あるジャイアンツサイトの閉鎖

2000/11/12

つい最近、とあるジャイアンツ応援サイトが閉鎖しました。(正確には12球団の為のサイトへ生まれ変わる為の準備中。)
閉鎖の理由は 「巨人を応援する気がなくなった、冷めてしまった」 でした。その巨人を応援する気がなくなった理由は 「応援問題 (『
続・パクリについて』 参照のこと) や、その問題を真剣に考えてくれる巨人ファンが余りに少ない」、「掲示板などで巨人だけでなく他球団への配慮を要望しているのに、そうならない」 でした。
僕がこのサイトを知ったのは、その応援問題のことを調べている時でした。巨人ファンであるにも関らず、巨人が抱えている問題について問題提起を行っているという、ほんとうに野球を愛しているんだな、と感じられるサイトでした。
今回はこのサイトの閉鎖を通して感じたことを書きたいと思います。


今までもコラムの中で野球について何度か取り上げました。基本的には 「
野球の話」 で書いたように 『支持できない』 です。とはいえ、野球ファン、特に巨人ファンに対する直接的な批判は控えてきたつもりです。しかし、それについても正直に書くことにします。

これは、今まで一応遠慮して書かなかったことなのですが、今、なんのためらいもなく 「自分は巨人ファンである」 と明言できる人は、「何も知らない/考えていない」 か 「自分たちが良ければそれでよい」という考え方をしているかのいずれかだと思っています。まあ、多くの人は単に関心の度合いが低いだけでしょう。現在のプロ野球における不公平を知っているならば 「巨人ファンであることに」 後ろめたさを感じるのが正常な感覚だと思うのです。思わない人は 「不平を見て見ぬふりができる人」 ということですから。
しかし世の中の巨人ファンは、決してそういう人ばかりではないことをネット上で知りました。いろいろな野球関係のサイトを見ていると、巨人ファンでありながら問題を自覚している人がいて、それらの問題提起をしている人がいるのです。彼らは、巨人が大好きで、そして野球が大好きな人たちです。しかし、彼らがどんなにプロ野球の将来を心配して問題提起しても、真剣に考えてくれるのはほんの一握り。そして彼らはそれに失望して悲しい思いをしているのです。
それを見て 「おかしいことはおかしいと広く世の中に伝えるべき」 そう考え直しました。これから、主に何も考えていない巨人ファンに対して意見していきたい思います。「これをおかしいと思わないのか?」 と。

僕がおかしいと言っているのは、戦力の不均衡が生じてきたことです。このまま放っておくとプロ野球は面白くなくなるのではないか? 多くの野球ファンをそれに気が付いているはずです。これをおかしくないと思っているのは、巨人ファンで自己中心主義の人だけ。あるいは戦力均衡が崩れた理由を知らない無知な人。

突き詰めると、その根源と言える問題は、メディアがスポンサーであることによる贔屓。どうしても全国的に突出した人気が出るように情報操作されてしまいます。ほんとは巨人以外にも能力のある選手がいるのに、知名度、報酬などで、明らかに不利な立場に追いやられます。巨人にいることが野球の能力以外の大きな価値を持つのが現状なのです。特に引退した後の有利さは言うまでも無いでしょう。どうして巨人 OB ばかりが TV に出ているのか? 巨人がタレント候補を選んで入団させたから? そんなはずはありませんね。
これは選手にとっては死活問題。 (先日の元ヤクルトの高野選手の自殺などをみると、この傾向は今後も強くなるなでしょう。)

そして、
ドラフト制度の改変。現在の逆指名のシステムは、巨人などの資金力を持つチームの意向で導入が決まりました。それは、「反対するなら別リーグを作るぞ」 と脅しをかけながら。
それまでのドラフト制度はある程度機能しており、各チームのチーム力はある程度均衡していたと思います。巨人が江川入団時に多少ルール違反をしても、その為にはその年のドラフト会議の欠席、トレード要員としての小林の放出など、それなりの代償を払っています。しかし、今の逆指名制度では、毎年の目玉選手が必ず巨人入りするという状況です。
そして
FA 制度。これは正確には不平ではありません。しかし、これまでに述べた前提の上での FA 制度は、果たして公平なものと言えるでしょうか?

もちろんこれらは、全て程度問題の話です。多少チームによって人気が、あるいは報酬の格差があるのは当然です。しかし、その程度が限度を超えてしまい、全体のバランスを崩すような事態になると好ましくないのです。現在は全てが巨人有利なようなシステムが出来ています。そして、野球界全体を考えるならば、こういった不公平が生じないようにシステムを作るべきなのですが、巨人にそういう意思はありません。そして多くの巨人ファンにも……。


別の件について指摘してみましょう。これは決して不公平な話と言うわけではありません。でも巨人ファンに知って欲しい話です。
人気チームである巨人は、当然ながら十分な黒字経営が行われます。その黒字がどこにいくかご存知ですか? 収益は読売新聞社の収益です。読売新聞社の中部地区、九州地区の赤字の補填に使われている、という話を聞いたこともあります。現在そうなのかどうかはわかりませんが、過去にそういうことがあったというのは考えられますし、重要なのはそれが全く問題でないということです。

このようなことはJリーグではあり得ません。
Jリーグの収益は、必ず地域スポーツの為に還元されるはずです。確かに、一企業がせっかく上げた収益を (地域であろうと) 他者に還元する義務はありません。しかし、それがプロスポーツチームという、もはや公的な存在と言える組織のあり方でしょうか?
例えば
Jリーグの掲げる理念は、廃部になったバスケットボールの大和證券を新潟アルビレックスとして再生させるきっかけになりました。また、札幌のサポーターが廃部になる雪印アイスホッケー部を受け入れられないか議論したのを知っています。( これは現在札幌が莫大な赤字を抱えることから実現は難しいでしょうけど。)

さてそれで、多数の日本中の企業スポーツチームが廃部になった中、巨人をはじめとするプロ野球は一体何をしたでしょうか? (もちろんこれは、野球のプロアマ断絶問題が根底にあるのも確かですが。) 都市対抗野球などへの出場のために登録されている社会人野球チームはここ何年かで半減したそうです。自分達がよければあとはどうなってもいいのですか?

昔ならこんなことは問題にならなかったでしょう。僕も以前はこのようなことは何も考えていませんでした。しかし、
Jリーグ理念を打ち出している現在、今後もこのままでやっていくつもりですか?


玉木正之氏の SPORTS ぶっちゃけ TALK
あまりに率直な意見で、不愉快になる人もいるかもしれませんが……。

プロ野球界の「不正」は、何故追求されない?
プロ野球五輪選手出場問題の本質
プロ野球は現代日本社会の縮図

同じく玉木氏によるコラム集を見つけました。

BASEBALL Junky 玉木正之 ( -> Baseball Junky は終了したので Link 張り替え 02/04/07)

「大ウソ」をつくことが常識の日本野球は、永遠に世界に羽ばたけない?
悲しき巨人ファン
日本のプロ野球は、スポーツ組織ではない!

同じ場所に二宮清純氏のコラム集。

BASEBALL Junky 二宮清純 ( -> Baseball Junky は終了したので Link 張り替え 02/04/07)

球界の自浄能力のなさ浮き彫りに
来季こそインターリーグを実現しろ!

同じく、宇佐美徹也氏。

BASEBALL Junky 宇佐美徹也 ( -> Baseball Junky は終了したので Link 張り替え 02/04/07)

パ・リーグ存亡の危機

一度Jリーグ関連でも取り上げていますが、高野孟氏によるもの。

東京万華鏡

川淵ではなくナベツネの危機

「オリンピックは商業主義の権化。協力の必要なし」と発言したオーナーのいるチームが、なぜ始球式にメダリストを呼ぶのか?と言う批判は、天声人語はじめ、いろいろなところで指摘されました。ここでは「なぜ女子ソフトでないのか?」。

MASUJIMA STAJIAM

女子ソフトボールチーム シドニー五輪銀メダル祝賀会

サッカーファンには不評のアメリカ人、マーティ・キーナートですが。

MSN Japan

読売巨人が日本野球をダメにする

「もはや止められないパ・リーグの崩壊」というサブタイトルがついている文章。

Web 新潮 Foresight

プロ野球「一リーグ制」への足音

E-mail による一般の方の意見です。

Mainichi INTERACTIVE スポーツ版 E-mail デイベート

工藤、江藤の巨人移籍をどう思う

 

ドラフト制度に関する意見です。

スポーツタイムズ

ドラフト制度

プロ野球ドラフト逆指名制度撲滅委員会

 

最後に、プロ野球ファンの真剣な声です。

アンチ読売・ゴーマニズム宣言

Ballpark in Salvador

『日本プロ野球改革案』