パルス編集部とは、同人誌「PULSE」を発行する集まりです。
サークルとして誕生したものではありません。
しかし、同人誌「PULSE」が発行され続ける限り、それは、存在し続けるでしょう。



私達一人一人の中心には、私達自身がどんなに不完全であろうとも、完全なリズムを持った静かなパルスが存在する。一人一人全く違っていて、独自のものでありながら、私達を宇宙のあらゆるものごとに結びつけているさまざまな波形と共鳴の複合である。この波動に触れようとする行為は、私達の個人的な体験を一変させ、またなんらかの形で、私達のまわりの世界を変えることができる。
          G・レオナード

ファンタジー
  オールジャンルベスト15

■小説
「はてしない物語」ミヒャエル・エンデ
「ゲド戦記」アーシュラ・ル・グイン
「闇の公子」タニス・リー
「クルミ割り人形とネズミの王様」 
       E・T・A・ホフマン
「不思議の国のアリス」ルイス・キャロル
「そよそよ族伝説」別役実
「光車よ、まわれ!」天沢退二郎
「銀河鉄道の夜」宮沢賢治
「はなはなみんみ物語」わたりむつこ

■映画
「フィオナの海」ジョン・セイルズ
「エクスカリバー」ジョン・ブアマン 
「リターン・トゥ・オズ」
       ウォルター・マーチ
「天使のたまご」押井守

■漫画
「シュナの旅」宮崎駿

■音楽
「夢の4倍」原マスミ


「SFは人類を描くものだ」 これは小松左京の言葉ですが、私はこの言葉をいたく気に入っています。もちろん全てのSFがそうである必要はないのですが、SFというジャンルの独自性をよく表していると思います。ではファンタジーはどうなのか。別にファンタジーの定義づけをするつもりはないのですが、自分の好むそれは「世界観」をていねいに描いているものです。今回リストアップしたものは、そういうものになっていると思います。
「不思議の国のアリス」は、もちろん本作品も面白いですが、その周辺作品にもいいものがたくさんあります。小説では別役実の「遠くにいるアリス」、映画では人形アニメのヤン・シュバンクマイヤーの「アリス」、ルイス・キャロル的不条理世界を描いたルイ・マルの「ブラック・ムーン」、そして本家本元?のディズニー版。それからナムコのアーケードゲーム「メルヘンメイズ」や「アリスインナイトメア」などのコンピューターゲームにも名作目白押しです。
「はなはなみんみ物語」は、小人戦争のあと生き残った小人の家族が、ほかの一族を求めて旅立つという、戦争の罪と罰、償いと赦しについて描いた児童文学です。彼らはかつての小人たちが持っていたという3つの魔法を甦らせていきます。特に最後の「なげる」魔法の習得過程が感動的です。
「フィオナの海」は、アイルランドの豊饒な伝承世界を描いた名作です。羽衣伝説が決して日本固有のものではないことなども教えてくれます。常に海と共に暮らしている、そんな人々の「世界観」を見事に描いています。
 原マスミは吉本ばななの表紙などを描いている人ですが、アルバムも出しています。足穂的世界を結晶のような音の連なりで表現しています。 

 

ファンタジー
  オールジャンルベスト15

■小説
「ゴ−メンガ−スト」三部作 
         マ−ヴィン・ピ−ク
「そよそよ族伝説」別役実
「ゲド戦記」アーシュラ・K・ル・グイン
「十二国記」シリーズ 小野不由美
「はてしない物語」ミヒャエル・エンデ
「光車よ、まわれ!」天沢退二郎
「デュ−ン・砂の惑星」 
       フランク・ハ−バ−ト
「10月はたそがれの国」
        レイ・ブラッドベリ

■映画
「奇跡の丘」ピエル・パオロ・パゾリーニ
「ゾンビ」ジョージ・A・ロメロ 
「未来惑星ザルドス」ジョン・ブアマン
「話の話」ノルシュタイン

■漫画
「風の谷のナウシカ」宮崎駿
「銀の三角」萩尾望都

■音楽
「野生」ヴァンゲリス


「ファンタジーって、一体どういうものだと思ってる?」
この問いに対して、皆さんはどうお答えになりますか?私のファンタジーとの出会いは、石川彦士氏のこの問いかけから始まりました。それまで私は、ある種、砂糖菓子のようなイメージしか「ファンタジー」に持っていませんでしたから。
「ファンタジーとは?」という問いに対して、今、答えればそれは、「違った世界観、あるいは世界を違った見方をすることにより、価値観を再構成するもの」と言ったところでしょうか。
 私は、いわゆる類型的な剣と魔法のファンタジーというもののほとんどが、嫌いです。その一番の理由は、物語の中での独自の世界観、価値観というものが、それらに全く感じられないからです。我々は、この現代、他の国に行ったり話を聞いたりするだけでも、全く違う価値観に遭遇するわけですが、それ以上の独自性を、物語られた異世界が持たないのであれば、それは紡ぎ出される価値さえありません。
 上記、ベストは、すべて独自の価値観のある異世界ファンタジーだと思っています。異色のものと言ったら、「奇跡の丘」「ゾンビ」でしょうか。二千年前のパレスチナの地におけるイエスの物語をあたかもその時代にカメラがあったかの如き生々しき映像として創り上げた「奇跡の丘」と、現代における死人の復活物語をドキュメンタリーの如き映像で描写した「ゾンビ」。これら二作に比肩するほど構築された異世界は、まだ、映像では産み出されていないのかもしれません。
 ヴァンゲリスは、私の最も敬愛する音楽家。その音楽には「魂のみで世界に対峙している感覚」があり、これこそまさに、自分が「ファンタジー」に求める究極の感覚なのです。