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☆
素通りの季節外れの雪女
合歓の葉は眠り給うや花咲けり
螢売ドナドナいつも石を蹴る
言海に迷子今にも実石榴
真っ白 いっそ落雷身をまかせ
向日葵やついに行き先不透明
臨界に水輪広がり氷浮く
残る夏ぐしゃぐしゃにして紙飛礫
炎天にエンドロールの終わりまで
最終日アガパンサスの弾けおり
十年目浮気の勧め雨蛙
明日からは違うスケジュール夏の朝
夏痩せに打ち身捻挫に後遺症
千夜一夜最終回の水着干す
予鈴なりプールサイドにぐらりくる
夏の空蛇口をひねり目を洗う
人かえしひとりプールにフリータイム
息継ぎを焦れば沈む山椒魚
閉じられて玻璃に貼り紙梅雨晴間
髪ゆらし皮膚呼吸する水中花
滝のごと流れ始める時間かな
夕焼けの高きに消えて富士の影
白い夏麒麟の首の合唱団
音のして空っぽになる冷蔵庫
髪束ねキュロットスカートサンバイザー
足浸しプールサイドで笛を吹く
ここからがほんとうなのか花氷
すき狙い何度もシュートワールドカップ
再会を天真爛漫清水湧く
忘れ物豪雨の前の金盥
遠くまで記憶の霞むあと3日
力抜きふし浮きをする夏の宵
自己解体ジューンドロップの1週間
手と足のちぐはぐになる鱧の皮
鞭打たれゴールに向かう疾走馬
盛り上がる机のうえに蟻の群
冷ややかに用意周到このやろう
花石榴監視カメラを避けてキス
分刻み予定が詰まり露こぼす
白骨の巻貝を置く植木鉢
タイマーが鳴ってどきんと梅雨の月
かたつむり行き着くところ姿消す
すっきりと階段のぼる立葵
眠いのにカーテンゆらぎ空白む
夏の夜やっぱり二次会あの鞄
どこでどうたどりはじめる蚊帳初
浮き草の細胞分裂覆い尽くす
フロントの雨のよじれをあおみどろ
カウントするハートの花火川の音
青薄ウィークディは疾走す
彦星と学年通信書き終えて
押し殺しとにかく仕事一学期
7月の誕生石は雲隠れ
百合照らす蝋燭の火は尽きむとす
忘れていた孤独の陰のしのびよる
消えかかりはぐれさまよう螢来い
新馬鈴薯のつるつるむける若さかな
母と子の日曜の顔汗ばめる
校区の資源回収ぽつり梅雨
草と土混じり合う匂い朝草刈
こがねむし肌にはりつく足のあと
螢の夜呼ぶ声のしてふりむけり
プルーン果の重みにしなる枝垂れかな
葱坊主ひこばえ茂り種爆ぜる
草なかの玉葱をひく晩生なり
炎吐く女となりぬ水の国
睡蓮やどっぷりつかり青空へ
飛び魚の大航海のはねっかえり
灼熱の黒鳥の踊り相聞歌
傘7本ラッキーセブンはかくれんぼ
ひとつまみ塩ふりトマトのまるかじり
打ち上げ花火せっせと仕事に取りかかる
汗と涙大観衆のホイッスル
寝不足をビーチパラソル昼下がり
青蟻の圧倒される生中継
夏休み竜宮城に案内す
浜薔薇のペンキ塗りたて椅子ふたつ
夏の星もうすぐ逢える息づかい
肘掛にふたつのグラス虹の橋
隠れ家を見出す夏の海辺かな
負け越しの我慢比べに螢の夜
岸壁に夏の航路の積み残し
夏東風や禁断症状じれったい
日に焼ける少年の編む瑠璃天珠
夏至南中もっとも深く強く差す
さるすべり24時間大画面
ぱっくりと磯巾着に食われたし
ご挨拶に伺わなくちゃ青葉潮
骨抜きの螢の光深き闇
息苦しぎりぎりを詠む水潜り
ゆるぎなく遊歩に並ぶカンナ立つ
縄文をなめらかに越ゆ青田風
全開のホースから霧虹つくる
ふわふわの縮緬ブラウス風とおす
朝涼や産毛波打つ肌あらわ
ひらめきのきっかけは愛ケルン積む
夏至未明神の領域さぐりけり
こっちまでわからなくなる夏の露
夏は夜声にふるえる聞き覚え
まったりとヨーグルトな時間逢えるまで
刻一刻カフェ&バーで待つ夏真昼
草刈の匂いに昔よみがえる
温度計ぐんぐん伸びて熱くなる
夏未明繰りかえし読む風媒花
寝ては覚め白夜の流れさめざめと
まぎれなく焦がれて光る螢かな
憧れの大先生に夏メール
圧縮のフラッシュメモリー螢かな
あくまでも好みの問題麦こがし
夏の星バイオリズムの急接近
天の川ふたりのあいだに横たわる
日本に太陽布団や青田あり
夏シーツもんどりうってひとり相撲
夜叉が池ぷるるんとしてコーヒーゼリー
代休のスケジュール決めまず昼寝
泥団子ひたすらこねる夏帽子
鮫肌の魚眼レンズの夏俳誌
ゴールさす弾丸シュート夏の陣
青岬造岩活動突き出せり
停泊の烏賊釣船やガラス燈
夏の海陸の裂け目に血の気ひく
浜昼顔足元すくう東尋坊
アルプスの山ひとつ越え夏の空
結果としてほっておけない梅雨の朝
蜜の雨アクシデントの花南瓜
裏山のそぞろに腐草螢となる
紫陽花に虹の時計の二行ふる
集団の茄子の鴫焼き足のばす
安心もつかのま螢かきたてる
明滅の日本のたましい夏の川
それまでは植田に雨の幾筋も
ローソンのチケット売り切れ梅雨に入る
掘りたてのじゃがいもの土湿りおり
下駄揃えバケツいっぱい枇杷届く
抜けた歯をティッシュにくるみ青葡萄
花石榴痛いところを刺激する
お仕舞いに紫陽花の雨さからわず
光るまで沈黙長き螢かな
さくらんぼ焦ることなく気が抜ける
記念すべき初めての夜生ビール
勢いよくひねる蛇口にペパーミント
屋根の谷7時の夕日を見てしまう
紫陽花の夫婦円満色比べ
黒揚羽ト音記号の横泳ぎ
しわくちゃの新聞紙に影青蜥蜴
レモネードMJQのナンバーを
臨床の被験者として夏休み
七変化書き散らしつつ脱ぎ捨てる
あらためて身軽に帰る夏つばめ
あさがおにペットボトルの幼き手
舞台には踊る白鳥夏つばき
ハンモック弱みをにぎりほっとする
かたつむりぴたりはりつく肉の襞
決めこまれ梔子の花腕まくり
走馬灯ゆきつもどりつあしたかな
釣忍逆転負けのホイッスル
源氏絵巻紐解く腐草螢となる
ひとつずつカウントダウンの螢かな
二次会は隣の席のさくらんぼ
女郎蜘蛛スタミナ料理負け知らず
夏夕キャッチボールの消えるまで
同郷の出入り業者と縷紅草(るこうそう)
虫食いのオクラ苗植え替えやっと
隠れ蓑桜青葉に百鬼おり
デパ地下のアイスクリームラムレーズン
セブンティーン麒麟の首は茂みなか
赤い血を何箇所も蚊に起こされる
恋狂い人こそ知らね螢の夜
七変化雲湧き出づる激しさよ
梅雨晴間仕事は家に持ち込まず
たてつづけ冷水を飲み顔洗う
白兎暑さに四肢を投げ出せり
蓮浮葉ナンバーブレートけしかける
ひんやりと負けてコメントさらに聞く
瀬戸際の体力勝負豹の群
浜薔薇の香る遠あさ砂の城
熟睡の窓辺に逢える夏の海
農協で保険手続き麦藁帽
2番目に職員室出る桜の実
夏の昼運動場のだだっ広く
夏野菜学級花壇のひ弱なり
お説教ホウセンカの種まき延びる
滑り台を乗っ取る訴え梅雨晴間
震えつつ水着にタオルを巻きつける
夏木立英語教師の長睫毛
紫陽花や朝礼の話とは別に
おばあちゃんの百合学校へふたりとも
螢火のてんでばらばら意志のあり
夏の夜に詩人の語るジャズと美女
赤黒く準備万端紫蘇育つ
夏料理ガラスの一角予約する
紫陽花の事務所で説明パンフレット
さくらんぼ帰りの切符見つからず
7月朔ホテル喫茶で待ち合わせ
枇杷の雨オフ会日時決めかねる
全力で攻めるはサッカー応援歌
固結び檸檬スカッシュのからからと
発端は5年前の今日君知るや
草むらのひとつがふたつ螢かな
梅雨晴間オペラのCD聴き明かす
ほらごらん台所から夏茜
少しずつ苗の傾き左より
打ち始めレジから走る蚊取香
夏の海一体感のスポーツカー
木苺を回り道して先着あり
六月の重低音の宅配便
街の川矢車草にカモミール
白薔薇を贈るひとときありにけり
千年の闇の宇宙に初螢
君たちが青虫だったら先生は蝶
蛍袋いまいちばんにのめりこむ
瑠璃柳挑戦できる若さかな
iCard浜薔薇の花好き嫌い
飛燕草枝分かれして風に舞う
あの色のあのガーべラにこだわりが
はじめから終わりがあって京鹿子
乙女百合第一印象の鮮やかさ
にじりよる研究会の黒蜥蜴
滅長くそれっきりかも螢の夜
夕立に逃げる雨傘声あがる
棚上に跳ねる蔓首夏の雲
夏夕日愛岐大橋川かかる
のぞきこむビニルハウスのトマト熟れ
学校の外からめぐる更衣
保護家庭じゃがいもの花咲き競う
未央柳(びようやなぎ)住宅地図に畑記す
ことごとく露出オーバー夏真昼
子はさらに手をかざし見るのっぽビル
石仏に手を合わす子ら透かし百合
夏の朝行列をなす町探検
呼び出され悪餓鬼の善き汗にじむ
おがたまの平家螢は闇に入る
夏の朝揮発する香の沈みおり
鈴鳴らしヒマラヤシャジン耳もとに
二重奏マーテル涼しとけあえり
明け易しこむらがえりす逆らわず
蛍の夜気のふれそうな魔の一瞬
夏夕衝撃的に撃ちぬけり
夏蜜柑声小さくて聞き取れぬ
消毒に集まるプ−ルの機械室
水鉄砲不意打ち食らうまさかきみ
夏雲雀アキレスけーん二二三四
ヒトコマを真似て得意気青き梅
麦の秋ストップウォッチを握りしむ
めぐり来て青紫蘇の芽の生えそろう
草刈の日割り計算思い立ち
賽の目に行ったり来たり花ざくろ
夏の月手に力なくすべり落つ
消えてから鬱なる余韻螢かな
梅雨気配爪切る音の途切れとぎれ
沈めてもさらにいっそう浮いて来い
色づいた暗号探す夏灯
花菖蒲背筋を伸ばし急ぎ足
紫陽花に天使の翅の透かし模様
夏未明赤いポストをのぞきこむ
短夜の珊瑚の海の人魚姫
アオスジの匍匐前進波がしら
からし菜の実の逆立ててりきみおり
螢火は闇夜の遊女病みあがり
巣にかかる蛾のばたつきをじっと待つ
燕飛ぶ空気の層を切り返し
のうぜんかずら刈り取らぬよう注意書
行きずりに鳥の名を告ぐ花おうち
青胡桃近づきすぎて魔界なり
桑の実を食べて繭糸(けんし)を吐き出せり
ハミングするレンズの色は夏茜
玉葱を伝言もなく軒下に
ひとときも離れずにいる女王蜂
ふるふるとギヤマンの恋散光す
かき氷頭のてっぺんつんとする
夏の旅どこか知らない遠い国
どれくらい音信不通サングラス
パンジーが干からびており遅く干す
鉛筆を削る真似する蛙の子
脱走し行方不明の蝶が舞う
夏メール生きているのか確かめる
宵待草日に日に元にもとどおり
ごちゃまぜに押し込み蓋す涼しさや
かたつむりついにとうとうわからない
紫陽花の色つきはじめ時々刻々
玉の汗いちもくさんに前かがみ
夏に月あに図らんや投げださる
水争いストップモーション後ろ向き
片陰のスクランブルを動き出す
ブルーハートフェンスにひっかけサングラス
うなだれてだれもが通る夏の露
限られて螢のうつろ草まくら
いつまでの水魚の交わり夏の星
アラジンの回り灯籠に酔いにけり
夜迎え冷酒を噛む尽き果てる
学校のいちにち終える青蜥蜴
とり憑かれそれ見たことか河鹿鳴く
ひび割れて崩れそうになるかき氷
時計はめ仕事の鞄麦の秋
6月の花嫁日記紐解けり
朝焼けや受け入れるしか立ち尽くす