前のページ 目次 次のページ


030209   未来のエネルギー(7)「地球温暖化を防ぐには」
 
 「地球温暖化」を防ぐには火力、原子力、どちらが有効か
 
現在の私たちは、エネルギー源としては電気さえあれば何とか生活できる環境にあります。調理を含めてガスを全く使わないマンション などもあります。都会なら電車さえあれば移動にも困りません。
そこで発電について考えてみます。
 
火力発電は熱収支の面から考えると問題があります。化石燃料を燃やすと燃やした分の熱が大気を暖めます。さらに排出する二酸化炭素 の温室効果によって、さらに気温が上がります。
 
原子力発電はどうでしょう。やはり核分裂の莫大な熱が大気を暖めます。二酸化炭素は出さないわけですが、かわりにもっとやっかいな 放射性廃物を生み出します。これも熱を発生するので電気を使って冷やしながら保管しなければなりません。しかも、原子力発電といっても発電の原理は火力発 電と同じで、いわば蒸気機関です。取り出したエネルギーは30数%しか電気に変えられません。最新鋭の火力発電所は40%を超える熱効率を達成していま す。
 
熱力学の第2法則から、熱効率はe=(T1−T2)/T1と表され、高温を達成できるほど効率はよくなります。しかし安全面から火 力発電ほどの高温にはできないので、原子力発電の熱効率は上げられないのです。科学の最先端を言っていると思われている原子力発電が、旧来の火力発電所よ り熱効率が悪いというのは何とも皮肉です。
 
こうして考えてみると、地球温暖化を防ぐには火力発電と原子力発電のどちらが有効かと言われても、何とも言えないのではないでしょ うか。火力発電では取り出したエネルギーのうち6割、原子力発電では7割が廃熱として環境に捨てられます。火力を原子力に置き換えると廃熱が増えることに なります。一方火力発電では、温室効果ガスである二酸化炭素を排出します。どっちもどっちということになってしまいます。
 
 莫大なエネルギーを生むことは、今やデメリット
 
ここでもう一度「エネルギー保存の法則」を思い出してください。火力発電で40%、原子力発電で30%電気にかわると言っても、そ の分発熱量が減るわけではありません。発電された電気の多くは都会に運ばれ、そこで明かりをともしたり電気製品で使われたり、電車を走らせたりした後すべ て熱にかわって大気に捨てられます。「エネルギー保存の法則」により、取り出したエネルギーはすべて最終的には熱にかわって大気を暖めるのです。
 
莫大なエネルギーを生むことがかつては原発のメリットととらえられていました。しかし現在では逆にデメリットとなってしまいまし た。
 
先日見学した核融合炉による発電も全く同じです。発電方法は火力・原子力と同じく水蒸気を使うということなので、原子力発電の10 倍のエネルギーを生み出すなどといっても、今やそれはメリットとは言えません。地球環境を考えればデメリットです。前に「現在の大都会にはいわば小さな太 陽が出現しているようなものだ」という意味のことを言いましたが、核融合は文字通り「地上に太陽を作り出す技術」です。
 
 量から質へ
 
「地球温暖化」を防ぐためには、取り出すエネルギーを少なくし、電気への変換効率高める発電方法が求められます。そして二酸化炭素 や核廃物を極力少なくしなければないません。量から効率へ、量から質への転換を図らなければならないと思います。
 
一方、電気を消費する側でもいっそうの省エネ化、効率化が求められます。
科学技術の進歩により、いっそうの省エネ化が進んでいます。
自動車も出力を損なわず燃費を抑える技術、つまり効率を上げる技術が格段に進みました。電化製品も少ない電力で効率よく動くように なっています。パソコンも高速でしかも発熱量の小さいMPUが開発されたり、液晶ディスプレイが普及したりして効率化が進んでいます。

ホーム What's New 自己紹介 コラム ノー トブック エッセイ集 リンク集


takemoto@js6.so-net.ne.jpメールはこちらまで。