「トップリーグ (ラグビー) について」、「ヤマハ発動機ラグビー部 “ジュビロ”」 の続編としてのコラムです。
(追記 2005/05/08) 観客動員数の発表などについては状況が変わりました。 「最近の日本スポーツの騒動に関する雑記」 参照のこと。
トップリーグに失望
2003/09/21
トップリーグには失望しました。
今となって考えてみると、その失望の一番の原因は、単なる僕の過大な期待だったわけですが……。
それらの 「期待したこと」、「失望したこと」、「期待をしてしまった理由」 を順番に書きましょう。
まずは 「期待したこと」。
期待をしたのは、ひとつはラグビーというスポーツが今よりもクローズアップされること。そして今のような大学と企業関係での偏ったファンによって支えられるスポーツではなくなること。
また、Jリーグのような地域密着方式によって、(競技種目に関係なく) 地元のチームを応援しようという流れができること。これはスポーツを単なる客寄せの興行ではなく、文化として定着して欲しいという意味もあります。「トップリーグ (ラグビー) について」 でも書きましたが、“火曜日から日曜日まで一週間野球” というのではなく、サッカーやバスケットやラグビーやバレーボールがあって、主に地元のチームを応援する、そうなって欲しいと思っているからです。
もちろん一気にそんな変化が起きる訳はありません。将来的にそういう方向へ向かうために、少しつづ実績を積み重ねていけば OK、そう思いました。
次に 「失望したこと」。
まずはトップリーグを積極的に宣伝しようという気が全く見られなかったこと。よっぽどのスポーツ好きでないと “トップリーグ” が何を意味するか知らないのが現状でしょう。TV 東京がワールドカップを含めて放映権を持っているのも、残念ながら逆効果かも。NHK の放送がなくなったのでは (特に TV東京系の放送局のない静岡などでは) 結果的にラグビーの試合の TV 視聴者は減ったのでは?
そして、観客動員数が主催者による概数発表だったこと。プロ野球と同じ方式です。当初、目標観客数が 3500人であると関係者が発言していましたので、当然正確に観客動員数を発表するのだと思っていました。ところが100人単位の概数発表。野球の1000人単位よりは厳密そうではありますが、野球のように大幅に水増し発表したら意味ありません。正確に観客動員を発表してこそ、良い方向に向かっているのか、悪い方向に向かっているのかが明確にわかるはずだと思うのです。
何も、ラグビーがいきなりプロリーグとして運営ができるなんて思っていません。難しいというのはよくわかります。とはいえ関係者が 「ラグビーのプロ化はトップリーグの様子を見てから考える」 というような発言をしている上でこの状況では、ほんとは最初からやる気がないとしか思えません。
もう一点、ヤマハ発動機の愛称 “ジュビロ” がオフィシャルページを始め、チーム名として出てこないこと。この件については何故か理由がわからないのですが、他のチームが愛称付で扱われていることから考えても意図があるのではないかと疑っています。企業主体でやるのに、Jリーグチームの愛称は相応しくない、と考えられたとか。もしそうだとしたら、ジュビロ側が考えた地域で盛り上げていこうという意図は台無しです。
最後に 「期待をしてしまった理由」。
期待をしてしまった理由は、どう考えても、世の中の流れはそういう方向に向いていると思ったから。
企業の運動部が次々に廃部、休部している現状。企業主体リーグでJリーグの後を追おうとしたバレーボール、バスケットボールといった種目は正直関係者にとって期待外れ。これは企業中心のこれまでのやり方では駄目だという明確な結果だったと思います。(あくまでも企業主体が駄目なのであって、企業を排斥すべきだという意図ではありません。「J リーグが企業名を外したほんとうの理由」 参照のこと)
むしろ、バスケットボールなどは企業チームの廃部が相次いだせいで、新潟アルビレックスのような地域密着型のチームが出てきて、実際に観客を集めてバスケットボール関係者から期待されています。かつて、日本のバスケットの試合でどんなに観客を集めても収益はチームには入りませんでした。しかし、アルビレックスのように自分達でお客さんを集めてくるチームが出ることで、収益の一部がチームに入るようになりました。これらが意味するのは、クラブが責任を持つということです。責任を持つということは、安易にチームを売却したり、潰したりしないということを意味するのです。
バレーボールでもJリーグの FC東京や東京ヴェルディのバレーチームが活動を始めています。Jリーグとの協力体制が、いい方向へ向かっている例です。
このタイミングで新しく立ち上げられるリーグ、当然これらの流れに沿ったものだと思ったのです。
現実はトップリーグとは、それまで地域別だったラグビーの社会人リーグを全国リーグにした、それだけのことだったのでしょう。残念です。