「レス」 の話
2001/03/04
要らぬお節介とは思いつつ、書くことにしました。
この話をするとすぐに “語源論争” が始まってしまい、嫌がる人も多いのです。しかし、こうやってネットで発信をする者のはしくれとして、(もしそれが簡単にできるならば、) できるだけ正しい情報を発信するべきだと思ったからです。
これを読んでくれた人が、間違いを正してくれる、あるいは更に正しい情報を広めてくれるなら幸いです。
そしてその後、僕が考える “言葉についての意見” を書きたいと思います。
「レスってなんですか?」
時々、掲示板などで目にする質問です。しかし、その答えには大抵の場合は誤解が含まれます。以前はそれに誰かが間違いを指摘をしていたのですが、最近ではそれもなくなっているようです。
( これから書くことは、そういった今までに見た誰かの指摘そのままの受け売りなのですが……。)
「レスとはなんですか?」 の質問の答えとしては、「回答」 あるいは 「反応」 です。おそらく語源は 「レスポンス(responce)」 でしょう。しかし 「レスポンス(responce)」 を 「レス(res.)」 と省略する慣習は、英語圏にはないそうです。日本独自の、しかもネット上だけの慣習です。
ただ、この辺りで余計なことを言う人がでてきます。メールの表題にしばしばでてくる 「Re:」 が 「リプライ(reply)」 の略なのに 「レスポンス(responce)」 と勘違いして 「レス」 というようになった、と。
しかし、これは明らかに間違い。「re」 というのは 「〜に関して」 という独立した単語で replay の省略形ではありません。(辞書にも載っている単語です。)
さて、事実の追求はここまでです。
「レス」 の語源がなんであるかはどうでもいいのです。ただ 「re」 は別の言葉ということは間違いないので押さえておいて下さい。
そんなのどうでもいいじゃん、という考え方もありますが、わざわざ間違ったことを広める必要はない思うのです。
さて、ではここでこの 「レス」 という言葉について、考えてみたいと思います。
この「レス」という言葉は、一般的には知られている言葉ではありません。ネットでのメールなどのやり取りをしたことがない人には、まず通用しないと考えた方がいいでしょう。日本のネット上という一部の閉鎖空間においてのみ通用する省略語なのです。
ある一部の人にしか通用しない言葉。他にもそういう言葉がありますよね。例えば、コギャルの間で使われた「チョベリバ」。そうです、「レス」は、「チョベリバ」 と同じ種類の言葉なのです。
「レス」 という言葉をどういう風に使うべきでしょうか?
「チョベリバ」 と同じなのですから、あなたが 「チョベリバ」 をどういう使い方をするべきかと考えるように、「レス」 も使うことをお薦めします。そう、通じる仲間うちだけ使うのは全く問題ありません。しかし、それ以外で誇らしげに使うのはちょっと感心しません。少なくとも親切とはいえないのは明らかでしょう。
もちろん言葉は時と共に変わっていきます。将来的には 「レス」 が一般的な言葉になるかもしれません。すでに 「アポ」 が国語辞典に載っているように。しかし、少なくとも現段階で 「レス」 は一般的な言葉でないのは確かです。
そして、僕はこの 「レス」 はあまり良い言葉ではない、つまり一般的な言葉になるべきではないと考えています。なぜなら 「レス」 は、英語の省略と勘違いしていまいそうな怪しい言葉です。この国際化社会で、英語で通じるのではないかと誤解してしまうような省略語を、新たに作り出すのは良いことではないように思えます。コミュニケーション上で無用な誤解を生むようなことはしない方が望ましいと思うのです。