■ 梅花文学賞 現代詩 那珂 太郎・高橋 順子 共選 ■
【一般の部 秀逸】
岡田 響 49 (神奈川県 横須賀市)

小鳥が日光を脱ぐ 分娩室のむこう岸
シーツに満ちる潮のにおい 静寂の球体

うぶ毛は木々の眼差しに揺れるため
えくぼは頬のさざなみに触れるため

音楽のような仔猫の耳を陽に透かしなさい
あまい萼片の舌先を口にふくんでふるえなさい

福音であるかのようなおまえの命令に
わたしの五月よ 不意の暦に父となる