続編 「続・ブーイング」 があります。


ブーイング

2000/01/17

サッカー世界クラブ選手権、レアル・マドリード(スペイン)対コリンチャンス(ブラジル)の試合で面白いシーンがありました。
強烈なフリーキックで有名なブラジル代表の世界的人気選手、レアル・マドリードのロベルト・カルロスがボールを持つ度に、スタジアムからは大ブーイングが起こりました。いくら贔屓チームの対戦相手だからといって、なぜ同じブラジル人の彼がブーイングを?

それは、彼の発言が原因でした。
もともと、ロベルト・カルロスは、コリンチャンスのライバルチームであるパルメイラスにいた選手。つい彼は調子に乗って「パルメイラスのサポーターは、レアル・マドリードを応援して欲しい」と言ってしまったのです。これがコリンチャンスのサポーターの反発を買いました。
まあ、元々ブラジルなどサッカー伝統国では、自国のライバルチームが活躍して大きなタイトルを獲るくらいなら、外国チームに獲られた方がまし、というくらいライバル心があるそうで、特に言うまでもなかったことかもしれないのですが、とにかく火に油を注いだというところでしょうか。

さて、ここではそういったブーイングの話について。

一部ではブーイング自体を、好ましくない、止めましょう、というような人もいるようですね。確かに意味不明に感じられるブーイングは、なんだろうと気が散ってしまいますし、自分の感覚に合わないケースではイライラする原因になるかもしれません。
しかし、ブーイングとは観客からのひとつの意思表示だと思うのです。それは、そのスタジアムに来ている観客だけに許された意思表示です。拍手や歓声が称賛を示す意思表示なら、ブーイングは非難や不満を示す意思表示です。その大切な意思表示の手法、ブーイングをもっと大切に使うべきではないでしょうか?

もちろん、応援のスタイルというものに、これといった正解はありません。実際、アメリカだったらブーイングは当たり前かと思われますが、例えば NBA のボストン・セルティックスのファンはほとんどブーイングをしないそうです。
応援スタイルとは、その地域のファンが作っていく物です。誰かがこうしたい、と思ってもそうなるわけではありません。しかし、あるファンが意見表明をしたり、行動をして自分の望む応援スタイルに誘導していくのは悪いことではありません。

ということで、ここで僕の考える応援スタイルの一部を表明したいと思います。
まず、上記のロベルト・カルロスのケースは絶対ブーイングすべきです。これ NBA なんかでは結構あります。インタビューなんかで、相手チームを弱い、というような発言をすると、当然次の試合ではボールを持つ度にブーイングです。これは絶対やりたいです。
それから、危険なファールをして我がチームの選手を怪我させた場合も選手紹介時にブーイングしたいですね。いつだったか、浦和レッズとの試合で、ジュビロのある選手が危険なファールを受け、それを見た藤田俊哉が激怒して相手選手に抗議し、逆にイエローカードをもらったことがありました。その次の磐田での浦和戦があったのですが、サポーターからその選手へのブーイングが出なかったのは残念でした。
次に、これも NBA では良くあるんですが、わがまま言ってチームを出た選手が対戦相手になった場合はブーイング、チーム事情でやむを得ずチームを出た選手が対戦相手になった場合は暖かい拍手、なんてのもいいのではないかと思います。

上記の例で共通しているのは、サポーターがチームの事情を知っていること、です。僕が今まで書いてきたこと(「サポーターのあるべき姿」「続・サポーターのあるべき姿」「アビスパ福岡の賭け」)で一貫していると思っているのですが、サポーターとは家族のようなものだと思うのです。チームがどういう辛い思いをしたか、どういう状況なのか、それをなるべく知るべきだと思うのです。家族の心配をするように。

たまたま試合を見に来たお客さんにはブーイングの意味が分からなかったりするかもしれません。しかし、やはり僕はファンより、サポーターの方が優先されるべきだと思います。
もちろんチームは、ファンをサポーターにするような努力をするべきですが。


ブーイングで思い出すのは、NBA マイケル・ジョーダンの復帰直後の試合です。その多くの試合ではマイケルの復帰に対して大歓迎の拍手でした。しかし、クリーブランド・キャバリアーズとの試合。この時ばかりはマイケルがボールを持つ度にブーイング。何故か? それは、過去何度もジョーダンの為にプレーオフ進出を阻まれたことから来るブーイングだったそうです。