創作折り紙ギャラリー

横浜有隣堂新春特別展
「吉澤 章創作折り紙の世界」展作品より
2006年1月3日から16日まで開催、NHKテレビでも
放映されて大勢の方々にご覧いただきました。

 折り紙のあらゆる可能性を試み、折り紙を芸術として確立させるとともに日本の伝承芸術(ORIGAMI)を海外に紹介・普及させた創作折り紙の第一人者である吉澤章さんのすばらしい作品をご紹介いたします。

 吉澤章さんの作品は、平面を重ね合わせて折るといった、これまでの折り紙の概念を超え、きびしいまでの情熱と探究心、さらに天才的な感覚によって創造性と精神性豊かな造形芸術へと高められており、折り紙の愛好家にとどまらずジャンルを超えて世界的な芸術家や科学者から賞賛されてきました。一枚の紙から生まれたとは思えないような生命感あふれる動物、優しさにみちた花や鳥、それはまさしく造形の詩といえましょう。

 また、吉澤さんはこれまで外務省および国際交流基金からの派遣、海外からの招聘などにより世界数十か国を訪問し、作品展や講演などを通して積極的に折り紙の世界的普及活動を行いながら国際交流に深く関わってこられ、1998年フランスのルーブル美術館で開催された「世界折り紙展」では、その長年にわたる活動の功績が大きく称えられましたが、惜しくも昨年3月に他界、世界のメディアが偉大な芸術家として追悼記事でその業績を紹介しました。まさに折り紙に全てを捧げた94年の生涯だったといえます。

 本展では、吉澤章さんの折り紙芸術の粋ともいえるすばらしい作品を紹介するとともに、天才と呼ばれる一方、一つの作品を完成させるまでに数十年かけることもあった厳密な側面を伝える試作品や図面などの貴重な資料を特別展示いたします。

 一枚の紙にぬくもりと生命感を吹き込む吉澤章さんの芸術世界をごゆっくりとお楽しみくださいませ。

  平成18年1月3日
                                               株式会社 有隣堂

         会場入り口

         日本犬・三大犬種・世界の犬

自画像をメインにした展示部分


         作品を展示し 今にして思う


 この展覧会場を思い起こすとき、作品の一点一点が鮮やかに蘇り、それにまつわる創作、制作の事々が脳裏に浮かびます。
 50年前の作品が一昨年ヨーロッパから戻って来たとはいえ、それらの作品が出来るには、それ以上の何年、何十年の歴史があった筈です。創作には何らかの動機があり折り始めても、完成までの道程は容易なものではなかった事でしょう。発見された当時の作品の完成度の高さを人々は驚き、率直に評価されています。
 多くの要望もあり、特別出品とした試行錯誤の創作過程を展示しましたが、皆様に見ていただくのがよいか迷いました。今更でもないと叱られそうにも思いました。しかし、作品は一朝にして成らずということをわかってもらうには一つの方法として展示しました。何でもないようなシンプルな作品も複雑な作品を折り尽くしてから出来ることもあります。
 極く簡単なもの、虫のように複雑なもの、更には抽象作品を問わず、ほど良い表現は観る人に理解され、安心と納得させる力があります。いとおしくなる作品、包まれるようなあたたかさを感じるもの、また美しさにも様々なものがあり、明日への希望と元気を約束してくれるような作品等々ありました。
 ご覧下さって、人々は優しい、あたたかい、力強いと、感じたことを率直に告げられ、唯々素晴らしいの連発や感激、感動されたと、温かい雰囲気に満ちていました。
 貧しい時代に創作した作品にも侘びしさや卑しい陰を落としているものはどこにも見当たりません。それではどんなにやさしい人であったかと思われましょうが、激しく厳しく意志強く、更に自らには厳しく律していた人です。それ程にしなければあのように膨大な作品は生まれなかった事でしょう。一点一点が生命を得て、格調高く、気品ある作品と誰にも認識されております。
 この期間(一周忌近い)に遺作展とは言わず、作品展を企画して下さったことは、作品は永遠であるということです。有隣堂の皆様に吉澤と作品は見守られて50年間がすぎました。今回展示された作品は極く一部ですが、全作品の往く末を心にかけて、リスト作成に取りかかって下さいました。
 世界中の人々から慕って頂く作品を後世によい状態で残してゆくために、ご理解とお力添えをお願い致します。

   2006年2月20日                    吉澤 喜代

やさしいいぬ
雪椿
こうのとり
白鳥
森の精−花・草・木と冬の木
鳩を抱く少年
森を守る人

特別展示した創作過程の作品

NHKテレビに取材される

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