この際、実業団リーグを作ってはどうか
2004/12/12
来季から、徳島ヴォルティス、ザスパ草津がJリーグに加わります。1993年に10チームで始まったJリーグですが、順調にチーム数を増やし、ついには30チームになりました。
その徳島や草津が属していたのが JFL です。現在の JFL は、Jリーグを目指すクラブ、企業チーム、大学チームが混在しているリーグです。こう書くと、プロ野球とは異なる各カテゴリー間の交流があるサッカー界の長所のようにみえるかもしれませんが、現実は違います。目的の違うチームが混在する “いびつ” なリーグです。
これらについては、4年前に 「JFL 〜ピラミットの中の壁〜」 に書きました。基本的には状況は変わっていません。Jリーグを目指すクラブチームにとって、JFL はあまりに過酷な場所です。少しおさらいしましょう。
Jリーグを目指すには、何よりもまず実力がなければいけません。それには JFL を勝ち抜く程度の能力を持った選手を集めなければなりません。そのためにはお金が必要です。ところが、JFL はJリーグよりも試合数が少ないですし知名度もありませんから観客動員で収益を得るのは難しいです。そうなると当然スポンサーを集めるのも難しいです。
また JFL は全国リーグです。とすると例えば九州のチームが東北まで遠征をしなければなりません。本来ならば国内 3部相当のリーグで全国リーグである必然性はありません。日本を三地域に分割するなどが妥当なところでしょう。これらのチームが強いられる長距離の移動費は地方クラブの経営を圧迫するだけですし、別に仕事を持つアマチュア選手にとってはスケジュール的な負担まで強いています。
ところが、Jリーグを目指しながらもそれらの理由で苦しんでいる弱小クラブチームの前に、比較的お金のことを気にしない裕福なチームが立ちはだかっています。それが企業チームです。そして、全国リーグであることを求めているのも彼らです。彼らはアマチュア日本一という称号が欲しいわけですから。
既に 「JFL 〜ピラミットの中の壁〜」 に書いたことなのですいが、こういった状況は日本サッカー全体にとってはあまり都合の良いことではありません。Jリーグを目指す弱小チームが力を蓄える余裕がないのです。だからといってそれらのチームを優遇しようというわけではありません。ただ、Jリーグを頂点とするスムーズなピラミッドを作り、身分相応の強さと規模のリーグで戦うことが、それらのチームを育てることになるのです。それだけでいいのです。
さて、それを実現する方法を考えてみました。
この際、実業団リーグを作ってはどうでしょう。つまり、J1、J2 と別に実業団リーグを設置し、現JFLからの別の昇格先を用意するわけです。
現在 JFL に所属するチームは、Jリーグ加盟の申請をしているチームとしていないチームに分けられます。企業チームはJリーグ加盟申請をしていません。そして、成績が悪くなって降格しない限りそのまま JFL に残ります。Jリーグ加盟申請をしているチームは成績、施設、経営問題などが条件を満たせばJリーグ昇格です。満たさなければJリーグ昇格はできません。
新しい下部リーグを仮に東日本、中部日本、西日本の 3リーグとしましょう。それらに所属するチームはそれぞれ、実業団リーグ加盟申請をするチームと、Jリーグ加盟申請をするチーム、何も申請しないチームの 3種類に分かれるのです。Jリーグ、実業団リーグともに、独自の基準を設けて昇格のシステムを作ります。リーグで昇格希望最上位チームを集めた決勝リーグをやってもいいし、リーグ 2位以内なら資格審査をして昇格を決めるなどでも構いません。
このシステムなら、少なくとも現状よりはJリーグを目指すチームが、その (戦力的および経済的に) 身の丈にあった地位で運営を続けることができるはずです。
実際のところ、このようなシステムであっても特におかしくはないように思います。大学リーグだって独立して存在しているわけですから、企業の独立したリーグがあってもいいはずです。そして、天皇杯では全てのリーグからチームが出場して日本一を決める、それでいいのではないでしょうか。
まあ現実には、実業団リーグはホンダのぶっちぎりの勝利になって、面白くないリーグになるでしょうね。
でもホンダは、「社員の福利厚生でやってる」 って宣言してるわけだから、リーグが面白いとかはあんまり重視することじゃないはず。あくまでも趣味の範囲であって、プロでやりたいならJリーグでやるべきです。