ファイナルファンタジーのポジション
2001/08/26
TVゲーム (ファミコンや、PS などの遊び。正式には VIDEO GAME。以下 “ゲーム” とします。) をやらない人にも、ファイナルファンタジーっていう名前くらいは知ってるでしょう。
最新作であるファイナルファンタジーX は初回出荷で200万本以上。正確な数字は知りませんが、300万本ペースの売上を誇ります。ゲームソフトの値段は、CD 値段に比べると約 2倍ですから、その売上の凄さがわかろうというもの。
さて、ここではファイナルファンタジーの細かい中身の論評をしようというものではありません。ファイナルファンタジーのようなゲームが、他のメディアとどういう関係にあるかを考察してみたいと思います。
その前に、単にゲームではなくて、何故ファイナルファンタジーなのかという話をしておかなければいけません。ゲームというものは、アクションゲーム、パズルゲーム、シミュレーションゲームなど様々な種類を含んでいます。その中で、このところゲームの主役となってきたのが、物語を中心とするロールプレイングゲーム (以下 RPG) 。
本来 RPG とは、ゲームの世界ではなく、テーブルトークという多人数による TV などを使わない机上のゲームでした。多人数で個人個人のいろいろな発想が絡んでくるので、画一化したストーリーとは全く異なるというのが売りといえる遊び。そういうオリジナルな物から比べると、ゲームにおける RPG というのは、ゲーム製作者側の意向に乗せられる部分が極めて大きい遊びです。
その中でも、特にファイナルファンタジーの最近の作品は、特に製作者側の提供する映像とストーリーを楽しむという要素が大きい物だと言えるでしょう。お金をかけた CG映像によるムービーによってストーリーをユーザーに伝えます。戦闘のバリエーションなどはユーザーの違いで差がでますが、ユーザーがストーリーの本筋を変えてしまうようなことはありません。
そいういう意味で「本当に RPG と言えるのか?」などの声があるのも事実です。しかし、そもそも RPG でなければいけないという理由は元々全く無くて、これらは、ゲームという新しいメディア媒体を使った 「物語を楽しむ物」と考えるべきです。
つまり、物語を楽しむという点で考えると、本(小説)、映画、TVドラマ、漫画、などと全く対等な物だと言えるものです。などと書いても、年配の方などは、ゲーム以前に 「漫画なんて!」 という人もいるかもしれません。しかし、若い人は漫画で楽しんだり感動したりという人も多いはず。ゲームは漫画以上に、一般の理解は少ないでしょうが、それらも同じであろうということも想像できるはず。
本(小説)、映画、TVドラマ、漫画、などと対等であるからこそ、それらとの特徴の違いというのを上手く利用することが大事です。それらの特徴をまとめてみるとこんなところでしょうか。
映像 インタラクティブ性 時間 予算(豪華な映像など) おまけ要素 本(小説) なし なし 無制限 なし なし 映画 あり なし 2時間前後 大 なし TVドラマ あり なし 数分〜数十時間 小 なし 漫画 あり なし 無制限 小 あり(コマ外の遊びetc.) ゲーム あり あり 数十時間以上 小〜大 あり(付属ミニゲームetc.)
特のこれらの中で重要なのは、映像の豪華さと、時間です。
ファイナルファンタジークラスになると、映画並の予算をかけて豪華な CG を使うことができます。そして、映画には 2時間程度の限界というものがありますが、ゲームは連続 TV ドラマ並の数十時間が当たり前。
というわけで、ファイナルファンタジーが売れるのも納得な話。なぜなら、映画のような予算を使った映像と、TVドラマのような長さ。もちろん、豪華だからいいとか、長ければいいというわけではありませんが、そういう表現を求めていた人にとっては、新しく出現した他にはない特徴を持つメディア。これからも物語の表現として、(RPG になるかどうかは別として) ゲームが利用される可能性は高いでしょう。
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