私の合格体験記
        〜 デミアンさん 〜

           “H20年度合格者


私は一応合格したとはいえ、選択30点(厚生年金2点)、択一48点と基準ぎりぎりで、
まさに薄氷を踏むような内容でした。とても体験談など語れる資格はないのです。それ
でも、ストレート合格へのこだわりがみなさんの参考になることもあるかもしれないと
思い、体験記を書かせていただきました。


1.「取るなら一発合格しかない!」
皆さんよくご存じのように、社労士試験で問うのは、財務分析や経営戦略の立案方法な
どのスキルではなく、あくまで知識のみ。出題範囲の広さの割に問題数はとても少なく
、しかも、足切り基準が細かく定められています。一般的に、テストには評価システム
としての信頼性や妥当性が求められますが、現在の社労士試験の出題形式は、知識保有
能力の評価システムであることを目的としていないようです。実際、まじめに勉強して
膨大な知識を獲得している人であっても、選択式の1科目がたまたま基準点に達しない
というだけで、容赦なく落とされますよね。つまり、社労士試験は、能力評価ではなく
、落とすことに重きを置いている試験なのだと思います。であるなら、勉強量を増やす
ことは合格への必要条件であるかもしれない(勉強しなければ合格しない)けれど、十
分条件にはなりえないということになります。

そのように、頑張っても報われる確率が低い残酷な試験やなあ、というのが、受験勉強
を始めるにあたり、試験に対して持った認識でした。なので、受験勉強は1年限りと決
めました。私は集中力がないので、受験勉強が2年、3年と長引けば、生産性が落ちる
のは目に見えています。1年本気で頑張って、それでもあかんかったら縁のない資格だ
ったのだと思ってあきらめようと思うことにしました(そう考えられるのが、自分の本
業と無関係の資格取得をめざすメリットでもあり、デメリットでもあります)。

この時、「やり方さえ間違わなければ何とか1年でもいけるのと違うかな」と思ったの
には理由があります。実は10年ほど前に中小企業診断士の資格を取得したのですが、二
次試験合格までに3年もかかりました。おそらく、合格するのがそれなりに難しい資格
だから数年かかるのはやむを得ない、と当時は頭のどこかで思っていたのだと思います
。ところが、受かってわかったのですが、ストレート合格をしている人が少なくないの
です。それも仕事を辞めて受験勉強に専念したという人ばかりではなく、帰宅は毎晩10
時過ぎというような忙しいビジネスマンの方々が、です。それを知った時は、最初から
本腰を入れていれば3年もかからなかったのではないか、取り組み姿勢が甘かったので
はないかと反省しました。そんな経験から、今回は一発合格を現実のものと考えよう
、と思ったわけです。


2.自己分析と当初の目論見
似たような境遇の方は多いと思いますが、私の職業生活は社労士受験向きではありませ
ん。本業は受験科目とほとんど関係がなく、平日は残業が多くて勉強時間を確保できて
も1時間です(若くはないし長丁場なので、睡眠時間を削ってまで勉強しようという気
にはなりませんでした)。
ただ、自分の可処分時間を長いスパンで考えてみると、年末年始、GW、夏休みにそれ
ぞれ10日くらい連続した休みが取れます。この間1日10時間机に向かうとすると、合計
で100時間。普通の月の1ヵ月分くらいの勉強時間が確保できます。特に、記憶力勝負
の試験で直前にまとまった休みが取れるのはラッキーと思いました。その幸運をフルに
活用するために、GWまでに基礎力をしっかりつけ、GWから7月末にかけて問題集を
繰り返し、苦手な所を中心に夏休みに総仕上げをする。...当初はそう目論んでいまし
た。画餅に過ぎませんでしたが。


3.9月末〜1月末
受験科目については全くの門外漢だったので、通学することにして、日本ライセンスセ
ンターの「総合コース(日曜コース+答練+最終模試)」を受講しました。ライセンス
センターは、受講生ウケを狙わない地味な学校で、老舗ながらあまり人気はないようで
すが、講義も教材もごくごくオーソドックスなもので悪くはないと思います。受講料も
比較的安いですし。

日曜コースには、9月末から1月末にかけて通いました。1科目を大体2回の講義で説
明するというもので、欠かさず出席はしていました。平日は勉強時間がほとんど取れな
いので、土曜日に前週の復習を何とか済ませ、日曜日に講義を受けるということを繰り
返しました。授業では、わからなくてもとにかく講義内容をすべてテキストの余白にメ
モしました。
それでも、学習態度が不真面目という自覚はありませんでしたが、最初から落ちこぼれ
ていました。テキストの内容がまったくわからないのはいたしかたないにせよ、復習を
するにも、1科目200ページあるテキストなのに1時間かかって読み進むのはようやく1
0ページ程度。しかも、授業を受けているにも関わらず、初めて読むような気がするの
です。復習をしたといっても、テキストを見れば相変わらず初めて見るような内容ばか
り。未消化の科目が蓄積されていき、精神衛生上良くない状態が続きました。

この時期、たまたまネットで「とれとれ」を知り、隙間時間を活用するにはいいかも、
と軽い気持ちでベーシックと超重要過去問の受講を始めました。「施行規則」の意味す
ら知らない私には、ベーシック講座は大変ありがたい存在でした。
この頃の「とれとれ」はまだ、隙間時間で理解できる内容でした。

年末年始休暇は、後半の5日間を勉強に充てて未消化科目の減少に努めましたが、はか
ばかしい効果が上がらなかったように思います。


4.1月末〜GW
そのような状態で、2月中旬から答練講座が始まりました。2週に1度講座があり、講
座の最後には確認テストがあるのですが、得点は当然ながら12点満点中3〜4点。試験
日にベストな状態にあればよく、答練の結果は気にすることはないとは思っていたもの
の、勉強開始からすでに4ヵ月経過しています。さすがにこの状態はマズイと思いまし
た。そうはいっても、これ以上勉強時間を増やすのは難しく、土日を使ってテキストを
ひたすら繰り返し読むしかありません。

さらに、各科目ごとの頭ができていないこの時期、苦労したのが「とれとれ」。答練に
合わせた勉強と「とれとれ」の応用講座の2科目が合わず、ついていけないのです。「
とれとれ」は、もはや隙間時間に気軽に読めるようなものではなく、机に向かってきち
んと取り組まなくては理解できない内容になっていました。そのため、最大で2週間「
とれとれ」を放置したこともありました。

時間のない中、あれこれ教材を探したくないので、情報はテキストにすべて一元化しま
した。前述したように日曜コースの講義の内容はすべてテキストにメモしましたが、そ
こへ答練で触れた論点を書き込み、副教材でもわかりやすい表があればコピーを貼り、
必要であれば「とれとれ」をプリントアウトしたものも貼り付けました。
そうした作業を繰り返す中、「初めて見る感」はわずかながら薄くなり、少しだけ希望
が見えたような気がしました。


5.GW〜試験直前
「GWまでに一通り学習する」というのが初学者の鉄則のようですが、GWは苦手な年
金対策に追われたため、GWが明けても一般常識は手つかず状態。また、過去問題集に
着手したものの、今後の可処分時間を考えるととてもモノにできそうもなく、2、3年
分で断念。やむをえず方針を転換し、一般常識と過去問対策は「とれとれ」に頼ること
にしました。
メルマガをヘッダーがついたままプリントアウトしては、メールであると周囲にばれる
ので、「とれとれ」の本文のみを(MSの)メモ帳にコピー&ペーストし、それを科目
ごとに作成しました。これを4講座分全てをプリントアウトすると、A4で300〜400枚
になります。この「とれとれ」をヒマな会議や出張の移動時などに読むようにしました
。特に、年金が大の苦手だったので、「年金強化月間」分は何度繰り返したかわかりま
せん。

7月の最終模擬試験の成績は、100人中真ん中くらいだったと記憶しています。
さすがに勉強不足は明らかで、あきらめようかとも思いましたが、「ぼろぼろな状態で
もとりあえずフィニッシュを決める」というkeikei先生の言葉を実践する方に賭けてみ
ることにしました。綱渡りの受験生活を途中で放棄するのもシャクでしたし。
試験直前は、「とれとれ」と、答練+模試の問題を3〜7回繰り返し、本試験で同じ問
題が出題できたらパーフェクトに解答できる状態をめざしました。この時期だけは睡眠
時間を削り、ともかく詰め込めるだけ詰め込みました。よく笑い話などにありますが、
転んだらこぼれ落ちるような状態だったと思います。


6.講座&教材
初学者にとって10ヵ月はとても短いものでした。結局、活用できた講座と教材は、日本
ライセンスセンターの総合講座と「とれとれ」の4講座のみ。恥ずかしながら、労働法
全書すら購入していません。
教材としてつけ加えるとすると、即効性はありませんが、労働政策研究・研修機構が週
に2回発行しているメルマガは、長期間購読していると労働政策の動向を把握できるの
でお薦めできます。ちなみに、私は個人的な興味から5年ほど購読していますが、労働
・社会一般の選択は満点を取ることができました。

このように、最小限のインプットしかしませんでしたが、それでもかろうじて合格でき
たのは、keikei先生の問題の選択眼とわかりやすい解説のおかげです。仮に私に勉強時
間が潤沢にあったとしても、過去10年分の問題を解くことはないでしょう。過去10年以
上さかのぼって論点を探してくるというのはさすがだと思いました。
本当にありがとうございました。