フェルールの制作    <旋盤工作入門へ>

目次 Tメス部の制作 <ロッド側の穴空け>

 フェルールの制作も卓上旋盤を使えば,そう難しくはありません。なれるまで,数本お釈迦にする気持ちがあれば,十分使用に耐えうるものができます。さあ,フェルール(ステップダウン・タイプ)制作に挑戦してみましょう。
 今回制作するフェルールの基本設計は下記の通りです。バンブーロッド制作入門に紹介してあるロッド用です。しかし,設計はあくまで図面上のこと。制作の過程では,とにかく寸法を測り,実寸で罫書きすることが大切です。また,旋盤加工は材料のつかみ直しを必ずセンターがずれます。紹介する方法は,私の使用する旋盤で,一番つかみ直しが少ない方法です。
 なお,基本設計は,Fly Rodders(2001年7月号)に掲載してあるもの,及び,よるずや斎藤商店,つるや釣具店で購入した物を参考にしました。
T メス部の制作
 メス部は,ロッド接合部から制作していきます。全長20センチ程度の直径6oニッケルシルバー棒を使います始めから短く切って制作すると,チャックに挟む部分が短くなり,ブレが大きくなります。メス部全長+1pに油性マジックで罫書きをします。ロッド接合部穴空け後に突っ切りバイトで長さを仕上げますので,切りしろの余裕をとってチャックにセットし,センタードリルを使用した後に,ドリルで穴あけをします。内径は最後にリーマで仕上げるので,ドリルは内径−0.1o,つまり4.4oを使用します。写真のように2本用意して,一方は先端部をカット(グラインダーで削りました。)して,平らにしておきます。
1 ロッド側穴空け
  始めのロッド接合部の深さ20oをドリルに罫書きしておきます。穴空けはキリコの出方よく見て,詰まったと感じたらドリルを引き抜き排出させます。この作業を繰り返します。普通のドリルそして,次に先端を削ったドリルで穴空けをします。普通のドリルでは先端がすり鉢状になるので,先端を削ったドリルで平らにします。
 その後φ4.5oのリーマ(写真1地番下)で内径を仕上げます。このリーマも先端部のすくい角は平らに削ってあります。きちんと最深部まで削られたかどうかは,音で判断します。旋盤工作では,削っている部分の変化は必ず音に変化が現れます。この変化を聞き分けることがコツです。
2 テーパー加工
  約2.5°テーパーを付けて,ロッド接合部を削ります。テーパー部分の仕上がり長は6oなので,先端から1p弱テーパーがつけば十分です。材質が薄くなると弱くなるので,0.1oずつバイトを進めていきます。先端部の厚さを0.1oにしますので,外径は4.7oになります。したがってバイトは,(材料外径6o−4.7o)/2=0.65o 全体で進めます。
 材質が薄くなると非常に壊れやすくなるので,最後は先端部の厚さを見ながら削っていくと良いでしょう。,
3 切断
  突っ切りバイトで全長+1pで切断します。この余分1pは,チャックのつかみしろと最終切断の切りしろになります。
4 つかみ直し(ジョイント部穴あけのため)
 ノギスでロッド接合部の深さを測定します。この数値とロッド接合部とジョイント部のしきり1oを材料全長から引いた数値がジョイント部の穴あけの深さになります。その後,チャックに掴みジョイント部の穴あけになります。

5 ジョイント部穴空け
 (4)で決定した穴の深さをドリルに罫書きします。その後ロッド接合部穴あけと同様に作業を行います。
6 つかみ直し(外径仕上げのため)
 フェルールの全長を材料に罫書きし,つかみ直します。最終切断の切りしろを考えてつかみます。
7 外径仕上げ
 右仕上げバイトを使用し,材料テーパー側から削っていきます。ブレを少なくするために,回転センターを使用しています。仕上がり寸法が5.3oですから,0.7/=0.35o削ることになります。オス差し込み側の耳を作るために,最後の0.5oは全長より1o手前で削りをやめます。(この耳部分をつくるためにロッド接合部から穴あけをしました。)表面の仕上がりを考えると,0.1oずつ,そしてゆっくりとバイトを進めるのが良いようです。
8 切断
 突っ切りバイトで切断します。
8 スリット加工
 ブランクとフェルールの接合をスムーズにするためにスリット加工をします。
(1) 罫書き
 写真左のようにコンパスを使って書いた6角形の対角線をを利用し,スリットを入れる6カ所に油性ペンで印を付けます。
(2) スリット加工
 ルーター用のメタルソーを主軸,フェルールを刃物台に固定しスリット加工します。写真右は,φ2.2oのメタルソーを使って,スリットを2本ずつ入れていますが,これは上下のずれが大きくなります。現在は,φ1.5oのメタルソーを使って,スリットを1本ずつ入れています。
U オス部の制作
1 穴空け
(1) ジョイント部穴空け
 ここは精度をそれほど必要としないので,リーマは使用しません。穴径の実数φ3.7のドリルに深さ34oを罫書きし,穴あけします。その後,先端を削ったドリルで仕上げます。
(2) ロッド接合部穴空け
 接合部をリーマは使用しません。φ4.5のドリルを使用し,ジョイント部と同様に穴あけをします。

2 テーパー加工
 メス部と同様にテーパー加工します。
3 外径加工(ロッド接合部)
4 切断
 穴の深さ(実寸)を図り,それに厚さ1oを加えて罫書きします。オス部は耳部を作る必要がないので,メス部のようにつかみしろは必要ありません。
5 つかみ直し
6 外径加工(ジョイント部)
 ジョイント部は削りすぎると,せっかく作ったフェルールがお釈迦になってしまいます。マイクロメーターで径を図りながら削っていきます。すり合わせは,耐水ペパーで行いますので,ここではリーマ径(穴径)より0.01〜0.02o太めに仕上げます。
7 スリット加工

分かりにくい工程,もっと詳しく知りたい工程がありましたら,談話室やメールにお願いします。

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