最近の日本スポーツの騒動に関する雑記

2004/09/19

最近の日本スポーツの騒動についてなのですが、実はプロ野球の話ではありません。


まずはバスケットボールの騒動の話。

日本のバスケットボールは
JBL という組織ですが、この10年くらいはその形態を様々に変えていました。現在は最高峰リーグを 8チームによるスーパーリーグといいます。
そのスーパーリーグの所属する新潟アルビレックスと、ひとつ下の JBL日本リーグに所属するさいたまブロンコスが、それぞれのリーグからの脱退を発表しました。理由はその2チームに加え、東京、大阪、仙台、大分の 6チームでプロリーグを作るためです。ところが
JBL はそれらの脱退申請を拒否。

新潟がスーパーリーグ脱退

男子、プロリーグ設立へ−−新潟、さいたまが来年秋に

新リーグは認めず バスケットボール協会


この騒動の背景としては、プロのクラブチームと企業チームとが、同一リーグで両立するのが難しいという事実があります。
企業チームは親会社がお金を出します。チームの目的は企業の宣伝であったり、企業の威信をかけて、などですから、企業自体に体力があればそれなりの金額をつぎ込むことが出来ます。(その一方で親会社が傾くと、企業チームはあっけなく消滅するわけですが。)
一方、プロクラブチームの収入はスポンサー収入と観客動員収入です。本来ならそういった収入を得ることで、企業チーム同様に資金を得ることができるわけです。ところが、企業リーグに所属していたら観客動員収入を得ることができません。収益は地域の協会などに入ります。言ってしまえば既得権益の問題です。(現在は収益の一部をチームが得ることになったようです。) また収益が入るシステムになったとしても現状では試合数が少なく、プロスポーツチームとしては運営できる状況ではありません。
現在の企業リーグの中で、親会社を持たないプログラブチームが活動するのは、根本的に無理がありほとんど不可能と言ってもいいくらいのものなのです。

こういった背景ですから、新潟とさいたまが、現状ではやっていけないと判断したのは当然の話です。プロリーグを作らなければ運営自体が難しいのです。今回の騒動は、現実問題としての必然的な到着点と言えるでしょう。(とはいえ、プロリーグを作れば万事快調というわけえはありませんが。)
ここで問題なのはプロリーグを作りたい勢力と、プロリーグを作りたくない勢力が存在し、バスケットファンの目の前で揉めていること。つまり日本のバスケット界はそれぞれの思惑が違い、全く足並みがそろっていないということです。

これ、プロ野球の状況と全く同じと言い切っていいでしょう。プロ野球同様この先どうなるかは全く見えません。状況を見守りたいです。


次はサッカーに関する騒動の話。

沖縄からJリーグを目指し、九州リーグに所属していたかりゆしFC が実質的に消滅しました。かりゆしというのは、沖縄のホテル会社だそうで、数年前にJリーグを目指すと言ってサッカークラブを設立しました。元Jリーガーを選手として呼んだり、コーチに元日本代表のラモスらを招いたりしていました。ところが 2年前にそのラモスを解任。このときに一度目の選手集団退団という事件が起きます。今回は二度目の集団退団。さすがに二度目となると完全に信頼を失ったようで、チーム消滅という結論になりそうです。

沖縄かりゆしの全員が退団へ

サッカー沖縄かりゆしのユース選手も退団へ

スポンサー撤退説明なし 退団選手ら不満訴え かりゆしFC


いろんな報道やネットで流れる事情話から判断すると、
“お金に余裕のできたオーナーがJリーグを目指すと言ってチームを立ち上げてみたものの、後になって気が変わった、あるいは本気でJリーグを目指すにはお金がかかりすぎることに気がついた、あるいは本業の都合でお金が出せなくなった、などいずれかの理由でチーム運営にお金をかけなくなった。約束が違うので選手らが怒った”

あたりが真相のようです。

さてこの話、やっぱりサッカーも上手くいかないね、という話でしょうか? いいえ、そうは思いません。これは企業型スポーツチームの失敗です。ワンマンオーナーの意思でチームの行く末が決まってしまう状態が、どんなに危険なことかが改めてわかった、ということです。
(現実的にJリーグなどのクラブチームがどこまで理想を実現しているかはともかく) Jリーグが理想とする “クラブを多数の企業/自治体/サポーターが支える” 方式が、やはり望ましい形であるという証明でしょう。


なお、一度目の選手集団退団の時、やっぱり沖縄からJリーグを目指したいという選手らによって作られたチームが FC琉球。2年前に沖縄県リーグから再スタートしました。上のバスケの話で書いたように、プロクラブチームが企業チームに混じるのは簡単ではありませんから、やはり苦労をしているようです。
ところが、今年FC琉球は沖縄県の予選を勝ち抜き (かりゆしFC も倒し)、見事に天皇杯の出場を決めました。FC琉球の天皇杯での奮闘を期待したいです。


おまけでラグビーの話も。ただし、これは騒動ではありません。

昨日、ラグビー
トップリーグが開幕しましたが、ちょっとした驚きがありました。観客動員数が1の位まで発表になっていたのです。昨年は100人単位で、野球同様の水増し発表のようでした。もしかしたら今年から実数発表になった可能性があります。

実数発表というのは、実はとても重要な問題だと考えています。実数発表こそがチームの収支の透明化の第一歩であるからです。チームの収支の透明化こそ、健全経営の第一歩です。今のプロ野球の経営問題も、これ抜きには考えられません。

それから、オフィシャルページの試合スケジュールにおいて、
ヤマハ発動機のチーム名に (カッコ) 付きながら “ジュビロ” の文字が入りました。(カッコ) 付きなのは、やはりサッカーのチーム名であることの何かの問題があるのでしょうか? まあ、昨年のヤマハ発動機だけ愛称が書いてなかったことに比べたら何かの方針変換があったのは確かでしょう。

トップリーグに関してはこれまでに厳しいことを書いてきましたが、少し期待できるかも。


関連リンク

新潟アルビレックス

さいたまブロンコス

FC 琉球