映画想 名作編

 

「リーグ・オブ・レジェンド」

 

 ハチャメチャなノリのSFアクション・ムービーの良作(だと管理人は思っている)です。

 謎の怪人が作った悪の組織の企む壮大な悪の陰謀を防ぐため、古典小説の主人公たち、誰もが知っているヒーロー・ヒロインたちが立ち上がる。多数の有名小説をもじったパロディ映画ですね。

 悪の組織との戦い、裏切り者の疑惑。街中で繰り広げられる銃撃戦とカーチェイス。そして危機を脱して知った、真の内通者の意外な正体と怪人の素顔。

 ベッタベタにべとつく展開を、主人公パーティーの顔ぶれの知名度で笑わせようという演出は、中々に悪くない、と言うか管理人のツボでした。

 ちなみに、顔ぶれは以下の通りです。

 

 ・アラン・クォーターメイン(「ソロモン王の洞窟」より)

 ・ドリアン・グレイ(「ドリアン・グレイの肖像」より)

 ・ミナ・ハーカー(「吸血鬼ドラキュラ」より)

 ・ロドニー・スキナー(「透明人間」より)

 ・ジキル博士とハイド氏(「ジキル博士とハイド氏」より)

 ・ネモ船長(「海底二万マイル」より)

 ・トム・ソーヤー(「トム・ソーヤーの冒険」より)

 

 ……えーと。

 すみません。管理人が原典を即座に解ったのは、上記の約半分(4人)でした。

 てか、誰ですか?クォーターメインさんとドリアン・グレイさんって。

 パロディ映画の中核を担うには、この二人、日本での知名度が低すぎるような気がします。いや、管理人の主観ですけどね。

 知らなかったことを自己弁護するわけじゃありませんが、ちょっと読書量の少ない日本人だったら、スキナーも解らない方がむしろ自然のような……ドラキュラやジキル&ハイドは日本でも有名ですが、この映画の設定を理解するには、かなり正確な知識が必要ですし。

 「ミナ・ハーカーは、ドラキュラを退治したジョナサン・ハーカーの奥さん。小説では、ドラキュラの餌食になった」

と言うエピソードだとか、

「ジキル博士は、自作の薬品で容姿から人格まで丸ごと別人になってしまう。別人格のハイドは非常に嫌な奴」

と言うストーリーだとかは、果たして日本の一般常識の範囲でしょうか。

 この映画が日本でヒットしなかった理由も、一部はそこにあるのではないかと思います。

 何しろ、原典の設定が判らん人間には、面白くもおかしくもない演出になってますから。

 もっとも、トム・ソーヤーが入っているおかげで、7人全員が「誰それ?」な日本人は多分いなかったことと思われます。

 個人的には、あのクソガキ(原作のイメージ)が大人になってアメリカの諜報員とは、生意気に出世しやがったなあという感想を抱きましたが。

 ベッキーとは結局ダメだったんでしょうかね……ま、初恋なんてそんなものかも知れませんが。

 

 その後、登場時は男前だったドリアン・グレイのえげつない裏切りや、あからさまに怪しすぎて逆に裏切り者じゃないのが見え見えだったスキナーの活躍などのエピソードを経て、主人公パーティーは、ラスボスであるファントム(「オペラ座の怪人」より)の仮面を剥がします。

 彼の正体が、何とモリアーティ教授(「名探偵ホームズ」より)であったのは、天晴れな演出と言うべきでしょう。

 吸血鬼ミナと不死身の男ドリアン(元恋人同士と言う設定でした)の因縁の対決も、ネモ船長とジキル博士のコンビ活躍も、それぞれに見ごたえのあるアクションシーンでした。

 そして戦いの末、モリアーティ教授とクォーターメインの死で、一連の事件は幕を閉じます。

 クォーターメインの葬儀を終えた残りのメンバーは、ネモ船長の申し出でノーチラス号へ乗り込み、世界を旅することを決めてエンディング。

 ……何やら、墓の土がモゴモゴ動いてクォーターメインがゾンビと化して復活する兆しのようなものがあった気も致しますが、多分気のせいでしょう。それは幾ら何でもホラーです。

 全体としては、管理人には至極愉快で程々に良く出来た作品だと思われました。人にもよりますが、アクション映画が好きな人は楽しめるのではないかと思います。

 原典を知ってさえ居れば。

 全ての原作が判った博識で読書家な人は、ぜひ見てみて下さい。

 

 

2006.08.31

 

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