少年野球
2005/08/22
先日、少年野球 (軟式) のとある大会のうちの 1試合を見る機会がありました。その感想を書こうと思います。
率直な話をしますが、初めて見たその少年野球の試合には 「うーん…」 と考えてしまうような内容がたくさん含まれていました。と、書いてしまうとお分かりかと思いますが、かなりネガティブな話になります。
「うーん…」 と思ったことはいろいろあるのですが、まあ、走塁ミスをした選手に監督が 「(お前は鈍いんだよ!)」 というような内容の叱責したのは、個人的には気に入らない言い方でしたが、ここで問題視しないことにしましょう。選手と監督の信頼関係があるなら、外からでは酷いように見える叱責も、実際は愛情表現の一種かもしれません。それにこれは野球に限らない話ですし。
そんなことよりも気になったのは、あまりに監督の管理下で行われていることです。バッターボックスに立った選手は食い入るように監督のサインを見ています。ツーアウトランナーなしであろうと、です。
僕の育った地域は極めて野球が盛んで、全ての小学生がソフトボールをやらなければいけない雰囲気があるようなところでした。僕も当然 3年間ソフトボールをやっていましたし、もちろんサインもありました。しかしさすがにサインが出るのはランナーが出た時だけだったような記憶があります。今回のような監督の管理はちょっと驚きでした。
さらに気になったことがあります。間違いなく一部の選手が監督の顔色をうかがいながらプレーしていることに気が付きました。ある選手がツーアウトランナー三塁のチャンスで三振。彼がベンチの戻りバットからグラブに持ち帰るまで、チラチラと何度か監督の方を見ていました。(その時監督は椅子に座ってくつろいでいるわけですが。) また、別の選手、これは途中交代したピッチャーだったのですが、キャッチャーが取りそこなうような暴投をした時など必ず監督の顔を見ていました。これも少し衝撃的。自分の時はそんなことはなかったなぁ。
もうひとつ気になったのは、スクイズを多用する戦術。これら少年野球をよく観にいっている知人に聞いたのですが、この戦術はどこのチームも同じだそうです。少年野球の場合、盗塁はまずほとんど成功します。ランナーが出たら盗塁などでランナーを三塁に進め、そこで絶対にスクイズだそうです。僕の見たこの試合では、連続スクイズから相手のミスを誘って得点していました。確かに成功率が高いのでしょうが、正直どうなんだろう、と思ってしまいます。
わずか一試合を見ただけのものがこういったことを取り上げて一方的に論ずるのは、さすがにフェアではないでしょう。きっと外から見えなかった事情があるはず。実際、知人に言わせると、監督やコーチなどをしている方は全くのボランティア活動であり、そのほとんどは真剣に子供達のためを思って一所懸命されている方ばかりですから、その方針などに注文はつけられない、とのことでした。
また、上記のような監督の指示であったり、バントの作戦であったりするものは “勝利至上主義” に起因するものだと思いますが、この勝利至上主義も頭ごなしに否定するものでもありません。勝利を掴むからこそ得られる物もあるでしょう。それに僕が見たこの試合もあるトーナメントの準決勝の試合。こういったトーナメントである限り、勝たなければ次の試合がなくなるわけです。勝てばプレー機会が増えるわけですし、それによって選手が成長したりすることもあるわけで、どうせ試合をするのなら勝利を求めるのは当然の話です。
しかし、それら事情を踏まえた上で、それでもやはり思うこと、という書き方をしたいと思います。
せめて、少年野球でバントをするのを止めてはどうでしょうか。
野球の面白さって何でしょうか? 僕は “思いっきりボールを投げること”。それから “飛んできたボールをバットで思いっきり打ち返すこと” ではないかと思います。確かにバントを使う戦術というのは野球の魅力のひとつですし、その練習と試合で成功を “面白い”、“やりがいがある” と感じる子供だっているでしょう。しかし、多くの子供にとっては、“飛んできたボールをバットで思いっきり打ち返すこと” を楽しいと感じるのではないかと思うのです。
その打者は技術的に劣って空振りする確率が高いからバント。その打者は力が弱いので打っても内野フライ。だったら確実に転がす方がいいからバント。
ほんとにそれでいいのでしょうか? 小学生がやってることですよ。打ちたければ思いっきり打てばいいし、失敗しても別にいいじゃないですか。
仮に “バントという技術を身につけるのだ” という考え方があるにしても、中学生になって学ぶのでも十分ではないかと思うのです。
上記に出てきた、勝利至上主義からの脱却も一つの手法かもしれません。
近年サッカーなどではこの考え方が主流になってきています。特にサッカーにおける一発勝負の試合形式だと、守りに入る戦術が増えてしまいます。それは日本サッカーのレベルアップになりません。したがって高校サッカーでは “プリンスリーグ” という、ユースチーム、高校チーム混在のリーグ戦方式による大会が実施されています。
(ただし、そのプリンスリーグも他の大会との過密日程問題などあり手放しで評価されているわけではありませんが。)