特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律 (1/1)[H16.4.1施行版]
 
 
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   第一章 総則

第一条 趣旨

 この法律は、千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(以下「条約」という。)に基づく国際出願、国際調査及び国際予備審査に関し、特許庁と出願人との間における手続を定めるものとする。
 

   第二章 国際出願

第二条 国際出願

 日本国民又は日本国内に住所若しくは居所(法人にあっては、営業所)を有する外国人(以下「日本国民等」という。)は、特許庁長官に条約第二条(vii)の国際出願(以下「国際出願」という。)をすることができる。日本国民等と日本国民等以外の者が共同して国際出願をするときも、同様とする。
 

第三条 願書等

 国際出願をしようとする者は、日本語又は経済産業省令で定める外国語で作成した願書、明細書、請求の範囲、必要な図面及び要約書を特許庁長官に提出しなければならない。

2 願書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 一 当該出願を条約に従って処理すべき旨の申立て

 二 出願人の氏名又は名称並びにその国籍及び住所又は居所(出願人が二人以上ある場合にあっては、日本国民等である出願人のうち少なくとも一人の国籍及び住所又は居所)

 三 発明の名称

 四 前各号に掲げるもののほか、経済産業省令で定める事項

3 明細書を、請求の範囲、図面及び要約書に記載すべき事項その他これらの書類に関し必要な事項は、経済産業省令で定める。
 

第四条 国際出願日の認定等

 特許庁長官は、国際出願が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、国際出願が特許庁に到達した日を国際出願日として認定しなければならない。

 一 出願人が第二条に規定する要件を満たしていないとき。

 二 前条第二項第一号に掲げる事項の記載がないとき。

 三 出願人の氏名若しくは名称の記載がなく、又はその記載が出願人を特定できる程度に明確でないと認められるとき。

 四 明細書又は請求の範囲が含まれていないとき。

 五 明細書及び請求の範囲が日本語又は前条第一項の経済産業省令で定める外国語で作成されていないとき。

2 特許庁長官は、国際出願が前項各号のいずれかに該当するときは、相当の期間を指定して、書面により手続の補完をすべきことを命じなければならない。

3 特許庁長官は、前項の規定により手続の補完をすべきことを命じられた者が同項の規定により指定された期間内に手続の補完をした時は、手続の補完に係る書面の到達の日を国際出願日として認定しなければならない。
 

第五条 国際出願日の認定等

 特許庁長官は、国際出願において、その国際出願に含まれていない図面についての記載がされているときは、その旨を出願人に通知しなければならない。

2 特許庁長官は、前項の規定による通知を受けた者が経済産業省令で定める期間内に同行の記載に係る図面を提出した時は、その図面の到達の日を国際出願日として認定しなければならない。
 

第六条 補正命令

 特許庁長官は、国際出願が次の各号の一に該当するときは、相当の期間を指定して、書面により手続の補正をすべきことを命じなければならない。

 一 願書が日本語又は第三条第一項の経済産業省令で定める外国語で作成されていないとき。

 二 発明の名称の記載がないとき。

 三 図面(図面の中の説明に限る。)及び要約書が明細書及び請求の範囲と同一の言語で作成されていないとき。

 四 要約書が含まれていないとき。

 五 第十六条第三項の規定又は第十九条第一項前段において準用する特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第七条第一項から第三項までの規定(第十九条第一項後段の政令でこれらの規定の特例を定めたときは、当該特例に係る当該政令の規定)に違反しているとき。

 六 経済産業省令で定める方式に違反しているとき。
 

第七条 取り下げられたものとみなす旨の決定

 特許庁長官は、国際出願が次の各号のいずれかに該当するときは、その国際出願が取り下げられたものとみなす旨の決定をしなければならない。

 一 前条の規定により手続の補正をすべきことを命じられた者が同条の規定により指定された期間内に手続の補正をしなかったとき。

 二 第十八条第一項第一号若しくは第二号、同条第二項又は同条第三項の規定により納付すべき手数料が経済産業省令で定める期間内に納付されなかったとき。

 三 第四条第一項若しくは第三項又は第五条第二項の規定による認定をした国際出願につき、経済産業省令で定める期間内に、当該国際出願が第四条第一項各号のいずれかに該当することを発見したとき。
 

   第三章 国際調査

第八条 国際調査報告

 特許庁長官は、第四条第一項若しくは第三項又は第五条第二項の規定による認定をした国際出願(条約に規定する他の国際調査機関が条約第十五条に規定する国際調査(以下「国際調査」という。)をするものを除く。この章及び次章において同じ。)につき、審査官に条約第十八条(1)に規定する国際調査報告(以下「国際調査報告」という。)を作成させなければならない。

2 審査官は、国際出願がその全部の請求の範囲につき次の各号の一に該当するときは、前項の規定にかかわらず、国際調査報告を作成しない旨の決定をしなければならない。

 一 国際調査をすることを要しないものとして経済産業省令で定める事項を内容とするものであるとき。

 二 明細書、請求の範囲若しくは図面に必要な事項が記載されておらず、又はその記載が著しく不明確であるため、これらの書類に基づいて有効な国際調査をすることができないとき。

3 審査官は、国際出願がその一部の請求の範囲につき前項各号の一に該当するときは、その旨及び当該一部の請求の範囲以外の請求の範囲のみについてした国際調査の結果を、国際調査報告に記載するものとする。

4 特許庁長官は、国際出願が条約第十七条(3)(a)の発明の単一性の要件を満たしていないときは、出願人に対し、相当の期間を指定して、実費を勘案して政令で定める金額の手数料を追加して納付すべきことを命じなければならない。

5 審査官は、前項の規定により手数料を追加して納付すべきことを命じられた出願人が同項の規定により指定された期間内にその命じられた金額の手数料を追加して納付しないときは、経済産業省令で定めるところにより、その国際出願を手数料の納付があった発明に係る部分とその他の発明に係る部分とに区分し、手数料の納付があった発明に係る部分については当該発明に係る部分についてした国際調査の結果を、その他の発明に係る部分についてはその旨を、国際調査報告に記載するものとする。
 

第九条 文献の写しの請求

 出願人は、その国際出願に係る国際調査報告にその国際出願と関連する技術に関する文献の記載があるときは、特許庁長官に対し、経済産業省令で定める期間内に、その文献の写しの送付を請求することができる。
 

   第四章 国際予備審査

第十条 国際予備審査の請求

 第四条第一項若しくは第三項又は第五条第二項の規定による認定を受けた国際出願の出願人は、経済産業省令で定める期間内に、その国際出願について、特許庁長官に条約第三十三条に規定する国際予備審査(以下国際予備審査という。)の請求をすることができる。ただし、出願人が条約第三十一条(2)の規定により国際予備審査の請求をすることができることとされている者以外の者である場合その他経済産業省令で定める場合は、この限りでない。

2 前項の請求をしようとする者は、経済産業省令で定める事項を日本語又は経済産業省令で定める外国語により記載した請求書を、特許庁長官に提出しなければならない。
 

第十一条 国際予備審査の請求に伴う補正

 国際予備審査の請求をした出願人は、経済産業省令で定める期間内に限り、当該請求に係る国際出願の出願時における明細書、請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内において、明細書、請求の範囲又は図面について補正をすることができる。
 

第十二条 国際予備審査報告

 特許庁長官は、国際予備審査の請求があったときは、当該請求に係る国際出願につき、審査官に条約第三十五条に規定する国際予備審査報告(以下「国際予備審査報告」という。)を作成させなければならない。

2 審査官は、国際予備審査の請求に係る国際出願がその全部の請求の範囲につき次の各号の一に該当するときはその旨を、国際予備審査の請求に係る国際出願がその一部の請求の範囲につき次の各号の一に該当するときはその旨及び当該一部の請求の範囲外の請求の範囲のみについてした国際予備審査の結果を、国際予備審査報告に記載するものとする。

 一 国際予備審査をすることを要しないものとして経済産業省令で定める事項を内容とするものであるとき。

 二 明細書、請求の範囲若しくは図面における記載が不明確であり、又は請求の範囲が明細書による十分な裏付けを欠いているため、請求の範囲に記載されている発明につき、条約第三十三条(2)、(3)又は(4)に規定する新規性、進歩性又は産業上の利用可能性についての同条(1)に規定する見解を示すことができないとき。

3 特許庁長官は、国際予備審査の請求に係る国際出願が条約第三十四条(3)(a)の発明の単一性の要件を満たしていないときは、出願人に対し、相当の期間を指定して、国際予備審査を受けようとする請求の範囲を減縮し、又は実費を勘案して政令で定める金額の手数料を追加して納付すべきことを命じなければならない。

4 審査官は、前項の規定により国際予備審査を受けようとする請求の範囲を減縮し又は手数料を追加して納付すべきことを命じられた出願人が同項の規定により指定された期間内にその請求の範囲を減縮せず又はその命じられた金額の手数料を追加して納付しないときは、経済産業省令で定めるところにより、その国際出願を手数料の納付があった発明に係る部分とその他の発明に係る部分とに区分し、手数料の納付があった発明に係る部分については当該発明に係る部分についてした国際予備審査の結果を、その他の発明に係る部分についてはその旨を、国際予備審査報告に記載するものとする。
 

第十三条 答弁書の提出

 審査官は国際予備審査の請求に係る国際出願が次の各号の一に該当するときは、国際予備審査報告の作成前に、出願人に対しその旨及びその理由を通知し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えなければならない。

 一 請求の範囲に記載されている発明に、条約第三十三条(2)、(3)又は(4)に規定する新規性、進歩性又は産業上の利用可能性がないとき。

 二 国際予備審査報告において条約第三十五条(2)に規定する意見を述べる必要があるときその他経済産業省令で定めるとき。
 

第十四条 国際予備審査の請求の手続の不備等

 国際予備審査の請求につき、第十八条第一項第四号又は同条第三項の規定により納付すべき手数料が納付されていないことその他経済産業省令で定める事由がある場合において特許庁長官又は出願人が執るべき手続及びその効果については、政令で定める。
 

第十五条 準用

 第九条の規定は、出願人が国際予備審査の請求をした場合に準用する。
 

   第五章 雑則

第十六条 代表者等

 二人以上が共同して国際出願をした場合におけるこの法律の規定に基づく手続については、経済産業省令で定める場合を除き、出願人の代表者がこれを行い、又はその代表者に対してこれを行うことができる。

2 特許庁長官は、二人以上が共同して国際出願をした場合において出願人が代表者を定めていないときは、経済産業省令で定めるところにより、出願人の代表者を指定することができる。

3 代理人によりこの法律の規定に基づく手続をしようとする者は、第十九条第一項前段において準用する特許法第七条第一項本文の規定により法定代理人により手続をしようとする場合その他政令で定める場合を除き、弁理士又は弁護士を代理人としなければならない。
 

第十七条 手続の補完等の特例

 出願人が第四条第二項の規定による命令又は第五条第一項の規定による通知を受ける前に、その命令又は通知を受けた場合に執るべき手続を執ったときは、経済産業省令で定める場合を除き、当該手続はその命令又は通知を受けたことにより執った手続とみなす。
 

第十八条 手数料

 次の各号に掲げる者は、実費を勘案して政令で定める金額の手数料を納付しなければならない。

 一 特許庁が国際調査をする国際出願をする者

 二 特許庁以外の条約に規定する国際調査機関が国際調査をする国際出願をする者

 三 第九条第十五条において準用する場合を含む。)の規定による請求をする者

 四 国際予備審査の請求をする者

2 前項第二号に掲げる者は、同項の規定により納付すべき手数料のほか、経済産業省令で定めるところにより、経済産業省令で定める金額の同号に規定する国際調査機関に対する手数料を納付しなければならない。

3 第一項第一号、第二号及び第四号に掲げる者は、前二項の規定により納付すべき手数料のほか、経済産業省令で定めるところにより、経済産業省令で定める金額の国際事務局(条約第二条(xix)の国際事務局をいう。以下同じ。)に対する手数料を納付しなければならない。

4 特許法第百九十五条第四項、第五項、第七項、第八項、第十一項及び第十二項の規定は、第一項の規定により納付すべき手数料及び第八条第四項又は第十二条第三項の規定により追加して納付すべきことを命じられた手数料に準用する。
 

第十九条 特許法の準用

 特許法第七条第一項から第三項まで、第八条第十一条第十三条第一項及び第四項、第十六条第二十条並びに第二十一条の規定は、この法律の規定に基づく手続に準用する。この場合において、条約又は特許協力条約に基づく規則(以下「規則」という。)に別段の定めがあるときは、その定めを実施するため、政令でこれらの規定の特例を定めることができる。

2 特許法第四十七条第二項の規定は、国際調査及び国際予備審査に準用する。

3 特許法第百九十五条の三の規定は、この法律又はこの法律に基づく命令の規定による処分に準用する。
 

第二十条 経済産業省令への委任

 第二条から前条までに定めるもののほか、国際出願、国際調査及び国際予備審査に関し条約及び規則を実施するため必要な事項の細目は、経済産業省令で定める。
 

第二十一条 条約に基づく機関としての事務

 この法律の規定は、工業所有権に関する国際協力の見地から必要がある場合において、条約若しくは規則又はこれらに基づいて締結された取決めに従って、特許庁がこの法律及び特許法その他の法律の規定に基づいて行うべき事務の円滑な遂行に支障のない範囲内において、この法律の規定の適用を受ける者以外の者に関し条約に規定する受理官庁、国際調査機関又は国際予備審査機関としての事務を行うことを妨げるものではない。
 
 

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