湯の峰温泉は、1800年の歴史を持つ日本最古の温泉といわれています。温泉街の中央を泉源の湯ノ谷川が流れ、その両側に古風な温泉宿が軒を連ね、独特な風情を醸しています。足利時代に、毒を盛られた小栗判官がここで湯治をして命が助かったという言い伝えが有名で、至る所に「小栗判官の湯」と記したのぼりが立てられています。また鎌倉時代以降、熊野古道は伏拝王子回りに加えてこの湯峰王子回りも利用されるようになりました。
 新宮行きの十津川くまの特急バスは、熊野本宮停留所を過ぎると一旦国道168号線から離れ、旧国道311号線が導く深緑の中に吸い込まれてゆきます。和歌山に入り、ここまで数時間にも及ぶ山岳路から解放されていたところが、再度トドメの拷問となる狭隘区間に突入です。 ガードレールもなく対向もできないうっそうとした峠道を幾重にも登ると、やがて「湯峯」と記された小さな標識に迎えられ、白い煙と硫黄の香りに満たされた温泉街へ一気に下ってゆきます。
 湯の峰温泉の停留所は、温泉街のほぼ中央に位置し、川湯方面乗り場前には共同浴場、熊野本宮方面乗り場前は老舗旅館あづまやが構えています。停留所は、龍神バス・熊野交通・奈良交通の共同使用です。
 「小栗判官」の、のぼりに迎えられて、温泉街に下ってきた新宮行き十津川くまの特急バス。
 セピアに染まった湯ノ谷の川面に、その一瞬だけシルキーホワイト/イブニングオレンジのボディーが影を落とします。
 定刻に、湯の峰温泉に到着。 一人の乗客を降ろすと、足早に去って行きました。
 停留所は繁華街の中心ですが、路側ぎりぎりに横付けしても他の車両が通行しにくくなるため、ここでは時間調整を行いません。 後続車が多い時は、少し先の公営駐車場前で一旦停車して追い越しをさせます。
 龍神自動車や奈良交通の区間運行便は、停留所ポール横の公衆浴場前広場で回転します。なお、奈良交通の操車場は少し下湯の峰寄りの空き地にあります。 
 共同浴場から熊野本宮方向をみ向いたところ。古風な街並みに合わせたかのように、朽ちた停留所があります。
 停留所のプレートは、「龍神・熊交・奈交」になっていますが、「龍神」が妙に遠慮がちにやや小振りです。ここには元々JRの文字があり、龍神自動車が廃止になったJRの代行運転を行っているのです。
 本宮町には、廃止に伴って「龍神・熊交・奈交」しか使用しないJR停留所が沢山あります。
 熊野本宮方面行き「湯の峰温泉」停留所の背後には、老舗のあづまや旅館があります。
泉源近くに広がる湯の華。
 熊野交通の本宮大社前行き。奈良交通の十津川くまの特急と、このバスだけが湯の峰温泉から直接熊野本宮へ抜けてゆきます。
 操車場で出発待ちをする、五条駅行き各停。最近までは、写真すぐ右の狭い草原が操車場でした。
 このバスは五条駅に到着すると、折り返して十津川温泉行きになります。
 湯の峰温泉停留所へ向かう五条駅行き各停。
 十津川くまの特急バスとは逆に、共同浴場前で折り返し、渡瀬温泉、川湯温泉を経由して本宮大社前から五条駅を目指します。
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熊野本宮
下湯の峰
下湯川
将監ノ峯
渡瀬温泉
湯の峰温泉
渡瀬
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 秋色深い、四村川小学校。 美しく手入れされた木造校舎、純朴な子供たちを目の前にすると、自らも経験したことのない過去へタイムスリップしたような錯覚を受けます。
 四村川を渡ってすぐ、左へカーブを曲がる新宮駅行き特急バス。
 これは、「十津川くまの特急ヲタク」の間では超有名な「魔の急カーブ」です。小さなカーブミラーひとつで先の状況を読まなければならないのですが、すでにどこにも待避するところがなく、対向車が映ってないことを祈るだけです。さらに写真のように、狭隘な上り坂なので、後退することもままなりません 。
 四村川を渡る新宮駅行き特急バス。
 背景には、美しい木造校舎が残る四村川小学校が見えています。
 バスは、路側ギリギリのこの橋を渡ると、息つく間もなく、路地を左へ一気に曲がります。
 上の写真と同じく、四村川を渡り一気に将監の峯への坂を上る、五条駅行き。
 ここは、見通しが悪い上に対向場所の少ない急坂で、バスも車も一苦労します。
 2系統五条駅行きが、四村川を渡り将監の峯へ向かうところ。 背景には、湯の峰を熊野川から隔てる大日山がそびえています。

 渡瀬(わたらせ)温泉は、西日本一といわれる大露天風呂が有名な四村川沿いの温泉ですが、湯の峰・川湯に比べるとその歴史は浅く、リゾート地のイメージが濃いといえます。 なお、地名の呼称は温泉名とは異なり渡瀬(わたぜ)となっています。
 渡瀬温泉停留所は国道311号線バイパスにあり、温泉へはさらに四村川まで下ってゆく必要があります。また、停留所は、奈良交通、熊野交通、龍神自動車、明光バスがすべて停車しますが、明光バスだけは別の停留所標識を使用しています。
 なおここでは、広義に四村川を見下ろす一帯を渡瀬温泉として扱っているので、下湯の峰、下湯川、将監の峯、渡瀬、渡瀬温泉の各停留所を含んでいます。
渡瀬温泉
湯の峰温泉