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須賀神社の湯花神事
まるで遠い地方の村祭を思わせる。これが東京の世田谷なのだろうか・・・。全てが素朴で、本当に心が和んでくる。こういう日本の伝統文化は長く保ちたいものだ。喜多見に住み続けて、本当に幸せだと思う。 3年前の「須賀神社」紹介記事にも書いたが、私は当地に生まれ育って60有余年も過ごしながら、伝統的な年中行事である「湯花神事」を訪ねたことがなく、この度、やっと拝見することが出来たので、延べ参加者300人程度と思われる小さな祭礼の様子を紹介しよう。 鳥居脇に新しく立てられた掲示板には、次のように書かれていた。 世田谷区指定無形民俗文化財「須賀神社の湯花神事」:須賀神社は、承応年間(1652〜1654)に喜多見久太夫重勝が喜多見館内の庭園に勧請したのが始まりといわれ、近郊では「天王様」とよばれ親しまれている。 湯花神事(湯立)は、例大祭の8月2日に執り行われる。社殿前に大釜を据えて湯を沸かし、笹の葉で湯を周りに振りかける行事である。この湯がかかると一年間病気をしないといわれ、今日も広く信仰を集めている。 湯花神事は浄め祓いの行事になっているが、湯立によって占いや託宣を行うのが本来の形であり、神意を問うことであった。 素朴で普遍的な神事であったが、世田谷区では唯一となり、都内でも数少ない行事となった。[平成13年7月:世田谷区教育委員会] 須賀神社は喜多見・氷川神社の兼務社で、「湯花神事」も氷川神社の野沢宮司さんが祭司をつとめておられたが、手の空かれた時に、少しだけ立ち話をする機会を得た。野沢宮司さんは「喜多見・氷川神社」という素晴らしいウェブサイトを作っておられ、これまではネットだけのお付き合いだけだったので、今日お会いしたのが初めてのこと。 「湯花神事」は、境内で繰り広げられている獅子舞やカラオケなどの演芸大会を中断して、午後8時から社殿前のムクノキ脇で始まった。湯を沸かすのに枯れた麦藁を燃やしていたが、最近の農家では麦は作っていないので、この神事だけのために、特別な麦畑があるらしい。私の頭にもお湯の滴が飛んできた。無病息災、無病息災。 なお、「湯花神事」でネット検索をすると、次のような神社に同じような祭事があるが、全て関東地方だけだった。特に横浜市内に多く残っていることに気づく。その横浜市の鶴見区には鶴見八幡神社、上の宮八幡神社、愛宕神社に湯花神事があり、戸塚区では舞岡八幡宮(4月15日)、同金沢区に瀬戸神社、相模原市には御獄神社(9月第一土曜日)がある。埼玉県では本庄市の普寛霊場(4月10日と10月10日)、茨城県では下館市の雷神社(4月5日)、江戸崎の愛宕神社(1月24日)があり、東京で見出せたのは、ここ須賀神社の他は新宿の花園神社(1月8日)だけであった。
須賀神社全体を覆うような神木ムクノキ(世田谷区有数の名木)には、毎年、渡り鳥のコノハズクがやって来ると聞いていたが、どうも今年は来なかったようだ。保存樹としてムクノキの大木だけは残っていても、周辺の緑がどんどん宅地化されてきているので,喜多見もコノハズクが宿る環境ではなくなったのかもしれない、とは野沢宮司さんの話。残念なことだ。 20010802掲載 |
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