Jリーグの楽しみ方

2003/02/02

数年前からそういう兆候はありましたが、特に昨年のW杯の影響が大きかったのでしょう。最近の、TV におけるスポーツ番組内の海外サッカーコーナー、そして海外サッカー情報誌の氾濫はちょっとした驚きです。そして、日本人選手が活躍しているイタリアやオランダだけではなく、全く日本人選手のいないスペインなども大きく取り上げられていることから、これはレベルの高い欧州リーグを楽しむ人が増えているのだと想像できます。

一昔前だったら、海外リーグの試合はそう簡単に観る事はできませんでした。しかし、CS を始めとする衛星放送系のコンテンツが充実してきましたから、今ならお金させ出せば、世界中のサッカーを観る事ができます。そういう意味ではJリーグ中継にしても、BS、CS が中心ですから、TV 観戦では海外リーグとの差はほとんどないと言えるかもしれません。
とすると、レベルが上がってきたとはいえやはり欧州リーグに比べると劣っているJリーグは、今後観る価値がなくなるのでしょうか?

つまり 「レベルの高いものが価値があるかどうか?」 という問いを考えてみたいわけです。

まあ、考え込むほどのものでもないでしょう。答えは 「人によって違う」 です。
簡単に例をあげることができます。高校野球ファンというのは実際に存在するわけですが、プロ野球より明らかにレベルが低い高校野球に価値を見出しているわけで、そのレベルが低い事を分かった上で楽しんでいます。高校野球ファンが、野球を観る目がないなんて思う人はいないでしょう。
もっと極端な例を挙げてみましょう。世界陸上と子供の運動会はどちらが大切か? 普通の親は子供の運動会の方が大事ではないでしょうか。

それでも、「いや、俺は子供のサッカー大会よりはワールドカップ決勝の方が大事だ」 と言い張る人がいるかもしれません。ではこういう場合だったらどうでしょう。その子供が、その大会のために彼なりの全てをかけて練習をしている、試合に負けたら悔しくて涙を流すほど頑張っている、そうやって迎えた大会である、それを知っている場合はどうでしょう。それでもワールドカップ決勝の方が大事でしょうか?

Jリーグのクラブを応援すると言うのは、これに似ていると思うのです。
サポーターは、家族のようにずっと見てきたわけです。新入団選手が成長する様子を見てきました。チームが勝利を逃して悔しがった場面も、選手が怪我をして苦労したことを知っています。特に J1/J2 のリーグ昇格/降格を見てきたサポーターの思い入れは言うまでもありません。
もっと単純に、地元に住んでいることを知っているということもありますね。ある選手は休みの日にお嬢さんを連れて公園で遊んでいるとか、ある選手は気さくな人柄だ、という話なんかも、そこらにあるわけです。
もちろん、知っているから無条件に応援するというわけでもありません。どんなに応援するクラブの試合でも、気持ちが入っていないと感じられたらその試合の価値は下がります。そんな試合が続くようならそっぽを向く人も増えるでしょう。
選手も自分達の声援に応えてくれていると感じているから、思い入れて応援するわけです。

「Jリーグ? 欧州リーグ見たら、Jリーグなんてみれないよ」 自分でそう思うのは構いません。けれど、他の人もそうだと思う人は、このような思い入れることによる楽しみ方を知らないということでしょう。

そこで行われるプレーのレベルというのは、その試合の価値を決めるひとつの要素に過ぎないのです。見る側が、レベルが高いものを求めるならレベルが高いことが大事な価値となるし、思い入れて応援することの方に魅力を感じるならばレベルはたいした問題ではなくなります。