旋盤工作入門

目次 <木材加工編(フィーラーの制作)><金属加工編(キャップ&リングの制作)
木材加工編(フィーラーの制作)
 本などを見ると,金属加工用の旋盤で木材加工をするのはあまり良くないと書いてありますが,気にせずに使っています。金属加工に比べ,楽で,しかも,フィーラーが結構美しく仕上がるので,結構はまります。
1 フィーラー材の切り出し(できあがり寸法 直径17o,長さ85o)
 材料を20×20×100oの寸法で切り出します。材料は,ある程度の堅さがあれば,なんでも構いません。手に入れやすくて,しあがりがうつくしいのは欅です。メープル,花梨は,東京に行った折りに,端材を新木場で購入しました。木工をやっている友人から紫檀の端材を譲り受けて,制作しましたがこれも又美しい。位牌などのよく使われる理由が分かります。?
2 フィーラー材の面取り
 なにしろ,木工ミニ旋盤,卓上ミニ旋盤と両方ともミニなので,少しでも負担を掛けないように,フィーラー材の面取りを荒削り用プレーンを使って行います。角材を直接に木工旋盤に装着し削ると,音と振動はすごいし,すぐにバイスが材料に食い込んでしますし,それはもうびっくりします。また,この時点ではセンターもいいかげんなので,回転に大きなブレが出ます。それで,私は,荒削りをしています。
3 フィーラー材の荒削り
 木工ミニ旋盤を使用し,フィーラー材を円柱(直径19ミリ程度,センターのずれを考えるとこの程度は必要)に荒削りします。卓上ミニ旋盤の三つ爪チャックに挟めるように加工するのが目的ですので,だいたいの寸法でかまいません。
材が円柱状になるまで,バイスがかまないように少しずつ削ります。
円柱状になってしまえば,おもしろいように削れます。スクイ丸バイス使用。
4 穴空け
 8oの木工用ドリルで穴空けを行います。木工用ドリルは,長さ90oと180oの2本を用意します。これは,
旋盤の心間距離の関係で180oのドリルが初めは使えないからです。まず,短いドリルを使用して穴あけをする。そして写真のように長いドリルを差し込み,さらにドリルやチャックを固定します。ミニ旋盤ならではです。
 削りかすがうまく排出しないと,摩擦が大きくなり削れなくなります。音の変化を感じ取り,ドリルを後退させては,削りかすを取り出すことを繰り返します。私は,8oの木工用ドリルを使用する前に,6oの金工用ドリルでリード穴を空けます。少しでも旋盤への負担を減らすことができればという考えです。
5 フィーラー固定用ジグ
 長さ11.5ミリのボルトでフィーラー固定用ジグを作成します。これで,固定し,旋盤のチャックで挟みます。ボルトの先端には,旋盤を使用し,センタードリルでセンターを出しておきます。このジグを使用して,フィーラー材の表面を削ります。このジグは,一昨年「旋盤入門」でhitしたページに紹介されていました。このhpを作成するに当たって,再度検索したのですがhitしません。ご存じの方はご一報を。
6 表面削り
 仕上げ寸法17oまで表面を削ります。写真のようにジグを固定しての切削なので,ここで初めてフィーラー材が円柱になります。バイスは,木工バイスを写真のように木の台を作り使用しています。金工用の右仕上げバイスを使用してもなんの不都合もありません。かえって,バイスのブレが少ない分,正確かもしれません。金属と違って,一度に0.3o程度削っても何の問題もありません。
左下の写真は,掃除機のノズルです。自動送りが付いているので,こうやって手であてがって,削りかすを吸い込んでいます。これも,自動送りがあればこそです。
7 切断
 突っ切りバイトを使用して,長さ85oのところに切り込みを入れます。ジグがあるので,完全に切断はできませんので,その後,ピラニアのこで
切断しています。
 
8 モルタイジング
 モルタイジングは,ルータを使用して行う例や,ボルトで偏心加工用のジグを製作し,旋盤で行う例が数多く紹介されています。私は,ヤスリを使い,手作業で行っています。断面の寸法の目安は左の写真の通りです。

 完成品の写真は,メープルです。
9 コーティング
コーティングはフィーラーに針金をさして,ウレタンニスのどぶ付けで行います。適当な瓶に,ニス:薄め液を5:3の割合で入れています。写真右は乾燥している状態です。丸1日間そうさせ,今度は上下を逆にして,コーティングをします。上下3回ずつ,合計6回のコーティング後,3日程度乾燥させ,耐水ペーパー#1200で表面を磨き,さらに,上下1回ずつ,合計2回コーティングします。
どぶ付け後,ゆっくりフィーラーを引き抜いても,どうしてもニスがたれてきます。私は,ティッシュをフィーラーの底に当てて,すわせています。

右写真のフィーラーは,左から山毛欅,楓です。
金属加工編(キャップ&リングの制作)
完成図
フィーラーに合わせて,キャップ&リングを制作します。一応,寸法を書いてありますが,これは目安です。このいい加減さがハンドメイドの楽しさ?この構造は,飾りも工夫もありませんが最低限の機能は備えています。
1 材料の切り出し
直径2センチのニッケルシルバー棒を長さ5p,金のこで切り出し,切断面の面取りを右仕上げバイトで行います。送り寸法は,切断面が平らになるまでです。片面が終了したら,つかみ直して,反対を面取りします。
2 材料の下地加工
直径2センチのニッケルシルバー棒を下図のように切り出し,面取りをした後,先端部を5o,直径16oにけずります。これは,その部分がチャックの穴(下写真矢印)に入るようにです。
材料が太いので,突っ切りバイトを使用しての切断のとき,良くバイトが材料に噛んでしまいます。チャックの爪だけで材料をつかんでいると,ずれて爪の先端が変形してしまいます。私は,すでに一組交換しました。そこで,無駄は多くなりますが左図のような方法考え,以後はうまくいっています。
3 ドリルでの穴空け
まず,ドリルチャックにセンタードリル(写真左)をつけ,センターを決めます。センタードリルもよろずや斎藤商店で購入しました。
穴は,φ4.1→φ6.0→φ7.0→φ8.0→φ9.0と少しずつ広げます。(写真右)
ドリルを使っての穴あけは,径が太くなるほど負担が大きくなります。そこで,上記のように少しずつ広げていくことになります。また,ドリルチャックにはさめるドリルがφ9.0までなので,直径9oまでドリルで穴あけをし,その後,穴ぐりバイトを使用することになります。穴の深さは,上手A,B,C(2o)に突っ切りの削り幅6oを加えて,28oにしています。ドリルにマジックで印を付けると便利です。ニッケルシルバーを削るには,切削油は必要ありませんが,削りかすがつまるので,少しずつ削りかすを取りながら深くしていきます。
4 穴ぐりバイト
マイクロレースのオプションの穴ぐりバイトは,直径9oでは大きくて使用できません。そこで,8oの未研バイスを購入し,グラインダーで削り自作しました。写真左は上面で,右は側面です。なお,先端部の幅は3oです。
5 穴ぐり(C部分)
穴ぐりをバイト取り付け,刃物台の角度を3℃にします。(穴ぐりバイトの横逃げ角が小さく,内径あたるためです。)テーパー削りがついているとこういう調整ができます。
内径15oまで,0.2oの送りで穴を広げていきます。無理して送りを大きくすると,バイトがぶれたり,外径がゆがんだりします。バイトの構造上,深さが約2pまでしか削れませんので,何回かに分けて広げます。
次に,深さ1oまで,内径を17oに広げます。ここにフィーラーが入るので,最後は,フィーラーをさして調整します。(左図寸法書き込み側)

6 表面加工(C部分)
ここで,テーパーを戻して右仕上げバイトを使い,外径を19oまで削ります。バイトの送りは0.2oです。往復台の送り(X軸方向)が早いと表面があれますので,ゆっくりを送ります。
次に,次に刃物台の角度を15℃にして,図ア部分のテーパー削りを行います。
7 切断(C部分)
突っ切りバイトを使っての切断が,一番難しいと感じています。外径が太いとすぐにバイトが噛んでしまいます。音の変化で負担を判断し,少しずつ削っていきます。本当に少しずつです。リング部分はせいぜい最終的にはせいぜい2oの送りなので切断するまで削りますが,キャップ部分はある程度削ってから金のこで切断する方が良いかもしれません。
もうすぐ切断と言うところまで来たら,りんぐに筆の先などをいれ,飛ばないようにします。なお,切断直後は,熱くなっていますのでくれぐれもさわらないように。
8 表面加工(B部分)
まず,穴ぐりバイトで内径を17oまで広げます。「5 穴ぐり」を参照してください。さらに,刃物台に15℃の角度をつけて,内径にテーパーをつけるとリールの座りが良くなります。送りは0.3o程度です。ここでも,最終的にはフィーラーをさして調整します。
イ部分は,尖り先バイトで削ります。尖り先バイトは,左右どちらも削れますし,材料の中程からも削れます。深さは,0.3o程度でよいと思います。
そして,「7 切断」のように切断します。
9 表面加工(A部分)
まず,図ウ部分を削ります。ここでも,尖り先バイトを使います。
次に,穴ぐりバイトで内径を17oに広げます。ここでも,最終的にはフィーラーをさして調整します。
図エ部分(キャップの底)は,どうしてもドリルの先の部分がお椀状に削れています。そのままにしておくと,キャップの底が厚くなり,大分重くなります。穴繰りバイトを15℃の角度で取り付け,覗きながら少しずつ削っています。
そして,突っ切りバイトで切断します。(「7 切断」参照)
10 仕上げ
写真右が切断後のものです。
耐水ペーパーでバリを取り,表面を磨きます。#800→#1200
そして,私をバフ仕上げをしています。

分かりにくい工程,もっと詳しく知りたい工程がありましたら,談話室やメールにお願いします。旋盤入門へ

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