現時点で以下に計画した論文は世に出せるものになっていません。今後なんらかの形で発表できるかも知れません。その時がきたら当サイトにてお知らせいたします。(2002.3.27)

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「99年度研究概要報告」大学の事務室に提出する「99年度研究概要報告」という書類を書いていたら、なんとなく論文の研究計画のようになってしまったので、こちらにも載せておきます。去年の成果を振り返りつつ、今年はこうするぞ、っていう内容。事務室に提出する書類なんて、いつもいい加減なもんだから、いささか詰めの甘い記述ではありますが、、、(2000.3.26.)

『研究題目名

楽器・産業・意味: 電気ギターを中心にして

研究主題

「藝術文化研究」第3号(大阪芸術大学大学院発行)収録の拙稿「電気ギターを特徴づけるティンバー(timbre)の弁証法」をきっかけに、楽器に付帯するイメージ、音色が喚起する関連テクストへの意味の遡及という構造を明らかにすることが主な研究課題であった。それにくわえて、日本の楽器産業、楽器にまつわる文化現象を総合的にとらえなおすことを同時に行い、2000年度提出予定の学位請求論文の材料として活用することが本年度研究の主題である。

研究経過

前述の小論をもとに日本ポピュラー音楽学会(関西例会)、国際ポピュラー音楽学会第10回大会(於、シドニー、オーストラリア)において、それぞれ口頭発表を行った。それまでの研究を幅広い分野からの参加者に報告することによって、筆者の研究に足りなかった部分が明確になった。各分野の用語をあいまいなままで使っていたことによって、研究の焦点が不確かなままにさせていた。よって、この点を改良させる必要を感じている。また、楽器産業調査の重要性を感じており、これは2000年度の研究課題となるだろう。

研究概要

ポピュラー音楽の世界で重要な役割を負っている電気ギターという楽器を中心にそれにかかわる人間、社会、産業の特徴、構造を包括的にとらえ直すことが本研究の主要なテーマである。そこには音楽テクストの記号論、音色に付帯するイメージ、日本大衆文化の中の電気ギター、新技術導入による表現者、聴き手の価値観の変遷、電気ギター流通を中心とする日本の楽器産業構造などの項目が含まれる。前述の拙稿を最初の手がかりとして、これらの課題を有機的にまとめあげることによって、従来の楽器学、音楽学に何らかの新しい方法論、視点を提出することが可能であると考える。

テクスト分析

:電気ギターの発音構造、音色、奏法、実際の楽曲での使われ方。これらを、ナティエの音楽記号論、タグの代行テスト、ミドルトンのジェスチャー論などの先行研究を参照しながら実践的な分析方法を提案したい。

音色が喚起するイメージ

:電気ギターの音色に着目して、それが引き起こす意味作用の構造を明らかにする。ここではバルト、クリステヴァらによる間テクスト性の概念が大きなヒントとなるだろう。

文化論

:日本大衆文化の中に電気ギターがどのような経過をもって受容されてきたのかを調査する。文化上の位置付けが対照的な鍵盤楽器との比較など。

楽器産業論

:田中健次が著書「電子楽器産業論」で鍵盤楽器をめぐる産業構造を明確にしてみせたが、筆者はそれを電気ギターを中心にして実践してみたい。日本への楽器製作技術の輸入に始まって、日本独自の生産技術の発展、市場の拡大、需要と供給のバランス、海外への輸出、など産業発展史を振り返ると同時に、その特徴を明らかにしていきたい。』

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