食堂のメニューと原発

2001/01/14

僕はほぼ毎日、会社の社員食堂で昼食を食べています。
その食堂では、特定の固定メニュー以外の 4品目程度の日替わりメニューが主力商品。それらは、毎日食堂の入り口に当日のメニューが貼り出され、多くの人は食堂に入る時にそれを見て、それぞれの場所に並ぶ、そういうシステムになっています。

今年に入って、そのメニュー表示のシステムが一新されました。以前は、このように 1日分のメニュー全てが、一枚の紙に印刷されていました。
「1月11日 天丼、ミートソーススパゲッティ、から揚げラーメン、きつねうどん」

ところが、新しい方式は、各メニュー別に品目が書かれた紙が貼り出されるようになったのです。
「1月11日」「天丼」「ミートソース」「から揚げラーメン」「きつねうどん」
といった具合。

この変更理由は、なんとなく想像つきます。毎日印刷するより、固定したメニュー名を書いた紙を用意し、それを張り替える方が、使いまわしができて経費削減になる、ということでしょう。
ふむふむ。その意図はよくわかります。しかし、僕は思うのです。「人間を信頼する方式を選択したな」 と。
つまり、こういうことです。

「印刷された一枚の紙を貼るというのは、間違った日のメニューを貼り出すというミスをする可能性がある。しかし、仮に 4枚のメニューを貼るということは、間違ったメニューを貼る可能性が、一枚の紙を貼るのに比べて 4倍である。」

くだらないことだ、とお思いでしょうか? でも、これが原子力発電所における、連絡通知だったらどうでしょうか?


いつだったか、スペースシャトル打ち上げ失敗した時、先端技術の失敗について書かれた本を読んだことがあります。確か結論はこんな感じだったかな。
「人間が関わる以上、これからも必ず人為的なミスによる事故が起きる。」
そう思います。基本的にコンピュータや機械は間違えません。間違えるのは人間なのです。


話は変わりますが、僕はどちらかというと、原子力発電には推進の考えをしていました。その理由は、ちょっと変わっているかもしれませんが、こんな感じです。

100年、200年後の人類を考えた時、どうなっていると思いますか?考えられるのは、
パターン1、今後も人口が増加し、地球外に移民をはじめる
パターン2、日本が小子化したように、世界的も小子化が広まり、人口が減りはじめる。
どっちがいいかはともかく、僕はパターン1ではないかと思うのです。
となると、人類が宇宙に出るのに、核融合の技術なしってことはないだろう、と。(近頃は
ソーラーセイルという太陽光で宇宙船を飛ばす方式が検討されているようですが。)
そして、そういった将来像から逆算して考えてみると、現在、原子力発電などを通じで、技術蓄積が行われるのは当然だろう、と。

しかし、近年の原子力発電の事故を見ると、どうもそう手放しで推進というわけにもいかなそうです。基本的には原子力などの技術者の技術やモラルなどについては信用していいと思っています。ですから、単純に不安を煽るような反対運動には荷担したくないと思うのです。
しかし、人間のミスというのはどう考えてもなくなるとは思えないです。原発は安全だ、とはちょっと言えない。


ただし、人間がミスをするということを、全ての人が十分に認識しているような世の中であれば、事故は減るのではないかなぁと漠然と考えています。もし仮に、街の食堂のメニューについて経費削減より人間がミスする率を減らす方法を選択する、みんながそういう風に発想する世の中であるならば、原発なんかの事故も減るのではないかなぁ。そんな風に思うのですが。