ネット上の“嘘”
2001/02/11
このページを見ている方で、ネット上の掲示板を見たことがないという人はいないですよね。
ネット上には、ありとあらゆるジャンルの掲示板があります。毎分書き込まれるような活発なものから、半年前に書き込まれたきりのもの。身内だけが書いている閉鎖的なもの、知らない人同士で議論やあるいは喧嘩をしているもの。ほんとに多種多様です。
さて、そんな掲示板で良く言われるのが 「いいかげんな事を書くな」。うん、それは正しい。確かに正しい。
しかし、もう一方の考え方も忘れてはいけません。それは 「むやみに信じるな」 。
最近、ある事柄について、いくつかの掲示板を定期的に覗く機会がありました。ひとつは、いわゆるオフィシャル掲示板。もうひとつは、マスコミでも取り上げられた悪名高い某巨大掲示板。ここは以前にも、ちょっとだけ覗いたことはありましたが、じっくり読んでみたのは今回が初めてでした。
公式掲示板は、いわゆる“荒し”が出現すると管理者によって発言が消されます。また、常連さん達によって、モラルに反する発言に対しては非難したり、たしなめたり、などの行為が自主的に行なわれています。よく見る光景ですよね。
一方の某巨大掲示板には“荒し”や下品な発言など、一見すると目を覆いたくなる内容で溢れています。それらを“便所の落書き” (「続・『買ってはいけない』」参照のこと) と言って否定する人がいるのもわかります。しかし、注意深く見てみると、そこにもある一定のモラルがあることに気がつきます。そして、(匿名掲示版なので) 具体的には見えないけれど、随分の数の良識ある人が参加しているであろうことが想像できます。
さて、その某巨大掲示板で何度か面白い事に遭遇しました。その掲示板に、巧妙に仕組まれた“嘘”が書かれることがあるのです。そして、それを“嘘”とわかっている他の人はそれを“嘘”だと指摘するなんて野暮なことはしません。むしろ、その“嘘”に信憑性を持たせるよう発言を重ねます。そして、それが“嘘”だったとは、いつまでも種明かしされないことが多いです。ずーっと後になって種明かしされるというケースはありました。
さて、この“嘘”を信じた人がいたとします。悪いのは“嘘”を書いた人?それとも信じた人?
オフィシャル掲示板だったらどうでしょう? 間違いなく“嘘”を書いた人が責められ、“嘘”を信じてしまった人は同情されるでしょう。しかし僕は、悪いのは“嘘”を信じた人だと思います。それがどんなに巧妙な“嘘”であろうとも。
インターネットという名を偽ることのできる世界。そこで目にした情報を無闇に信じるなんて愚かです。最低限、複数の情報ソースを調べ、正しいかあるいは“嘘”か、自分で考えてみるべきです。そして、考えた結果は全て自分が責任を負わなければいけません。
実はこれ、別にインターネットでなくても同じ事。道端で聞いた知らない人の発言を無闇に信じますか?もちろん、それはほんとで重要な情報であるかもしれません。しかし、信じる信じないによって起こる結果は、全て自分の責任です。
それはちょっと厳しすぎる? そうでしょうか。結局、これらの“嘘”を信じた人っていうのは、政治家の嘘に騙される人達であり、オイルショックのパニックを引き起こした人。単純な詐欺にひっかかり、詐欺師という商売を成立させている人。もっと極端なことを言うと、関東大震災の際に在日外国人を襲った人達です。
そう、そして、こういった“生きていく上での常識”、“正しいことと、嘘とを判断する力” を教えてくれるのはその悪名高い掲示板の方で、オフィシャル掲示板はむしろひ弱な人間を育てているだけに過ぎません。
Web が盛んになる前は、NetNews を読んでいました。そこはかなり厳しい世界で、読むだけでいろんな勉強になりました。単に知識だけではなく、物の考え方まで。例えばそこでは、単純な質問をすると必ず怒られました。「自分で調べろ」 と。
僕もそう思います。自分で何も調べずに、安易に人に聞いてしまうことは、単純な “嘘” にひっかかる第一歩といえるでしょう。
思えばその巨大掲示板、見た目は下品なんですけど、精神的にはあの NetNews に近いものなのかもしれません。(参考 「ネットニュースを活用しよう」)