて、今回の解散騒動でわかったこと。それは、茨城ゴールデンゴールズが地域密着スポーツではなくて実は企業スポーツだったこと、そして、萩本欽一およびこの報道をした際に何も疑問に思わない (僕に言わせると不見識な) 地域密着スポーツの意味を全くわかっていない人がたくさんいる、そいったことの露呈でした。

萩本欽一が独断でチームの存続を決定できるということから、このチームは実質的には企業スポーツだったようです。たまたま今回はチームは存続する方向になりそうですが、仮に萩本欽一本人のスキャンダルなら潰れていたかもしれません。また、この先経済的な問題などが出てきたらやはり萩本欽一の意向で潰れるかもしれません。これは全く企業スポーツの形そのものです。

そして、地域密着スポーツの意味を分かっている人は極めて少ないということもわかりました。これは日本においてはプロ野球の方式が染み付いているということかもしれません。萩本欽一が解散撤回の際 「選手やファンのことを考えなければいけなかった」 というコメントも、いまだにチームの命運はオーナーである自分が決めるのだという傲慢そのもの。
さらに残念なのは、ゴールデンゴールズのファンが萩本欽一に対して 「やめないで!」 とお願いをしているこ。本当ならばここは横暴なオーナーに対して怒らなければいけないのに。まあ、ファンのその行動や、実際にチームにおいてオーナー兼監督が最も有名である状況からしても、茨城ゴールデンゴールズがまっとうな地域スポーツクラブではなくて、単なる興行主体の組織であるということなのでしょう。

(だからといって、茨城ゴールデンゴールズを全否定する気はないですが。もしかしたら将来、まっとうな地域スポーツクラブになるかもしれないわけですから。)


本題から外れますが、その 「たかじんのそこまで言って委員会 (06年7月23日放送)」 では、野球、サッカー、相撲の話でしたが、突っ込みたい話が一杯ありました。

野球において、解説者の角光男が主張するのは “野球の人気低迷ではなく、巨人の人気低迷”、“地域密着路線をやっているチームは上手くいっている”。 確かにそれは間違いではないでしょう。
ただし本当にちゃんとした議論をするなら、一部のチームが巨人戦放映権料に依存している構造によって問題がどうなるとという点と、実業団野球チームが激減したことについてを取り上げる必要があります。そうすると問題は日本野球全体の組織の話にたどり着くはず。

サッカーに関しては、W杯だけを見て感想を言われても、という感じ。もちろん多くの問題もあるけれど、20年前に比べて日本サッカーのレベルアップはとてつもない伸び率であり、そういう面を抜きに議論をしても。まあ、それほど普段サッカーを見てない人たちが、W杯を見たというこなんでしょう。
一方、番組内で川淵キャプテンの責任追求に言及したことについてはメディアとしては画期的で、評価すべき内容でした。

相撲に関しては難しいですね。まあ、現在の相撲が地域密着スポーツではないことは確実で、日本においては地域密着スポーツでないものがどんどん廃れているということを考えると、日本人競技者の面に関しては先行きは暗いと言えるでしょう。