なぜにマニックスは日本で盛り上がらないのか
現在イギリスの音楽シーンの第一線で活躍しているバンドの中で、マニックスほど日本で盛り上がっていないバンドはないだろう。ここ最近になってウェールズ出身の大型新人が続々と登場しては話題になっているが、彼らの先輩に当たるバンドが
なぜにもっと熱心に取りあげられないのか?およそマニックスほど日本の洋楽ファンを魅了する要素にあふれたバンドもないのではないかと思うのだが・・・
1.マニックスと日本の洋楽誌の不幸な関係は「解散宣言」から始まった
そもそもマニックスの不幸はいわゆる「解散宣言」、すなわち「30曲入りの2枚組アルバムを全世界でナンバーワンにして解散する」という発言に端を発しているといって過言ではない。この手の発言はロック・ミュージシャンにはよくあることだし、メディア側もこの手の発言はもはや「お約束」として軽く受け流すのが通例なのだが、マニックスの場合その後間もなく別のインタビューでリッチーがバンドに懐疑的なインタビュアーの目前で自分の腕にナイフで「4REAL」と切りつけたため(これがいわゆる「4REAL」事件)、彼らの言動を冗談で受け流せない雰囲気がメディアの間でできあがってしまい、結果として「解散宣言」もバンドの本当の意志としてとらえられてしまったと思われる。
このような雰囲気の中で、当時日本のある有名洋楽雑誌のライターとして活躍して
いた某という男がこの「解散宣言」を根拠にマニックスの解散をあおり立てる。彼
はこのように言い切っている「万が一マニックスが解散しなかった場合は、それは
マニックスがクズになるということなのだ」と。今から思うとずいぶん乱暴
かつ勝手な意見だが、当時はこの某氏に賛同するものが相当いたとみえて、なんと
「マニックスを解散させる会」を発足させる者もいたという話もある(実
際メンバーが集まったかどうかは不明)。92年春の初来日の雑誌インタビューで
もマニックスの解散を前提とする質問が相次ぎバンドもさぞかしうんざりしたので
はないだろうか。現在でも彼らは「日本のファンはオレ達があの時解散しなかったんでいまだにオレ達のことを許してないだろうなあ」と弱気であることからもダメージは相当大きかったのだろう。
この人がリッチーさん。関係ないですが彼はせるっち(ワタシの妹)に似ています(顔が) |
3.リッチーの失踪による影響
日本のマニックスファンの多くはリッチーのファンであったと思うが、この傾向は
おそらく本国でも同じだろう。マニックスのイメージメーカーであり、ある種バン
ドのアイデンティティーそのものとさえなっていたリッチーの不在によって、現在
の3人組マニックスをつまらないバンドと思っている人もいることだろう。特にグラマラスなメイクをしていた頃のリッチーに飛びついた人は現在のマニックスなど「もっさりしたおっさんが3人いるだけじゃん」と思っているに違いない・・・。
4.先入観抜きで聴いてほしい
過去の数々の言動によってすっかり小難しいイメージがつけられてしまっているマ
ニックスだが、彼らの音楽は実に明快である。昔のイメージのためにせっかくの音楽が聴かれないのではあまりにももったいない話ではないか。まずは今月出たばかりの
新作「THIS IS MY TRUTH TELL ME YOURS」を先入観抜きに聴いてほしい。この新作と前作「EVERYTHING MUST GO」は必聴です。なんかリッチー抜きのアルバムばっかりだな。あの、決してリッチーが悪いわけではないのでファンの人は怒らないで下さい。
(1998年9月)
<追記>本稿は1998年に書かれたもので、2001年のリリース「KNOW YOUR ENEMY」については当然ながら触れられていない。現在なら初めて聞くマニックスのアルバムとしては自信を持って「KNOW YOUR ENEMY」のほうを勧める。初期のパンキッシュでハードな側面と前2作のメロウな側面がバランスよく並べられているからである(2001年3月)。
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