音ゲーからの考察
2005/04/10
(今回は雑記です。)
”音ゲー” という言葉。ゲーム 好きの人なら普通に使う言葉ですが、ゲームに興味がない人は全く知らない言葉かもしれません。まずはおさらいしておく方がいいでしょうね。
もちろんここでいうゲームとはビデオゲーム、日本においては TV ゲームと呼ばれるゲームのことです。具体的にいうとファミコンだとかプレイステーションだとかのゲーム機を使って行うゲームのこと。
これらのゲームには様々なジャンルがあります。『インベーダーゲーム』 などを源とするシューティングゲーム、車の運転をするドライブゲーム、『ドラゴンクエスト』 で有名になったロールプレイングゲーム、『バーチャファイター』 などで有名な格闘ゲーム、などなど。『テトリス』 などの落ちてくる物を並べるパズルゲームは、特別に落ち系パズルゲームと呼ばれ、略して “落ちゲー” と呼ばれます。
さて、歴史的にはそれらより後に出てきたのが音楽ゲーム、略して “音ゲー”。昨年あたりで一番有名だったのは 『太鼓の達人』。特に子供に大人気のようで、一時はデパートのゲームコーナーで親子連れが行列を作っていました。
さて、その音ゲーについて以前から気になっていたことがあります。音ゲーって楽器演奏と同じなんだろか?あるいは全く違うものなんだろうか?
単純な動作形態だけをみると、音ゲーは音楽に合わせて画面上に流れてくる音符 (に相当するもの) に従って操作をして音を出します。これは楽器練習用途で演奏パートの音が入っていないマイナスワンCD や電子楽器に搭載されているマイナスワン機能にとてもよく似ています。音楽の一面である独創性などの要素は全くありませんが、全ての楽器演奏にそういう面があるわけでもありません。とすると音ゲーは楽器の一種と考えてもよい?
ではまずは楽器演奏とはどういうものか、ということから考えなおしてみましょう。あくまでも原則論からいうと、楽器演奏は本来機械に合わせるものではない、と考えるべきではないでしょうか。人と人とが一緒に演奏する合奏こそが、楽器演奏の本道としての楽しみ方ではないかと思うのです。
しかし、いわゆる “打ち込み” と呼ばれる、機械のテンポで演奏するようなダンスミュージックなどが存在するのも事実です。これについては、楽器演奏ではなく音楽制作という別ジャンルだと考えるべきです。音楽という大きな共通の枠組みがあり、その中に楽器演奏というジャンルと、音楽制作というジャンルがあるのです。それらは別々の楽しみ方もできますし、両者が重なっている部分もあります。 “独奏” が、この音楽制作の要素を大きく含む楽器演奏といえるでしょう。ひとりだからこそ自分が100%演奏内容をコントロールできる演奏なわけで、これは音楽制作に極めて近いものです。
では、上記に出てきたマイナスワン演奏は? あるいはメトロノームに合わせて一人で演奏して楽しむことは? これらは擬似的な合奏と言えるものです。それ単独でも楽しめないわけではありません。しかし、あくまでも人と人との合奏の楽しみの部分的なシミュレーションなわけです。
既に書いたように、音ゲーは楽器のマイナスワン演奏に似ています。しかし、それらがあくまでもシミュレーションであるのに対し、音ゲーはそれ自体が目的です。そう考えると、やはり楽器演奏そのものとはちょっと違うのではないではないかと思われます。
むしろ、音ゲーはダンスに近いものではないでしょうか。よくよく考えてみると、音ゲーというものが認知されたきっかけは 『ダンスダンスレボリューション』 の大ヒットなわけですから、よく考えたらその時点でダンスに近いものであることは明白です。
さてさて、音ゲーが楽器演奏に近いものであり、またダンスにも近いものであることが分かりました。とすると……
楽器演奏とダンスは実はとっても近いものではないでしょうか。どちらも音楽という大きな共通項の中にあるのは明らかですが、細かく見てみるとダンスにも楽器演奏にも、クラッシック、ジャズ、モダン、ヒップホップといった音楽ジャンルが大きく影響します。ソロという形態とグループという形態があるのも同じです。決められた通りにする表現方法と、アドリブという表現方法があるもの同じです。
僕などは楽器弾きなので無意識のうちに 『音楽のど真ん中に楽器演奏がある』 というイメージを持っていたのですが、実は音楽という大枠の中で、楽器演奏とダンスが対等の関係に、そして極めて近い場所のあるのではないかと考えるようになりました。
結論としては、『音ゲーとは音楽という大きな枠の中にある楽しみ方の一種であり、“楽器演奏” と “ダンス” という二大要素の中間にあるものである』 といったところでしょうか。