オーバルコース・レース

2000/05/14

ツインリンク・モテギCART 第 5戦が開催されました。
最近日本テレビがプッシュしてるので、何らかの映像を見た人も多いのではないでしょうか?

CART っていうのは、アメリカを中心に開催されている自動車レースで、まあ 普通の人の認識としては「Formula 1 と似ている車なんだけど別の団体」で十分でしょう。(詳しく知りたい方はこちら )

Formula 1 と CART って似てる部分もあれば、似ていない部分もあります。どちらがいいかっていうのは見る人にもよって違うし、文化的な背景 (「アメリカのスポーツとヨーロッパのスポーツ」) が大きく影響しているので一概には言いきれません。結論を言ってしまうとそれぞれに楽しみましょうってことになります。

さて、その中の CART にあって Formula 1 にない物のひとつにオーバルコースがあります。オーバルとは「楕円」。そうです、楕円形のコースです。
日本に古くからある富士スピードウェイ鈴鹿サーキットは楕円形ではありません。ツインリンク・モテギ が通常のタイプのサーキットと共に、日本で最初のオーバルコースを持つサーキットです。

実は僕はこのオーバルコースというものが好きではありません。
もしレースが単調だ、とかいう理由だったら反論があるかもしれませんね。実際、単調でつまらないと思っていますけど、実は僕の知らない、オーバル独特のパッシングやライン取りなどの面白味というのがあるのでしょう。しかし、僕が気に入らないのはそういう部分ではありません。オーバルコースの安全性に起因する部分です。

オーバルコースは壁、コンクリートウォールに囲まれたコースです。アクシデントが発生すると車は 300km/h の高速のままで壁に激突します。昨年もオーバルコースでの死亡事故がありましたし、テスト中の事故の話も途絶えることがありません。
もちろん通常コースであろうと事故は発生しますし、死亡事故だってあります。しかし、一般のサーキットコースは、エスケープゾーンがあり、サンドトラップが待ち構え(砂の抵抗でスピードダウン)、コンクリートウォールの前には必ずタイヤバリヤが置かれます。市街地の道路を閉鎖して使う公道コースの場合は、確かに同じようにコンクリートウォールに囲まれていますが、その場合はコースの性格上、オーバルコースのように 300km/h を越える高速で走ってるわけではありませんから、大事故になる確率は低いです。

で、それらを踏まえた上で、実は本当に気に入らないことはこちら。
オーバルコースの場合、観客自体が、少なからず目の前で大クラッシュが起きることを期待しているのではないかという気がするのです。オーバルコースの場合、観客席はコースの周りから全体を見ることができるようになっています。客席から「コース上で起きるすべての出来事を見ることが出来ますよ」というのが売りになっていて、その中でパッシング同様に「アクシデントを見ることが出来る」のが売りの一部になっているのではないかと感じるのです。CART の紹介として、オーバルコースのクラッシュシーンの映像なんかを流すのを見る度にそう思います。
もちろん、モータースポーツの危険性を十分に認識している、純粋なモータースポーツファンはそんなこと思っていないと思いますが。

どんなスポーツだって、事故で怪我や、最悪の場合死亡事故が起きる可能性があります。しかし、誰もそれを期待してみているわけではありません。しかし、派手なクラッシュシーンがみんなの注目を集める様子を見る限り、モータースポーツに関しては、死亡事故までは期待していないにしても、派手なアクシデントが起きるのを期待しているのではないか、そう感じられてなりません。もしかしたら、そういうアクシデントもエンターテイメントの一部だとして認めなければいけないのかもしれません。もしそれを認めるとしても、いや、認めるとするならなおさら、オーバルコースのレースについては、その結果の危険が大きすぎると思います。
僕はオーバルコースのレースは一切止めて欲しいと思っています。