映画感想 一言もの申す編
「タイタニック」
名前もストーリーも大抵の人が知ってるだろう、と思いますので、あらすじは割愛。実在の沈没船、タイタニック号を舞台にした、甘く切なく哀しいラブストーリーです。
知名度AAAクラスの評判作だけに、突っ込みどころも満載。
まず序盤。ディカプリオ扮するジャックとお友達ですが、これはもう、誰が見ても『主役はこっちやね』と一目で解る配役です。庶民くさい演技をしつつも主人公オーラを放つジャックと、引き立て役の空気みなぎるお友達。これで実はお友達がメインキャラだったら、演出家を尊敬します。
そして船へ乗り込み、ローズ嬢との運命の出会いを果たし、燃えるような恋をします。
……えーと。
何はともあれ、まずローズさんに一言。
婚約者が居るって自覚してるんですよね?愛情がないって言っても、婚約はOKしたんですよね?そいでもって、婚約者さんにお母様の船賃まで出させて、豪華客船のイイお部屋に泊まってるんですよね?
途中の痴話ゲンカシーンでは、婚約者すっかり悪役でしたが、これはいかがなもんでしょうか。
自分に気を遣ってくれ、良い奥さんらしくしてくれ、少し素行を慎んでくれ、と言う婚約者氏の言い分。
そんなに理不尽ですか?
そりゃ、最高に度量の大きい男ではないかもしれませんが、普通の男なら、そんなものではないでしょうか。少なくとも、並より酷いとは思えません。彼だって、美人の奥さんと楽しく暮らす幸せなマイホームの夢と人生設計を抱いて、婚約者連れで乗船したわけでしょう。なのに船中で彼女が浮気。そりゃ理性もなくしますって。
通りすがりのキザな面した男前に一目惚れとかしてないで、ダンナ様に心遣いを向けて、良い奥様になろう、そして2人で良い夫婦になろうと言う心構えを持ちましょうよ、ローズさん。
それが、私が真っ先に抱いた感想です。
なお、参考までに、この映画を一緒に観ていた母の反応を述べておきたいと思います。
……多分、“ポセイドン・アドベンチャー”級のパニックムービーを期待していたらしい彼女は。
30分ほどが過ぎたところで、『船が沈み始めたら呼んでちょーだい』と言い残して、キッチンへ皿を洗いに行ってしまいました。
家族全員の夕食の皿を洗い鍋を磨いて、なお沈む気配も見せない船。その上で愛を語り合うジャックとローズ。ひとり見守る私が、ようやく彼女を呼ぶことができたのは、食卓を磨いてフキンを洗い終えた彼女が、お茶を入れ直して家計簿を開いたころでした。
一時間に満たないパニックシーンと悲劇のクライマックスを見終えた彼女は、何とも釈然としない顔で、さっさとテレビのスイッチを切っていました。
いや、単なるラブロマンスが退屈だという嗜好性は、彼女の血を引く私にも良く解りますが(ホラー・アクション・サスペンスなど、手に汗握る系が好き)。
とりあえず、彼女的には皿に負けたらしいローズとジャックの愛に、慰めの言葉を贈りたいと思います。
『やっぱり不倫は良くないです』
以上です。
2006.07.18