JFL 〜ピラミットの中の壁〜

2000/03/24

JFL をご存知でしょうか? (参考: JFL とは何ぞや?)

日本サッカーのピラミッド構造のトップはご存知
Jリーグです。その JリーグにはJ1とJ2があり、その Jリーグのすぐ下にあるのがJFLです。
今年の JFL に所属するチームは以下の通り。昨年の成績順に書くとこうなります。

本田技研 (企業)  
大塚FC (企業)  
ジャトコ・TT (企業)  
佐川急便東京 (企業)  
デンソー (企業)  
YKK (企業)  
横河FC (企業)  
アルエット熊本 (企業->クラブ?)  
静岡産業大学 (大学)  
国士舘大学 (大学)  
FC京都BAMB1993 (クラブ)  
愛媛FC (クラブ)  
栃木SC (クラブ)  
ソニー仙台 (企業)  
アローズ北陸 (企業)  
SC鳥取 (クラブ)  
佐川急便大阪 (企業) *今年から昇格
プロフェソール宮崎 (クラブ) *今年から昇格

ごらんの通り、JFL においてリーグ上位を占めるのは企業チームです。

Jリーグには、参加条件というものがあります。希望したらJリーグに入れるというわけではありません。まずはクラブとしての準備、ホームスタジアムを持つ事、独立した運営会社を持つ事などが条件。そして、クラブの実力として JFL で 2位以内に入らなければいけません。上記のように現在の JFL 上位チームは企業チームなわけですが、JFL の企業チームで Jリーグ入りを目標としているチームはありません。

ただし、企業チームといってもピンからキリまで。
本田技研などは、一時はJリーグ準加盟の申請をしたことがあるのですが、現在ではやめています。その後確か、Jリーグの理念とはまるっきり反する 「あくまでも社員の為の活動」 というような理念をわざわざ表明していたはず。今探しても見つからないのですが、あれはJに対する嫌味なんじゃないか、といういうな文章でした。そうなった経緯は知りません。社内で勢力争いで状況の変化でもあったのでしょうか?
大塚FC は地元の支援が得られなかった事でJリーグ入りを断念しました。 しかし、Jリーグの理念に共感しており、企業チームながらサッカースクールの活動を軸に地域密着に力を入れています。(つい最近、8年ぶりにJリーグ入りへの署名運動がはじまった模様。)

さて Jリーグ入りしたいクラブは、これら強豪企業チームを倒して JFL で 2位以内に入らなければ、Jリーグ入りする事はできません。どうも、現時点ではそれは悲観的なことなのです。
「実力どおりなんだからいいのでは?」
確かにその通り。ところが、こんな話があるのです。豊島吉博氏と二宮清純氏の対談の一節です。

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二宮 上位チームを見ると本田、大塚製薬、ジャトコ、佐川急便、デンソー…と、みな企業チームです。愛媛FCのようなクラブチームは上位に進出していませんね。
豊島 なぜかというとね、企業チームは昼間練習してるんですよ。ところがクラブチームは普段は個人練習をしていて、その上で週何日か集まって練習するしかない。だから厳しいんです。そう考えると本田や大塚製薬といった企業チームが上位に来るのは妥当な結果なんです。
(SPORTS COMMUNICATIONS 新春サッカー対談より)
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どうして企業スポーツでは駄目なのか」 でも触れた、企業アマの問題です。
確かに企業が、自分たちの企業チームを強くして会社の宣伝として利用することを考えるのは自由です。そして企業アマを入社させて、彼らには仕事上は優遇させてスポーツをやらせるのも。(個人的には反対ですが。)
一方で、選手がリスクを伴うクラブチームよりも、引退後も安定した職業を確保できる企業アマを選ぶのも仕方ないでしょう。

しかしながら、サッカー界全体を見ると、これではピラミッドの中の壁です。
強いチームが上に上がる、弱いチームが下に落ちる。強い弱いだけではありません。強ければより注目を浴びる舞台に立つ。それが経済的なスポンサーなどの獲得にも関わるはず。下に落ちたチームは経営規模を縮小する。これが健全な姿です。健全な姿こそが、日本のサッカーの、いえ、日本のスポーツ文化の健全な成長を促すのです。
実際、日本のサッカーにおいてそれは、(経済的にはまだ下の方は関係ないですが) JFL を除く全ての分野で成立しています。ところが、JFL と Jリーグの間だけ、もしかしたら上のリーグの下位チームより強いかもしれないのにそこに留まり、下からは追い越しがし難い壁があるのです。
企業チームの思惑には対しては申し訳ないですが、はっきり言って、この JFL の壁はなくさなければいけません。


ひとつの対策は JFL の分割化です。JFL を地域へ分割することで、JFL の壁を乗り越えやすくするのです。これはもうひとつ別の理由もあります。JFL のチームにとって全国への移動は大きな経済的な負担であることからも実施するべきだと思われます。欧州のリーグでも、3部リーグは分割されていることが多いそうです。日本などそれらの国より南北に長く、しかも数年後に沖縄のかりゆしFC が JFL 入りを予想されています。裕福な企業チームとは違い、クラブチームには大変な負担です。
ただ、これに関しては企業チームの反対が予想されるのです。「アマチュア日本一」 企業チームの中には、それを社内外への宣伝に使いたいというのが本音。果たして実現ができるかどうか……。


では、健全なピラミッドを作る方法は他にどんなことがあるでしょうか?
それは次回に述べてみたいと思います。

(「続・JFL 〜Jリーグが目指す社会〜」 に続きます。)


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