ニュース54号 2002/11発行

  ■2002年度いのくら県交渉はじまる

  ■「かわさきのハルモニ、ハラボヂ」展
   10月8日(火)〜13日(日)川崎駅前リバークビル開催報告


  ■日本語指導協力員をテーマに県外連セミナーを開催

  ■「朝鮮人追出せ」差別落書き発見!


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■2002年度いのくら県交渉はじまる

 かながわみんとうれんが加盟している「県民のいのちとくらしを守る共同行動委員会(略称:いのくら)」で、神奈川県との来年度事業に関わる要求交渉がはじまりました。私たちも以下のように要求し、第1回目の回答がでましたので報告します。

(県教育委交渉)

1.外国人児童生徒の在籍数、本名使用のデータ、日本語指導が必要な児童生徒数ならびに県教委が把握している進路動向をまとめ資料提供すること。

県:進路動向は把握しておりませんが、それ以外の資料を提供いたします。
在籍 公立小 3760人   私立小 54人   合計 3814人。
   公立中 1736人   私立中 49人   合計 1785人。
   公立高校 714人   私立高 114人   合計  828人。
   公立盲ろう養校 26人 私立盲ろう養校  0人。
在日コリアン本名率
   小 45.3%   中 34.8%   高 36.0%   盲ろう養 57.1%
日本語指導     小 1098人   中 580人   高 159人。

2.在日に関わる教育について、県下市町村が行っている事業をまとめ資料提供すること。

県:提供いたします。(省略)

3.市町村教委と連携し、国際教室をさらに充実させる意味において、外国籍住民の文化、歴史、抱える問題等を児童生徒たちに指導するため講師派遣できる「民族文化講師派遣事業」(仮称)を実施すること。

県:外国籍児童生徒が、母国の言語や文化を学んだり、日本人の児童生徒が、多様な文化を学び、共に生きていくことを学習することは、とても大切なことととらえております。県教育委員会では、今年度から新規事業として、母語による心のケアや教育相談などを行う「外国籍児童生徒等教育相談員派遣事業費補助」を立ち上げ、異なった文化や、言語に開かれた学校づくりを進めております。また、今年度外国籍児童生徒のアイデンティティー形成のために、ボランティアなど地域の教育力を活用した支援態勢や、文化的な行事の在り方などの研究委託校を新たに設置しました。これらの研究や、事業の成果を参考にしながら、今後も市町村教育委員会と連携して国際教育を推進してまいります。

4.多文化教育、国際教育に対応できるように外国籍の教員を積極的に採用すること。また教員採用において外国籍県民のここ3年における応募、採用状況を資料提供すること。

県:本県としては、従前から教員の採用試験について国籍の制限を設けておらず、外国籍の人も任用してきた経過があります。しかし、91年3月の文部省の通知や、96年の知事部局での「採用に当たっての国籍条項に関する方針」をふまえて、97年採用試験から、外国籍の人の教員への任用については、任用の期限を付さない常勤講師として任用することとしています。なお、教員採用試験における外国籍県民の応募状況でございますが、本県の受験申込書には国籍を記載する欄を設けておりませんので、外国籍県民の応募状況は把握しておりません。また、ここ3年では外国籍県民の採用はございません。

5.外国籍教員を常勤講師任用することについての外国籍の意見を県教委はいかにとらえているのか、その見解を明らかにすること。

県:外国籍教員の常勤講師への任用につきましては、外国籍県民神奈川会議の提言をはじめ、様々なご意見があることは承知しておりますが、文部科学省は外国籍教員の任用については、任用の期限を付さない常勤講師として任用することとしています。91年の通知の通り行っていただくとの見解を現在もはっきり示しており、これを受けまして本県だけではなく全国的にも教員採用試験において任用の期限を付さない常勤講師として任用を明示している県がほとんどであります。こうした状況から、本県としてもこの方針を変更する考えはございません。


(商工労働部交渉)

1.昨年いただいた外国籍県民の就労状況について、市町村別のデータに整理し、資料提供すること。

県:昨年度は外国籍県民の就労状況について、統計課から「平成12年国勢調査結果」を入手し、神奈川県のデータを報告しました。市町村別のデータの集計状況について統計課に確認したところ、15歳以上の外国人数、15歳以上の外国人就労者数の項目については、人口50万以上の市が、集計対象となっておりまして、本日は集計結果が公表されている横浜市、川崎市、相模原市のデータについて資料を提供致します。

2.今年度の就職差別問題啓発セミナー実施計画の概要について明らかにすること。

県:今年度の外国人就労差別問題啓発セミナーは、すでに7月9日火曜日に横浜市教育会館で開催しました。プログラムとしましては、一つ目に公正な採用選考についての説明、そのうち事例報告としまして、在日韓国朝鮮人の雇用の実態。そして講演としまして在日朝鮮人の就職問題という内容で実施し、参加者は約 450人でございました。来年度も就職差別問題啓発セミナーを開催してまいります。

3.今年度実施の県民啓発事業について明らかにすること。

県:県民啓発事業については、就職差別の解消を目的とした就職差別問題啓発セミナーを7月9日に開催し、この際県の便りの6月号に開催のお知らせを掲載し、一般県民へ参加呼びかけを行ないました。また県民部では、人権を尊重し多文化および相互理解を促進するため、各種の啓発事業を行なっておりますので、県民部と連携し、その事業の中でできる県民啓発を工夫して実施してまいります。今後も県民部、県教育委員会神奈川労働局と連携を図りながら、それぞれの事業が、効果的に実施できるよう努力してまいります。

4.昨年実施した「就職差別問題啓発セミナー」で実施した参加者アンケートの集計結果を資料提供すること。

県:昨年実施した「就職差別問題セミナー」のアンケートの集計結果を本日資料提供致します。


(福祉部交渉)

1.県外国籍住民生活実態調査報告書について県福祉部の見解を明らかにすること。

県:県内の外国籍県民に対するアンケートやインタビューを通じて外国籍県民の方々の生活実態にそくして様々なニーズが表明されており、その中には福祉の制度に関する情報の提供など、身近な市町村や県として対応が求められているものがあると認識しております。

2.県外国籍県民福祉給金助成事業と同等な事業を行っている都道府県についてその支給額等を調査し明らかにすること。(省略)

県:実施状況は資料提供させていただきました。

3.県外国人福祉給付金助成事業の基準額を増額すること。

県:県としては、他都道府県等の状況、国の年金制度の動向も踏まえながら検討してまいります。

4.「平和条約国籍離脱者等である戦没遺族者等に対する弔慰金等の支給に関する法律」について、担当省庁からいかなる指導、今日情報提供があったか、明らかにすること。またさらに当事者に周知徹底されるため、県独自での広報活動を行うこと。

県:総務省から本法の請求指導を円滑に進めるために、次のとおり指導等がありました。(1)厚生労働省が保管する戦没者在日・・・名簿によりその遺族等の追跡調査の実施について依頼がありました。(2)本法による請求期限である04年3月31日までに、この法律を対象者に充分な周知活用を図るための巡回相談を実施するにあたってきめ細かな広報が不可欠と考えられるので、各市町村の協力も得られるよう依頼がありました。(3)広報するにあたっては、この法律は国籍を要件にしていないので、「どこどこの国籍」という表現をなるべくつけるのが望ましい。(4)政府公報については02年8月19日から25日までの間に新聞により全国75誌に掲載され、同法の周知を図っています。県独自の広報活動については、法制度については「神奈川新聞」県民の窓、巡回相談については『県のたより』及び外国籍県民のための情報誌「こんにちはかながわ」に掲載し周知を図っています。

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■「かわさきのハルモニ、ハラボヂ」展
 10月8日(火)〜13日(日)川崎駅前リバークビル開催報告

 この間、川崎南部で、在日高齢者交流クラブ「トラヂの会」の世代と民族をむすぶ交流事業を通じて、私たちは、在日高齢者から実に多くのことを学びました。たいへんな労苦を強いられた戦中、戦後、たいへんな活力で、それぞれの時を生き抜いた生活史は、私たちを驚かせ、戦争の悲惨さ、差別の醜さを学びました。また、個性豊かに生き抜いた在日一世の今に、魅せられました。同時に、同じ地で、同じ時代を生きたにもかかわらず、どこか別の場所、別の時代の出来事であるかのごとく、知らなかった、分断された自分を感じました。

 ハルモニ、ハラボヂとの地域で得た情報を、広く市民に発信し、同じ地域、同じ時代を生きた「私たちの歴史」を共有、共感する作業として、展示会を企画準備してきました。そして、こうした作業を抜きに、「共に生きる地域社会」の創造はありえないと考えました。

 会場には、こどもからお年寄りまで、足を運んで、熱心に見ていただきました。あらためて、写真、表情で感じることのできる領域の広さに感心しました。宮前小学校では、授業の一環で引率いただき、6年生に多数見ていただきました。また、川崎朝鮮初中級学校のこどもたちも、学校引率でわざわざ見にきてくれました。ハルモニたちと場を同じくした経験、感じるものがきっと伝わっていったと思います。

 解説もわかりやすさを追求したつもりでしたが、反省点も多く寄せられています。情報発信を受け手の立場からきちんと検証し、もっと伝えるための創意工夫を凝らしていきたいと思います。
 あらためて、2000人ネットワークの継続と世代と民族を結ぶ共同作業を呼びかけます。

 多くの人に支えられた手作り展示会賛助会2000人ネットワークは、「かわさきのハルモニ、ハラボヂと結ぶ」2000人ネットワークとして、継続します。せっかくできた人と人とのつながりを、財産として、さらに深め、広げる活動を進めます。

 今、下記のようなことを相談中です。

●在日一世の自己表現を支援する活動
 展示会では、識字学級の作文に大きな感銘を受けた方が多くいらっしゃいました。ハルモニ方の素直な表現が共感を生み出していると思います。ハルモニたちの語りや書くという自分の表現を支え、支援する活動を継続性を持って進めたい。

●情報発信の創意工夫を凝らし、相互対話できる活動
 独り善がりの情報発信をあらため、感じあえる学びあいの場を創造したい。また、こどもたちや同世代のお年寄りにわかりやすく伝える、感じあう素材提供の方法について深め、相互対話による世代と民族を結ぶ活動を創造したい。

●資料の収集
 生活のなかで使ってきたものや古い写真などを集め、保存します。記憶のスケッチ、再現などを通じ、ハルモニ、ハラボヂの記憶を形化し、自らのものにできる活動を創造したい。(と)

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■日本語指導協力員をテーマに県外連セミナーを開催

 多文化共生教育を考える県外連第4回セミナーが10月26日午後、約50名の参加のもと、横浜の開港記念会館で開催されました。今回のセミナーは「外国籍児童・生徒教育相談員(日本語指導協力員)から見た学校〜その現状と課題を考える」がテーマで、パネルディスカッションには3名の日本語指導協力員が参加しました。

 最初は茅ヶ崎市日本語等指導協力員の滑川恵理子さん。中国語を母語とする児童・生徒への指導をされている滑川さんからは、日本語指導が必要な児童・生徒が少数点在する茅ヶ崎の現状、協力員の具体的な仕事内容、高校進学における課題、日本語指導協力員8名に対するモデルアンケートの結果が話されました。アンケートからは、「交通費の支給、労災適応の対象となっていない人が多い」「日本語指導以外にも親などの生活相談を行っている」「協力員自身の勉強の機会がほしい」などの課題が明らかとされました。

 次に相模原市日本語等指導協力者で、タイから来日9年目の荒井アオイさん。「(教員免許有資格者が行う日本語巡回指導には教科書があるが、)協力者が行う取り組みには教科書がない。新聞広告を教材として利用している」「子どもたちについての情報交換の場がない」「タイ語も日本語もしゃべれない小学1年生がいる。親が仕事に出て、子どもを見ることができない。どこまで関わっていいのか」といった実態が報告される一方で、荒井さんは「タイにはいいところがたくさんある。子どもたちのアイデンティティの確立をめざしたい」と発言されました。

 最後は千葉の市川市通訳講師の中島スザナさん。ブラジルから来日11年目の中島さんは、センター校方式をとる市川の現状をふまえつつ、「担当の教員を増やしてほしい。他の教員にも紹介してほしい」「日本語指導というより生活指導という面が多い。異文化間カウンセラーが必要である」「日本全国で2万5千人の子どもたちが学校に行っていない。親の意識改革も必要である」と問題提起をされました。

 その後、会場から、日本語指導協力員が配置されている現場中学の教員、日本語指導協力員の地位確保という提言を出した外国籍県民会議の委員の発言があり、最後にコーディネーターの北村眞佐子がパネルディスカッションをまとめる形で、現状における課題を次の3点に整理しました。@日本語指導協力員についての情報の共有化をはかる、Aその位置づけを明確化する、B取り組みを支えるためのシステムづくりをすすめる。非常に有意義な話し合いが行われた2時間でした。(み)

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■ 「朝鮮人追出せ」差別落書き発見!

 横浜市鶴見区生麦5丁目の電柱に「朝鮮人追出せ」という差別落書きが発見されました。これは、みんとうれんの団体加盟している組織の方が発見し、2002年10月8日(火)にみんとうれんに通報されました。早速、翌日の9日(水)に現地調査し、問題の差別落書きを撮影してきました。鋼材会社の目の前にある電柱で、比較的人通りも少ないと思われるところでした。近辺の電柱何本かも見ましたが、差別落書きがあったのはここだけでした。そして、翌週の16日に横浜市市民局人権課に通報し、しかるべき処置を依頼しました。

 「北朝鮮ら致問題」の報道が盛り上がるなか、これらの時流の中でこの心ない差別落書きがなされたのでしょうか。
 聞くところによれば、9月17日から10月3日のあいだに在日朝鮮人人権協会が調査しただけで、朝鮮学校とその児童生徒達への暴言・暴行・嫌がらせは85件を数えます。ちなみにこの件に関わる嫌がらせなどは、現在 300件と言われています。

 ら致問題が確実に在日朝鮮人への偏見をあおり立て,人権侵害を起こしています。確かにら致は許されない犯罪行為であり、親族の心中を思いやると心が痛みます。今後多くの戦後補償問題と同質に真相究明、謝罪、補償がなされるべきと考えます。しかし、そのことと在日朝鮮人へ行われている八つ当たり的感情論は、全く次元が違います。そのことは、ら致された遺族の方々も胸を痛めています。早急にやめるべきです。

 さて、差別落書きですが、横浜市と今後協議し、再発されないような行政施策を考えていきたい思います。(S)

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