リサイクル
2000/12/04
前から少し気になっていたことがあります。それは電気自動車についてです。
ご存知の方も多いと思いますが、電気というものは利用が便利な反面、ロスが多いエネルギーです。電気自動車を走らせるには、電気を作らなければいけないわけで、それには火力なり原子力なりで電気を作る作業をしなければいけません。トータルのエネルギーを考えるとロスの多い電力は、無駄な資源を使っていることになります。それなのに電気自動車を持てはやすのはいかがなものか?と。
もちろん、電気自動車のメリットとは排ガスの出ないクリーンなところで、その目的に沿った使い方があるわけです。しかし、それにしてもその背景で何が行われているかを考える必要があると思うのです。ちゃんと考えれば電気自動車自体が「クリーン」であっても「クリーンなエネルギー」とは言えない筈。
(ただし、ハイブリットカーはここで言う電気自動車とは別だと思っています。)
さて 「環境保護運動はどこか間違っているか?」(槌田敦、宝島社)という本を読みました。なかなかインパクトの大きい話が書いてあります。見出しの一部を紹介しましょう。
「牛乳パックはゴミ焼却場で燃やそう!」
「リサイクルも環境を汚染する!」
「分別収集運動でゴミ捨て場が枯渇する!」
「自然食だけは偏食の害で体を壊す!」
面白いと思った具体例をいくつか挙げてみましょう。
「牛乳パックの回収はあまり良くない。リサイクルできるという言い訳の下で、“ビン”という 100%リサイクルであったシステムはほぼ崩壊してしまった。それから古紙の再生はパルプから紙を作るのに比べると、ダイオキシンの発生など、環境に与える悪影響が大きい。さらに、両面に貼られたポリエチレンをはがす必要があるので、牛乳パックのリサイクルにはお金がかかりすぎる。それで出来あがった再生紙は、コスト的に不利で売れずに余ってしまう。」
「太陽光発電は太陽光をエネルギーにするのだから、全くのクリーンなエネルギーのように思えるが違う。太陽電池は半導体のシリコンを使って作る。そのシリコンを作るためのエネルギー (これが石油による発電で作られる電力) を計算すると、どう考えても元が取れない。トータルのエネルギーを考えると、太陽光発電をするために、余分な石油を燃やしていることになる。
原子力発電も同様。 原子力で発電するところだけを見ると、二酸化炭素を出さないなどのメリットがあるが、ウラン鉱石を掘ってきて、運んで、加工して、発電所を造って、というのを計算すると、単純に石油を燃やすエネルギーより無駄が多い。
石炭による発電が廃れたのも同じ理由で石油より効率が悪いから。石油より効率が悪いものを使うというのは単に石油の無駄遣いでしかない。 しかし、太陽光発電、原子力発電、太陽熱や風力発電も同じで、代替エネルギーを研究している人たちは、研究費の予算を要求する為に、その効率の悪さを隠している。(ただし天然ガスは石油レベルの効率が期待できる。)」
こんな話がたくさん出てきます。
だから、例えばリサイクルについてなら「リサイクルを止めよう」という話ではありません。今のリサイクルなどの環境運動は間違っているという主張です。「リサイクルできるから」と大量消費を認めるのは本末転倒だ、そういう話です。
リサイクルはほんの少しの延命をしてるに過ぎません。(リサイクルの名目の下で大量消費が行われるならそれも怪しい。)
まあ一冊の本を読んだくらいで、その内容を鵜呑みにして主張をするのは危険でしょう。この本の一部にも、個人的には“?”と感じる部分もありますし。
しかし、僕が最初に書いた電気自動車の話と似ていて、実はリサイクルという名前に騙されて、本当は効率の悪いことをしているケースがありそうです。何が何でも 「リサイクルが良い」 というのは間違いで、本当にリサイクルするのが効率が良いのかを考えてみる必要があるでしょう。そして、やはり最終的には使う量を減らすことに立ち返らなければならない、という結論にたどり着くのではないでしょうか。
しかしまあ、コンピューターなんか触ってる時点で、見方によっては無駄なエネルギーを消費しまくってるわけで、環境問題に関してあんまりえらそうなことは言えないのかな、とは思いますが……。
ネット上を調べたら、結構紹介されてました。当然、疑問を投げかけているものもあります。
「環境保護運動はどこか間違っているか?」 の紹介1
「環境保護運動はどこか間違っているか?」 の紹介2
「環境保護運動はどこか間違っているか?」 の紹介3
太陽光発電は間違いであるという (上記作者である) 槌田敦氏の詳しい意見が書いてありました。
(追記 2000/12/06)
安直に電気自動車批判してしまいましたが、今時の電気自動車って燃料電池 (紹介1、紹介2)によるものですから、ちょっと話が違いますね。もちろん、それが間違いなく効率が良いものかどうか調べる必要がありますが。