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030113   量子力学における粒子と波(1)
 
 はじめに
 
よく、「電子は粒子性と波動性を併せ持っている。つまり粒子でもあり波動でもある。」とか、「光は波動性ばかりでなく粒子性も持っ ている。つまり波動でもなく粒子でもない。光は光であるという以外ない。」などという説明がなされます。
高校の教科書にも「電子ばかりではなくすべての粒子が波の性質を持ち…(中略)…この波を『物質波』という。」(実教出版『物理 U・新訂版』137ページ)などと書かれています。
粒子と波は全く別物です。「粒子でもあり波でもあるもの」など想像することができるでしょうか。それなのに「物質波」などといわれ ても困ります。
 
たとえば、海の波ならわかります。海水は水分子やイオンの粒の集まりです。1つ1つは粒ですが、その粒同士が相互に作用しあって、 全体として波の性質を示します。
 
電子の場合も同じでしょうか。
電子線(電子の流れ)を接近した2つのスリットに当てるとスクリーンに干渉縞が現れます。電子が波動性を持っている証拠です。なぜ 波動性が現れるのでしょう。電子同士の力の及ぼし合い(相互作用)の結果、波の性質が現れたのでしょうか。
 
そこで、電子を1個ずつぽつりぽつりと送ってみます。するとスクリーンにも1個ずつぽつりぽつりと電子が到達します。薄く広がった 干渉縞などは生じません。電子は明らかに粒子です。また、1個ずつ送った場合、電子同士の力の及ぼし合いなどありません。
この方法で干渉縞が現れなかったら何の問題もありません。電子は正真正銘粒子であって、波動ではありません。干渉縞は電子を一度に たくさん送ったときだけ電子の相互作用で干渉縞を作ることになります。海の波と同じで何の不思議もありません。
 
ところがぽつりぽつりと電子を送る続けると、やがて干渉縞が現れてきます。電子同士の力の及ぼし合いで波動性が現れるわけではない のです。
電子は確かに粒子ですが、たった1個でも波動性を示すといわなければなりません。
(下図参照:「インターネット・セミナーへのご招待」というホームページから引用しました。画像をクリックするとそのホームページ に飛びます。)
 
問題はそれだけではありません。そもそも干渉は波が2つのスリットを同時に通ったから起こる現象です。たった1個でも波動性を持っ ていて干渉するというのならどうやって2つのスリットを同時に通り抜けたのでしょう。二つに分裂して半分ずつ通ったのでしょうか。
いえ、それもあり得ません。電子は決まった質量と電荷を持った基本粒子です。その半分の電荷や質量を持った電子など存在しません。 物理学者は別な理由から半端な電荷を持った粒子を探し求めてていますが、決して見つからないのです。
 
「わけわかんない!」
そういう声が聞こえてきそうです。私も高校生の頃、こんな奇妙な振る舞いをする電子の姿を何とか頭に思い描こうとしたのですができ ませんでした。実は大学で量子力学を勉強していても、ずっと引っかかっていたのです。そこで、今物理を勉強している高校生が私のように悩まなくてすむよう にと思ってこの文章を書き始めました。
では、さっそく物理学者がどうやって電子の振る舞いを理解しているのか見ていきましょう。

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