RUSH BALL 2000 -1st Stage- @ MOTHER
HALL
昨年、大阪南港で行われた野外イヴェントが、今年は難波の新しいホールに場所を移して開催。00Stageから3rd
Stageまで会期も4日間に延長。そのうちの1日、1st Stageに参加してきました。この日の出演者は以下の通り(出演順)。
・AIR
・POLYSICS
・ACO
・ギターウルフ
・東京スカパラダイスオーケストラ
以上の5組。
このうち初めて観るのはACOとギターウルフ。AIRとポリは以前から好きで何度かワンマンのライヴにも足を運んだりしていました。スカパラは去年のフジロックが初めてのライヴ。魅力を十分に知っているメンツと初体験の期待が膨らむメンツ。最高の組み合わせに気合い十分でのぞんでまいりました。以下、感想を。
トップバッターはAIR。最新シングル「New Song」で話題ですが、フジロック出演時と同様、最近のAIRを特徴づけるラウドなセットリストで会場は一気に盛り上がります。「Rush
and Rush」、「Kids Are Alright」などのパンキッシュな曲と、「No More Dolly」「Freedom」などのいわゆるヘヴィロック的な曲がうまく融合されたステージ。どちらかというとミドルテンポで重量感のあるグルーヴが大好きな私はぐわんぐわんいうスピーカーの前で頭ふりまくってました。そしたら後ろに立ってた人の頭にごちん。すんません。まあそんなことはいいとして、この人達は現在日本が誇る最強の3ピースバンドのひとつであると観るたびに思います。
2番手はPOLYSICS。キーボードのカヨちゃんがステージチェンジの際に自ら出てきてセッティング。準備万端整って出てきたメンバーはお揃いの青いツナギに麦藁帽子(!)。だはは、やっぱポリはこうでなくちゃ。コミカルなパフォーマンスとは裏腹に出てくる音は最近のシングルで聴けるようなロックバンド然とした攻撃的なもの。先述のキーボード、カヨちゃんが出す無機質なシンセ音のせいか、バンド全体が人を突き放したような表情を一瞬見せるかと思えば、ギター、ヴォーカルのハヤシくんがロックを表象する楽器(エレキギター)をかきむしり、叫ぶことによって演奏全体が一気に加熱し、客を煽ってくる。そんな演奏中非常に興味深かったのがハヤシくんのソロタイム(?)。曲間にいきなりライトハンド奏法を披露したかと思うと、ギターのネックを男根のように握りしめて握った左手を上下させる。それが終わるとギターを低く構えてスラッシュメタル風のリフをダウンピッキングでぶっ放す。次に続くのはでたらめな早弾き。これは明らかにエディ・ヴァン・ヘイレン、ジミ・ヘンドリクス、ジェームス・ヘットフィールド、そして無数に存在する「ヘビメタ早弾きギタリスト」などなど過去のギターヒーローたちのジェスチャーを戯画化したパフォーマンス。ここにどんな意味が込められているのでしょうか。「エレキって昔はこんな感じで弾いてこんな風に客に受けてたんだよね、みんな知ってる?」ぐらいのノリなのだろうけど、前述のギタリストを全部知ってて、どれも大好きな私から観れば、あの時間にはハヤシくんのギタリストとしての生き様のようなものが詰め込まれていたような気がするのです。ニューウエーブだロックだなんだ言われてるけど、オレが弾いてるのはエレキで、こんなにもセクシャルでこんなにもパワフルな楽器なんだぞ!ってのを過去の演奏スタイルを引用する事によってアピールしたかったのではないでしょうか。ギタリストなるもの言ってしまえば単なる目立ちたがり屋なのです。おらぁ、オレのギターはこんなにすごいぜ!つって女の子をキャーキャー言わせたいのです。あるいは、、、その逆に今ではすっかり廃れてしまったスタイル(おそらく最近のギター少年はライトハンドなど練習しないだろう。オレは練習した。)を披露することによって、今自分が取り組んでいるギター、およびバンドのスタイルがそれらの往年のスタイルからどれだけ離れているのか、あるいはそれほど離れていないのか、その位置関係を示したかったのではないでしょうか。ロックミュージックの歴史、エレキギター演奏スタイルの変遷、そんな大きな流れの中に自らの位置を探していたのかも知れません。まあ、深読み、大げさな解釈と言われればそれまでですが、同じギター弾きとしてこの「ソロタイム」(この概念自体ものすごーく古くさい)には共感を覚えると同時に、面白いことやってるなと思ったのでここに書きとめておきます。まあ実際そんなことはどーでもいいぐらい、ポリのバンドとしてのパワーがここ1年ほどの間に急成長したことを痛感させられたライヴでした。ライヴではベースが入るせいもあって、リズム隊のパワーはCDで聴く以上です。カヨちゃんはあんな細い体でキーボード(スタンドごと)持ち上げます。ヤバイですよ。未体験の人は体力つけてから是非出かけてみてください。
熱い2組の後にはACOでクールダウン。今回の出演者の中では1人浮いてしまうのでは、と心配しましたが熱心なファンが前列に押し寄せてしっかり盛り上がってました。アルバム「Absolute
Ego」を再構築した「The Other Side of Absolute Ego」というリミックスアルバムがすっかり気に入っていたので、この日のライヴではどんな演奏を聴かせてくれるのか非常に楽しみにしてました。最近の「ディーヴァ」とかいって、実際は往年の歌謡曲の焼き直しみたいな「J-R&Bブーム」を横目に、しっかりと個性を発揮している人だと思ってます。(おそらくDJ
KRUSHは小柳ユキとは共演しないだろうな。)やはり共演者のメンツのせいか、会場全体がどっと沸く瞬間はなかったけど、曲の途中からドラムンベースへと移行するような大胆なアレンジも織り交ぜて、じっくりと聴かせてくれました。ゆーらゆら揺れてたらほんとに気持ちよかったもんなぁ、、、。
お次は「ロックンロール、ベイベェー!」、ギターウルフ。これぞ信念のパフォーマンス。演奏が始まる前にオールバックの髪の毛をさらに櫛でなでつける。乱れたら、バスドラ踏みながらなでつける。革ジャンは脱がない(あ、ベースとドラムは途中で脱いでたっけ)。観客の1人をステージに上げてギターを弾かせる。照明のやぐらに上がって飛び降りる。ピストルズのカヴァーをやる。ドラムセットに水ぶっかける。マイクスタンド蹴り倒す。どれをとってもすきがない。あまりにすきがなく真っ直ぐなものだから、逆にほほえましいぐらい。ジョンスペとの共通点さえ見えてきそうな荒々しくも真っ直ぐで男気あふれるステージでした。
そしてそしてトリを飾ったのがスカパラ。「見てのとおり、東京スカパラダイスオーケストラです!」つって始まったさいこーな時間。「燃えよドラゴン」「Taboo」などで良質な演奏と旺盛なサービス精神との絶妙なマッチングをいやというほど見せつけられました。この時私は会場中程に設置された柵の後ろ、一段高くなった所からステージに向かっていたんだけど、そのおかげで彼らの演奏が始まった瞬間、会場全体が一気に踊り始めるのを見ることができました。とにかく楽しくてかっこいい。スカという単純ながらも毒性の高いリズムがホール全体にぶわっと拡がっていくのをまざまざと見せつけられました。アンコール前の最後の曲が「In
A Sentimental Mood」。言わずと知れたエリントン作の大スタンダード。数多くのミュージシャンに取り上げられたこの曲の演奏の中でもここで聴いたスカ・ヴァージョンは名演、名アレンジと呼べるものでしょう。彼らの最新作「Full
Tension Beaters」に収録されてます。是非聴いていただきたい。そんな快演でステージを去った彼らにアンコールを求める拍手。再び登場して演奏した曲は、そう「ルパン3世のテーマ」。「Punch
The Monkey! 2」に収録され、昨年のフジロックでも演奏された曲。大っ興奮とはこのことで、頭ふりながらピョンピョン跳ねまくってました。
これだけ楽しませていただいて4000円を切るチケット代金。こりゃもうお得以外のなにものでもありません。ポリのリストバンドとTシャツも買えたし、言うことありません。
以上、大満足のRUSH BALL報告でした。
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