私の合格体験記
           〜あきさん(本名 秋草 憲之) 昭和28年生  栃木県在住〜
             “H12年合格者”



1.受験動機
  昔から法律関係が好きだったので「町の法律屋さん」と言われている「行政書士」の資格を
  昭和63年に取得しました。その行政書士の資格を生かして、更にステップアップできるもの
  として「社会保険労務士」に挑戦しようと考え、直後に一度勉強を始めようとしましたが、
  会社の仕事がどうしようもなく忙しくなり、ほとんど勉強はできず、一度も受験できる状態に
  ならないまま10年以上経過した4年前に、やはりこれから「社会保険労務士の資格は絶対
  に必要だ」と痛感し、あらためて、再度挑戦することにしました。


2.受験回数(今回で)
  4回
    

 ■ 1年目(平成9年)
   ・ 会社の施策として「消費生活アドバイザー」の資格取得奨励の方針があり、
     かけもち受験であったため、社労士の勉強はあまりできず、当然ながら不合格。
     マンパワーの通信で勉強しましたが、全く合格点に達しない状況でした。

   ・ 本試験の結果は、記述が平均2点、択一は25点前後だったと記憶しています。

 ■ 2年目(平成10年)
   ・ 社労士の勉強に専念できるようになり、時間は有る程度確保できる事となりましたが、
    自分の勉強法が確立できず、1年目に使ったマンパワーの通信教材をもう一度復習
    する独学の形でスタート、
    当然種々の法改正にもついてゆけず、情報不足と消化不良のまま受験。

   ・ 本試験では記述3点もあったけれど、2点以下のほうが多かった。択一は合計で
    35点でした。

 ■ 3年目(平成11年)
   ・ 三度目の正直と言う気持ちもあり、かなり焦りが出ていました。市販の関連図書を
    結構買いこみ、「通達が重要だ!」と聴けば、その関連の本を買い、「一般常識は
    これがポイントだ!」と言われれば必ず購入すると言った具合で、お金がかかった
    わりには効果は表れず。
    基本をおろそかにしたつけが、本試験択一の厚生年金全滅(0点)と言う
    散々な成績で終り、大ショックでした。

 ■ 4年目(平成12年)
   ・なんとか合格、20世紀最期の年に10年来の夢を叶えることができました。

3.合格年の学習方法
   ・ 前年までの失敗を繰り返さないためにも、確実な方法として「通学」を真剣に
    考えましたが、自分の勉強スタイルを確立する意味でも、また自分自信の極限の
    実力を試してみたいと考え、結局基本を「独学」で行く事としました。
    そして、過去3年間の反省から、記述対策を中心にやっていこうと決めました。
    また、基本書は通勤の電車の中の往復約90分で最低5回程度まわす事を目標と
    しました。
    さらに、徒歩や乗り換え等の本が広げられない時間の合計90分を、カセット講座を
    聴く事に当てました。また、昼休み、会議等の待ち時間を利用して少しでも勉強が
    できるように、過去問題集を縮小コピーし、ポケットに入る程度の大きさに製本し
    持ち歩き、許される限り見るようにしました。
    また、ハガキ用のクリアファイルに記述対策用の問題集を縮小コピーして入れて、
    風呂の中でも演習しました。そして、家に居る時のちょっとした空き時間で、
    単語カード化したものを見る癖をつけました。この方法は、一般常識対策に非常に
    有効だったと思っています。
    細切れの時間でも、寄せ集めれば、相当の知識が吸収できるのでは
    ないでしょうか。


4.学習時間
   ・通勤往復(基本書)    90分×20日×10ヵ月=300時間
   ・  〃  (カセット)   90分×20日×10ヵ月=300時間 
   ・入浴時 (記述問題)   10分×30日×10ヵ月= 50時間
   ・細切れ空き時間(過去問) 60分×30日×10ヵ月=300時間
   ・土、日、休日(その他)  90分× 8日×10ヵ月=120時間
                           
                                       合計   1070時間

   ・ こうやって、ふりかえってみると、「細切れの時間」だけでもけっこうな比重を
    占めています。
    しかし、重要な事は「何時間勉強したか」ではなく、「どれくらい理解できたか」
    「いくつ覚えられたか」だと思います。


5.使用教材
  ■基本書
   「真島のわかる社労士」(住宅新報社)
   ・とてもわかりやすく、覚えやすい本でした。5回転ほどして、ほぼマスター
    できました。
    この本があったからこそ合格できたんだと思っています。

  ■カセット
    「I.D.E カセット講座」
   ・ 井出先生のカセット講座のカセットテープのみ購入し、繰り返し聴きました。
    32巻(1巻90分)を6回転しました。他のカセットと比較すると、数段わかりやすく、
    ポイントを突いていて、とても良かったです。理解が深められたのも、このカセットの
    おかげだと思っています。

  ■過去問題集(択一系)
    「ピーファクトリー 一問一答過去問題集」
   ・ 社労士 成澤先生の一問一答形式の問題集です。ちょっとマイナーですが、
     それなりに良かったです。
     5肢選択形式か一問一答形式か、意見が分かれるところですが、
     私は一問一答形式を選びました。

  ■記述(選択)系問題集
    「記述マスターファイル」(大原)
   ・ 勉強を始めた時点では、選択形式になるとは夢にも思わなかったので、
    言葉が覚えやすく内容が豊富なこの記述マスターファイルにしました。
    出題形式は変わりましたが、この手の出題は条文及び言葉を確実に覚えなければ、
    合格は望めないと思います。
    4回転ほどやりました。

  ■暗記系
    「暗記カード」(TAC)
   ・ コンパクトに纏まっていて、結構使いやすかった。市販はされていなくて、TACに直接
    申し込みました。

  ■労務管理・その他一般常識対策
    「人事・労務用語辞典」(日経連出版部)
   ・ 買うには買いましたが、あまり見ませんでした。後で読み返してみたら、本試験で
    苦労して正解できなかった「ドラッガー」もちゃんと載っていました。やはり購入して、
    一度は全部に目を通しておくべきだと思います。

  ■白書対策
    「白書対策講座」(日本法令)
   ・ 労働、厚生の両白書については、自分で白書を手に入れて読んだとしてもポイントが
    良く掴めず、非効率です。どこかの白書講座を受講し、ポイントのみ押さえる事が
    必要です。
    日本法令の白書講座を毎年受講しておりましたが、要領よく重要ポイントが
    纏められていて、内容、費用の兼ね合いからいっても、これはお薦めです。

  ■直前対策
    「ファイナルチェックゼミ」(TAC 全4回)
   ・ 直前期の知識の整理として、お薦めです。わかりやすくてよかったな。

  ■模擬試験
   ・ TAC、LEC、IDE、日本法令など、中間と最終を合わせて6回ほど受けました。
    1つの受験で1点アップするといわれていますが、やはり効果はそれなりにあったと
    思います。
    受験した模擬テストを平均して、38点以上を確保できれば、本試験で充分通用
    するのではないかと、4年間の経験から、私は思います。

  ■メール配信系
    「とれとれE★社労士」
   ・ keikei先生のメール配信の社労士講座です。過去問解説中心で、とても
    わかりやすく、ずいぶん助けていただきました。質問にも気安くお答え頂けるので、
    独学中心の方には特にお薦めです。
    私は、無料講座と有料講座の両方を、時々会社で内緒でこっそり見ていました。
    そしてある程度溜まったら印刷し、製本して持ち歩き、何回も読み直す事を
    心がけました。

   ■月刊誌
    「社労士V」(日本法令)
   ・ 月刊誌なので、法改正がタイムリーに反映されてとても良いです。これを毎月しっかり
    チェックしておけば、「法改正講座」は特に受講しなくとも充分だと思います。
    基礎、選択,択一、ワンポイントと、科目ごとに毎月解説されます。レベル的には
    中級者以上向きだと感じます。

    ■隔月誌
      「無敵の社労士」(大栄)
     ・ 内容的には、読みやすく、初心者にも向いていると思いますが、隔月発行なので、
      若干情報が遅れます。私は単語カードサイズの付録の「暗記カード」を目当てに
      購入し、利用させてもらいました。

    ■HP系
       「IDE塾 1日1問」
     ・ 本試験前三ヶ月ぐらいから、毎日利用させて頂きました。今では、「kentei.com」等
      いくつかありますが、井出先生のが一番良いように思います。


6.本試験での得点
     ・ 選択
      労基、安衛・ 労災・ 雇用・ 労一 ・社一・ 健保 ・厚年 ・国年・ 合計
       5        5    5   4    3    3   3    4    34


      ・ 択一
       労基、安衛・ 労災・ 雇用・ 労一、社一 ・健保・ 厚年 ・国年 ・合計
         10      9    6     6      4    7   10   52


7.本試験をふりかえって
 ・社労士の試験は、独学はかなり不利だと言われていますが、独学に近い環境でも
  決して合格できない試験ではないと思います。現に私は「独学組」でなんとか
  滑り込むことができました。

  通学できればそれがベストですが、金銭面や地域の関係で独学に近い環境しか
  確保できない場合、大切な事は、いかに、理解すべきポイント、覚えなくてはならない
  最低限の部分を早く見つけられるかです。私が辿ってきたように、独学ですと、なかなか
  要領よくポイントを見つける事ができません。通学であれば、講師に聞く事も比較的容易
  ですから、問題解決もすぐできますが、独学の場合わからなくなってくると、
  質問する方法がないため、ループ状態になってしまいそこからなかなか抜け出すことが
  できなくなってしまい、あまり重要でない、細かいところだけが気になり自滅してしまう
  ということになります。

  そんな状態になったとき、情報交換ができるなんらかのコミュニケーションの手段を、
  予め確保しておく事も一つの方法です。そして、なんといっても重要なことは、
  「理解するための繰り返しの学習を怠らないこと」ではないでしょうか。
  それらを行なう上で「基本書との相性」は特に大切です。
  「よくわからない」「自分とはどうも合わない気がする」と感じていたら、早い時期に
  思い切って代えて見ることも必要ですし、大胆な発想の転換も必要です。

  そして、なんといっても「細切れ時間の活用」があと1点を引き寄せます。
  私が紙一重の差で今回合格できたのも、この細切れ時間が活かせたからだ
  と思っています。
  4回目の今回、過去3回の教訓から、普通にやっていたのでは駄目だと感じて
  いました。一生懸命やっているのは、皆さん同じです。
  なにか一つでも、僅かな差で抜け出られるような工夫が必要だというのは
  おぼろげながら判っていましたが、具体的にどうすれば良いのか、すぐには
  思いつきませんでした。通学せず、覚えてもすぐ忘れる、こんな非効率的な状況の中
  での私が唯一できる事、それは「限られた期間の中で、時間をより多く確保して、
  ひとつでも多く覚えることしか無い」という結論に達しました。
  だから、常に「社労士試験」を意識してたとえ5分でも時間が空けば、暗記カードを見て、
  一語でも多く覚えるように努めました。

 ・ 私の今回の「健保択一4点」はまさに紙一重でした。
  1点の重み、そして貪欲に1点をもぎ取る大切さを痛感しました。
  社労士試験は、まさに、その1点が合否の分かれ目になります。
  「最後まで決してあきらめない」「粘って粘って粘り抜く」ことが、
  本当に必要なのだと痛切に思います。

 ・ 3回目を失敗した時、もうやめようと考えた時期があります。
  でも、なんとか自分自身を叱咤し、ぎりぎりで踏みとどまって、今回、官報に載る事が
  できました。
  今、思い起こしてみれば運良く前回で合格したとしても、本当の意味での理解は
  できていなかったんじゃないかと反省しています。これから社労士をやっていく上で、
  今日までの時間は決して無駄にはなっていないんだと思います。

 ・ 社労士試験は、自分がかけた努力の数と、かかわってくださった皆様の数に比例して、
  必ずいつか報われる試験なんだと痛感しました。ありがとうございました。