中山雅史の特別調整
2002/05/19
ワールドカップ日本代表が発表され、ご存知のように中山雅史が代表に選ばれました。
さて、半年ほど前に 「中山雅史の適正評価」 を書きました。個人的な考えとしては当時と変わっていなくて、中山は日本代表に選ばれても、外れてもおかしくない、と思っています。
とはいえ、今シーズンのこれまでのプレーぶりは、はっきり言って余り良くありません。もしかしたら、とうとう年齢の衰えがきてしまったのではないか、そういう不安もあります。
ただし、ふと気がついたことがあります。もしかしたら、中山は大舞台に強い?
いえ、リーグ戦の優勝を決めた試合とかで、中山がゴールを決めたという印象はありません。そいう試合ではなくて、ワールドカップの予選と本大会、そしてチャンピオンシップについて。つまり、あらかじめ決まったスケジュールでの大舞台に強いのでは?
ワールドカップ・アメリカ大会の予選の活躍はご存知の通り。途中出場のイラン戦、北朝鮮戦、そして最終戦のイラク戦で得点。
フランス大会予選は、(緊急に呼ばれた UAE 戦もですが) あのジョホールバルのアジア 3位決定戦での先制点。
ワールドカップ・フランス本大会では、日本チーム唯一の得点はご存知の通りなんですが、個人的に印象に残っているのは、現場で観る事が出来たクロアチア戦での素晴らしい (名波浩曰く 「5年に 1回出るかでないかという」 ) トラップとその後のシュート。あのシュート、本来の中山であったなら、シュートの当たり損ねがコロコロとキーパーの足元を転がって得点できたのではないかと思うのですか、あの時はなぜか世界標準レベルのシュート。GK のファインセーブに防がれてしまいました。
一方の、国内リーグのチャンピオンシップでの記録を調べてみると、過去 8試合で 7得点。うち PK 2点を除くとしても、異常に高い得点率です。
さらに付け加えると、ジュビロが 3回出場している集中開催方式のアジアクラブ選手権の決勝トーナメント (準決勝と決勝) の 6試合で 3得点。
ここで、僕が思い出したのは、「さかつく (J.LEAGUE プロサッカークラブをつくろう!)」 の “特別調整” でした。
最近よく CM をやっているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか? 「さかつく」 とは、Jリーグの経営や運営をシミュレートするゲーム。もちろん試合もあるわけですが、試合の采配以外にも、さまざまな練習のスケジュールを立てて選手の個人技を伸ばしたり、チームの戦術理解を高めたりしなければなりません。試合に勝って強くならないと、J1に昇格ができないですし、観客動員が増えませんから経営していけません。ですから試合に勝つために様々なことをするわけです。中には選手のモチベーションを上げる為に、その試合の勝利に対して報奨金を提示することもできます。
さて、それらのパラメータの中に “選手の調子” に関するパラメータがあります。このゲームでは、これが現実のサッカー同様にかなり影響するのです。調子が悪い選手が多い場合は格下チームにも苦戦したり負けてしまうことも多いですし、調子が良ければ格上チーム相手にも勝利する確率が高くなります。普段はその選手の調子はコントロールできないのですが、「さかつく」 には練習をするかわりに “特別調整“ というコマンドがあるのです。この “特別調整” を使うとある確率で調子が良くなるのです。もちろんいい話ばかりではなくて、この “特別調整” を使うと、選手の疲労が蓄積して練習ができなくなったり怪我をしやすくなったりというデメリットがあるのですが、ここ一番という試合で “特別調整” を使うのは、「さかつく」 の常套手段とも言える作戦です。
まあ、そのゲームと同じというわけもないのですが、つまりは言いたいのはこういうことです。
「中山は、目標となる大舞台に向けての調整 (これがその “特別調整”) が、抜群に上手いのではないか?」
おそらく、その目標となる試合に向け気持ちを高めることで、本来なら体調が悪くなるようなバイオリズムでも無理やり良くするとか、集中力が研ぎ澄まされていつもより良いプレーができるようになる、とか、そんなことが起きているのではないでしょうか。
思い返すと、ドーハの時に思いました。「これで代表の中山を見るのは最後だろう。」 なぜなら、フランス大会の頃には 「“上手な” 中山」 、すなわち、ハートを感じさせてくれるプレーを見せ、ピッチに立つだけでチーム全体を鼓舞するようなことができる、そんな選手がいるだろうから。ところが “上手な” 中山は現れませんでした。
フランス大会の時に思いました。「これで代表の中山を見るのは最後だろう。」 なぜなら、コリア・ジャパン大会の頃には 「“上手な” 中山」 がいるだろうから。ところが “上手な” 中山は現れませんでした。
う〜ん、もしかしたら中山雅史という選手、歴史的にもそうそう現れないような特別な選手なのかもしれません。